毒と薬に異常な執着を持つ薬屋の娘・猫猫と、謎多き美形の宦官・壬氏が宮中で巻き起こる難事件へと挑んでいく。シリーズ累計3800万部突破の大人気作品をアニメ化、放送直後から大きな話題を呼んだ『薬屋のひとりごと』の第2期が好評放送中! 後宮を舞台に繰り広げられる難事件を、毒と薬を愛してやまない猫猫(マオマオ)が鮮やかに解決していく。
今回は猫猫役の悠木碧と壬氏役の大塚剛央に、それぞれ演じているキャラクターの魅力や第2期の見どころなどを語ってもらった。

――おふたりが感じる猫猫と壬氏の魅力について教えてください。
悠木 あんなにも壬氏が思いやってくれているのに、「つれない」態度の猫猫が可愛いですよね(笑)。いつもは鋭い推理をみせる猫猫なのに、壬氏の好意にだけはナチュラルに勘が働かないところは愛おしくもあり、やきもきしてしまうところですね。

大塚 一緒にいるうちに猫猫の中にある芯の通った生き方といったものに惹かれていった壬氏ですが、最初は彼女のことを”使える駒”とか”新しいおもちゃ” といった認識で捉えていました。自分の思い通りに動かない猫猫に「いままで上手くいっていた方法が、なんでこの子には通用しないんだろう?」という子供っぽい悔しい気持ちもあったと思うんです。でもその思い通りにいかない猫猫に魅力を感じますよね。名前の通り猫っぽい、懐いてくれたらとても嬉しくなっちゃうような、そんな子ですよね。

――壬氏の魅力についてはいかがですか?
悠木 壬氏は”かわいそうなところが可愛い”と思っていて。こんなに頑張っているのに、好きな子にはちっとも振り向いてもらえないんですよ……。まぁ確かに壬氏にも問題があるわけですけど(笑)。他の人がうらやむいろんなものを持っていながら、一番手に入れたいものが手に入らない状態の壬氏が、第2期では、どのような関係になっていくのか、私も視聴者として気になっています。


大塚 壬氏は壬氏なりに頑張ってはいるんです。でも、猫猫に対しては「いや、そのやり方じゃ伝わらないだろう」ってなりますよね(笑)。僕もそんな方法しかとれない壬氏を可愛く思っています。

――ふたりの関係性は、第2期では進展があるのでしょうか?
悠木 いまのところ猫猫の目線では第1期の頃とあまり変わってないです。本人も努めて距離を取ろうとしていますし、身分差もあるので壬氏との関係については「一線を踏み越えることはありえないだろう」と思っているはずなので。ただ第2期では壬氏の生い立ちみたいなところが語られていくんです。壬氏のことについてだけ、勘が鈍くなる猫猫ではありますが、そのあたりのやりとりをきっかけに、ふたりの関係が進んでいけばいいなとは思っています。

大塚 壬氏のことをより深く知っていくことで、いままで一線を引いていた猫猫との関係が、変わるのか変わらないのか。第2期の見どころのひとつになると思います。

悠木 ふたりを見ていて皆さんが感じる、もどかしさはまだまだずっと続いていくはずです。あの雰囲気っていいですよね。外野から見たら「なんでふたりとも気づかないんだ!」って思うところではあるんですけど(笑)

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収録現場の空気を作っていく悠木の存在感

――第2期で猫猫と壬氏を演じるにあたって、特に意識していることがあれば教えてください。

悠木 第1期の放送から、そんなに間が空いていないので、ガラッと変えるようなことはせず、地続きのお話であることを大切にやっています。第1期では、最終話に行くにつれて猫猫が壬氏に馴染んでいったので、第2期からは「ちょっと距離感が近くなったように感じられるか?」ぐらいに、ふたりの温度を調節していきました。

大塚 壬氏に限った話ではないと思いますが、誰と、どこで、どんな内容の話をしているのかで、会話の温度感が変わってきますなので、その案配については常に気を遣っていました。例えばシリアスな内容の会話をしたとしても、猫猫が相手だと「話せて嬉しい」みたいな感情が少し混じっていたりするんです。そうした微妙な違いについては収録のときにディレクションをいただいたので、大事に演じていこうと思っていました。

――収録現場の雰囲気なども含めて、お互い一緒に仕事が出来てよかったと感じたことを教えてください。
悠木 大塚君が死ぬほど「しごでき」なんですよ。収録でも取材でも「大塚君に任せておけば大丈夫かな」みたいな気持ちでいられるのはありがたいと思っていました。

大塚 それは僕も一緒です! 収録現場でも悠木さんが作る空気感に自然と引き込まれていくというか、そういう空気を作るのが本当にお上手なので。僕はそうやって作っていただいた空気感を壊さないように、壬氏を演じていこうと考えていました。

悠木 猫猫のセリフが多すぎるので、作品のリズムや空気感を作るのは「私がやらないといけないな」というのがあったんです。そもそも自分の収録が上手くいかないとアフレコが終わらないので。


大塚 (笑)

悠木 「早くみんなをお家に帰してあげなきゃ!」という気持ちで、毎回集中して収録をさせていただいています(笑)

――他のキャストの方々についても教えてください。収録での面白エピソードなどあったりしますか?
悠木 やぶ医者役の、かぬか(光明)さんのTシャツが毎回面白いんです(笑)

大塚 「お腹すいた」みたいなことが書かれていて。すごくいい感じに気の抜けたデザインの素敵なお洋服を着ていらっしゃるのが印象的でした。

悠木 「かきフライ」とかね。私あれすごく好きでした(笑)。『薬屋』のキャストって、みんな精鋭ばかりで、「芝居の腕に覚えがあるぜ」という人たちがガッと集められている感じがあるんです。アフレコ前や休憩時間は、わちゃわちゃしているけど、本番になったらスッと『薬屋』の世界観に入り込んでいく。そのオンオフの切り替えはさすがだなって思っていました。私自身集中しすぎると、自分自身を追い詰めてメチャクチャ噛んでしまうところがあるんです。なので、みんなが賑やかにしてくれていることはありがたいですし、毎回楽しい気持ちで収録をさせていただくことができました。

大塚と悠木は新キャラ子翠と友達になれる? なれない?

――第2期では子翠をはじめとした新キャラクターもたくさん登場してきます。
悠木 子翠はおしゃべりで明るい新入りの後宮下女なんですが、仲良くなるスピードが速い、人との距離感を一気に詰められるキャラなんですよ。
そんな明るい子翠のおかげで作品の雰囲気もずいぶんと変わった感じがしています。見ている方もきっと彼女のテンポに惑わされるんじゃないかな。

大塚 自然と自分のペースにもっていって人を振り回す、そんな不思議な魅力のあるキャラクターですよね。小蘭ともいつの間にか親しげに話していたり不思議な部分があるのはすごく気になっています。僕はたぶん仲良くなれないタイプなんですが(笑)

悠木 そうなの?

大塚 急にあんな詰められると「いやちょっと」ってなりますし、虫を見せられるのも嫌です。

悠木 それはそうか(笑)

――悠木さんは子翠とは友達になれそうですか?
悠木 どうですかね。でも子翠って猫猫と波長が似ているところがあるじゃないですか。自分の好きなものしか目に入らないところなんかはそっくりですよね。私はそういうテンションの人だと分かっていれば受け止められるので、多分猫猫、子翠とも普通に友達になれると思います。

――他に第2期で注目しているキャラクターを教えてください。
悠木 医局のネズミ捕り係の”盗賊改”となった毛毛(マオマオ)も新しく登場する注目キャラですね。人じゃなくて猫なんですけど(笑)。
それからリンリーちゃん(鈴麗公主)も可愛くて大好きです。立っちするまでに成長している姿を見て「よその子って大きくなるの早いよね」っていう気持ちになりました(笑)。リンリーちゃんと関わることで、猫猫の新たな一面も見られるのかなと期待しています。

大塚 僕は皇帝が気になります。第1期でも壬氏と会話しているシーンなどは印象に残っていますよね。位の高い人たちの会話は、アフレコ現場の空気感もピリッと変わるように感じます。壬氏との関係性も含めて、どう掘り下げられていくのかは第2期の注目のポイントだと思います。

――最後に第2期の見どころと、毎週楽しみに放送をご覧になっているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
悠木 第2期も皆さんワクワクしながら見ていただいていると思います。第2期では猫猫だけでなく壬氏もすごく頑張っていくお話や、後宮や茘(リー)という国の中だけに留まらない、スケールアップした展開が待っています。アニメで初めて見る方はもちろん、原作・コミカライズで先まで読んでいる方々も、ドキドキする仕掛けが満載となっていますので、ぜひ最後まで見逃さずにご覧になっていただければと思います。

大塚 第1期から引き続き『薬屋のひとりごと』ならではの空気感を、皆さんに味わっていただけているはずです。
まだまだベールに包まれている壬氏の秘密が少しずつ明らかになっていくとともに、彼と関わりを持つ人たちのお話が第2期の見どころのひとつです。僕自身も毎週楽しみに放送を見ていますので、皆さんも一緒になって楽しんでもらえたら嬉しいです。

<PROFILE>
悠木碧(ゆうきあおい)
3月27日生まれ。青二プロダクション所属。主な出演作はTVアニメ『佐々木とピーちゃん』(ピーちゃん)、『夜桜さんちの大作戦』(夜桜四怨)、『魔法少女まどか☆マギカ』(鹿目まどか)、『戦姫絶唱シンフォギアAXZ』(立花響)、『ブギーポップは笑わない』(ブギーポップ/宮下藤花)ほか。

大塚剛央(おおつかたけお)
10月19日生まれ。アイムエンタープライズ所属。主な出演作はTVアニメ『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』(中村照秋)、『メダリスト』(明浦路司)、『トリリオンゲーム』(天王寺陽)、『SYNDUALITY Noir』(カナタ)、『【推しの子】第二期』(アクア)ほか。
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