老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、66歳で働きながら年金を受け取る場合、どのくらいの収入までなら年金がカットされないのかについて解説します。

■Q:66歳です。年金をもらいながら働きたいのですが、月収はいくらまでなら年金は減額されませんか?
「私は66歳になったばかりです。年金を受け取りながら働きたいと考えています。月の収入がどれくらいまでなら、年金はカットされずに受け取れるのでしょうか?」(匿名)

■A:厚生年金に加入して働く場合は、老齢厚生年金と給与などの合計が65万円を超えると年金が一部減額されます
66歳で働く場合、年金が減額されるかどうかは、厚生年金に加入して働いているかどうかで決まります。この仕組みを「在職老齢年金制度」といいます。

在職老齢年金制度では、

老齢厚生年金の報酬比例部分の月額(基本月額)+給与や賞与を基にした総報酬月額相当額

の合計が、2026年度の支給停止基準額である65万円を超えると、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となります。

例えば、老齢厚生年金の月額が12万円の場合、

65万円-12万円=53万円

となるため、給与や賞与を基にした総報酬月額相当額が53万円以下であれば、原則として老齢厚生年金は支給停止されません。

なお、減額の対象となるのは老齢厚生年金です。65歳から受け取る老齢基礎年金(国民年金)は在職老齢年金制度の対象外のため、働いていても減額されることはありません。

また、厚生年金に加入しない働き方であれば、在職老齢年金制度の対象にはなりません。
そのため、フリーランスや個人事業主として働く場合など、厚生年金に加入していなければ、老齢厚生年金が減額されることはありません。

ただし、2025年6月に成立した年金制度改正法により、短時間労働者の厚生年金加入要件のうち賃金要件(いわゆる「106万円の壁」)は今後撤廃される予定です。これにより、より多くの人が厚生年金に加入しながら働くことになります。

一方で近年は在職老齢年金の支給停止基準額も引き上げられており、以前より年金を減らされずに働きやすい環境が整ってきています。

実際に年金が減額されるかどうかは、老齢厚生年金の金額や賞与の有無によって異なります。気になる場合は、「ねんきん定期便」や年金事務所で確認しておくと安心です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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