2週連続で週末観客動員ランキング1位を記録するなど、大躍進が続く『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』。その大ヒットを記念した舞台挨拶が、2月2日(日)にTOHOシネマズ新宿にて実施された。

主人公が出会う少女・ニャアン役を演じた石川由依や、「……と言っている」が口癖の不思議な少年シュウジ・イトウ役を演じた土屋神葉、本作の監督を務めた鶴巻和哉、シリーズ構成・脚本を担当した榎戸洋司など、超豪華なキャストスタッフ陣がそろい、本作の制作秘話をたっぷりと明かしてくれた本イベントの様子をお届け!

>>>会場でのメインキャストスタッフの様子などをみる!(画像13点)

『機動戦士ガンダム』は、1979年に放送がスタートし、劇場総集編を経て社会現象を巻き起こすほどの大ヒットを記録したアニメシリーズ。宇宙移民を経た未来世界を舞台に、地球連邦政府からの独立を訴えるスペースコロニー国家「ジオン公国」と地球連邦軍による戦争に巻き込まれ、モビルスーツ「ガンダム」のパイロットとして参戦するアムロ・レイの活躍と苦悩を描く。必殺技や決め技がなく、現実世界と地続きに描かれたロボット「モビルスーツ」らによるリアルな戦争は、「子供向け」とされていた当時のロボットアニメの印象を塗り替え、アニメ史が<ガンダム以前/以後>に分けられるほどその後のアニメ業界に決定的な影響を残した。
そんな「ガンダム」シリーズ最新作の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』では、同じく社会現象を巻き起こしたロボットアニメ「エヴァンゲリオン」シリーズで知られるスタジオカラーが制作を担当したことで話題となり、2週連続で週末観客動員ランキング1位を記録するほどの大ヒットを記録している。

【<『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) -Beginning-』大ヒット御礼舞台挨拶>オフィシャルレポート】

劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) -Beginning-』本編の上映が終了したのち、MCの松澤ネキさんが登場。続いて米津玄師さんによる主題歌『Plazma』をBGMに、シュウジ・イトウ役の土屋神葉さん、監督を務めた鶴巻和哉さん、脚本を担当した榎戸洋司さんが登壇した。1月17日に公開された本作は、3週目突入を前に早くも動員100万人を突破するなど、大ヒットを記録中。まず、登壇した各ゲストによる挨拶が行われ、鶴巻監督から「今日は雨の中お集まりいただき、ありがとうございます」と、満員の観客に感謝を述べたあと、3名によるトークショーがスタートした。

MCの松澤さんから公開後の周囲の反応について問われた土屋さんは、「100万人も観に来てくださるのは想像が付かなかった」と率直な感想を述べ、榎戸さんは、「緑のおじさんが人気だと聞きました(笑)」と、SNSで話題のキャラクターについて言及。鶴巻監督も、「先行上映のつもりだったので、こんなにヒットするとは。ファンアートが盛り上がっているのが嬉しい」と、その盛り上がりを喜んでいた。

ここで松澤さんから電撃発表。
シュウジ役を務める土屋さんが、「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) –Beginning-アンバサダー」に就任することが決定。鶴巻監督から、「司会進行だ、とガンダムが言っている。」と書かれたタスキを託され、「がんばるぞ、とガンダムが言っている」と、シュウジの印象的なセリフに合わせて、土屋さんも勢いよく応えた。

続いて、すでに本作を3回鑑賞している松澤さんから、作品の企画や内容の構築に関して鶴巻監督と榎戸さんに質問。『機動戦士ガンダム』リアルタイム世代である鶴巻監督、榎戸さんが「ifの世界」を描いた理由や、庵野秀明さんも脚本に参加した冒頭のパートがどのように描かれたかなど、物語の構成についても語られた。榎戸さんは「これが一番、最適解かも」と、今回の内容がある意味で必然だったのではないかと話していた。
また、以前から鶴巻監督、榎戸さんはガンダムについて熱く議論を交わしていたようで、榎戸さんは「リック・ドムとジム、どっちが強い?」といった話をしていたと回想。鶴巻監督も、「僕くらいの年齢のアニメ好きだと、ガンダムは骨身に沁みて一体化している。しかも、それぞれに自分の中のガンダムがある」と、改めてガンダム好きの強い愛を実感したようだ。

(C)創通・サンライズ

トークパート後半は、アンバサダーに就任した土屋さんに質問役をバトンタッチ。初仕事として、鶴巻監督、榎戸さんに話を聞くコーナーがスタートした。

まずはシャア・アズナブルとシャリア・ブルについて。「『FLCL(フリクリ)』の頃から、シャリアでリメイク作ったら面白いよねと話していた」と榎戸さんが過去を振り返れば、「シャリアを掘り下げてみたいという気持ちはあった」と鶴巻監督が重ねる。
さらにバトルシーンやモビルスーツについても話は展開され、鶴巻監督は、「モビルスーツがおもちゃになることが前提のアニメを作ってみたかった。(デザイナーの)山下いくとさんにも、 "ガンプラ映え" するようなデザインがほしいとリクエストした」と秘話を明かしてくれた。

もうひとつ、土屋さんが気になっていたという "マヴ" についても質問。「クランバトルのアイデアとして監督から、2対2で戦うモビルスーツ戦という設定を頂きました。富野由悠季監督が描くニュータイプの概念にも、ニュータイプというのは一人ではなく、アムロとララァのように対になる存在がいて、そこで精神が交換されて、よりニュータイプの能力が発現していくというのがあるから、二人組というのはガンダムの中では意味のある組み合わせだと思うので、そこを分かりやすく、今作ならではの様式になるネーミングないかなと思った時に『マヴ』という言葉がふと思い浮かび、監督に提案した。 "二人組" を表すのに、戦術的にも、日常的にも、バディ以上の言葉として、本作ならではの『マヴ』という言葉を作りました」と、榎戸さんがその言葉を思いつくまでの流れなども丁寧に説明され、観客も興味深く聞き入っていた。

話はマチュやニャアン、シュウジが登場するパートについて移行。マチュとニャアンが出会う改札のシーンや、川辺でマチュとシュウジが対面するシーンなどについて具体的に解説が行われた。橋の下や、日本ならではのシーンが登場する理由、またコロニー内の地名についても話が及んだ際、その背景に鶴巻監督、榎戸さんが制作に携わった『トップをねらえ2!』の影響があったことなど、興味深いエピソードが語られ、土屋さんも驚きをもって受け止めていた。

トークコーナー最後は、松澤さんから土屋さんへの質問コーナーがスタート。「ガンダムに乗るとわかったのはオーディションの段階。合格したときは興奮した」とシュウジ役に選ばれたときのことを回想。
さらに、好きなシーンについて、まだ選びきれないと話ながらも、「先行上映版冒頭のBGMが流れた瞬間に、その世界観にグワッと入っていった」と話していた。また、シュウジについては、「う~ん、これは悩ましい質問で。最後まで見て! それしか言えません!」とだけ話し、その謎めいた存在の正体が明かされるのはまだ先となりそうだ。

そして、ここでサプライズ。2月2日は鶴巻監督のお誕生日ということで、土屋さんから「お誕生日おめでとうございます、とガンダムが言っている」という言葉と共に、鶴巻監督に花束が贈呈された。会場からの拍手に加え、年齢を問われた鶴巻監督は、「17歳と言っておこうかな(笑)」と、少し恥ずかしそうに応えていた。

フォトセッションのあと、最後にゲストを代表して鶴巻監督が挨拶。「映画はまだまだ上映が続くわけですが、TVシリーズになるとこのままの形では放送されません。映画でしか見られないつなぎ方、シーンが多くあります。このあとも『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) -Beginning-』をよろしくお願いいたします」と語り、舞台挨拶は大きな拍手の中、締めくくられた。

(C)創通・サンライズ
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