全国各地の企業社員食堂の運営や保育園での食事提供を担うウオクニの野々村禎之会長が、今春の叙勲で業界発展に寄与した人物に授与される旭日中綬章を受章した。野々村氏は、「私自身は業界で特段何かをしたつもりはないが、社員食堂や学校・保育園、病院・福祉施設などの給食調理の仕事が認められた何よりの証であり、嬉しい」と謙虚な言葉を綴った。


5月上旬に皇居を訪れた野々村氏は天皇陛下に謁見。受章者を代表してお礼言上を務めた。ウオクニ創業者である父、野々村幸雄氏も数十年前にお礼言上を務めており、2代で実施したのは農水省によると前代未聞だという。

野々村氏は食の安全・安心・健康に関する意識が高まった2005年から2009年にかけて、給食事業者で構成される日本給食サービス協会の会長職を務めた。食品の安全は、食事提供者にとって最も重要なことであると考え、給食現場における安全性を高める施策を数多く実施。給食現場の安全性の底上げを図った。

給食事業者へのアンケート調査結果から異物混入対策ワースト3は、「毛髪、虫、ビニール片」であることを受けて、これら異物の混入対策マニュアルを策定した。具体的な事例により原因と対策を示し、給食現場で起こりうる異物混入事故防止に努めた。

また、当時は、消費者の信頼を揺るがす偽造表示の問題が相次ぎ発生していたことから、給食業界では同様の問題が起こらないよう、給食事業者が自ら社内の取り組みの点検・検証を行うための冊子「信頼性向上自主行動計画」を作成した。会員に配布するとともに、利用者視点でのメニュー開発、原材料の仕入れ、調理、提供についての日頃の検証、コンプライアンス意識の確立などについて、周知・啓発に取り組んだ。

安全の取り組みは、食品安全にとどまらず、従業員の健康管理にも及んだ。

ノーウォークウイルス(ノロウイルス)感染症が大流行したときには、調理従事者から感染することのないよう調理従事者の感染対策にも取り組み、マニュアルを策定。
調理従事者の健康管理を徹底することで、給食利用者に安全・安心な食事を提供できる体制づくりに取り組んだ。

また、給食業界特有の三大災害である、切り傷、転倒、やけどの労働災害を少しでもなくせるよう、労働災害事例を分かりやすく示し、給食事業者の従業員一人ひとりが活用できるようなマニュアル策定を提案。独自のガイドライン「労働災害マニュアル」を作成し、従業員の労働災害防止に取り組んだ。
編集部おすすめ