数々の大ヒットアニメーションを生み出してきたドリームワークス・アニメーションの最新作『野生の島のロズ』が2月7日(金)より全国ロードショー。嵐で無人島に漂着した最新型アシスト・ロボットの”ロズ”は、キツネのチャッカリらと一緒に雁(ガン)のひな鳥”キラリ”を育てていくうちに、心が芽生えはじめる。
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――サンダース監督にお聞きします。日本での公開を間近に控えた、いまの気持ちを教えてください。
サンダース この映画を日本の皆さんにお届けする機会が訪れたことを、すごく嬉しく思っています。こんなにもワクワクしながら映画の公開を待ちわびたことはなかったかもしれません。この映画は、いままで自分が携わってきた全ての作品の中でも、特に一番だと胸を張って誇れるようなものになりました。それをやっと皆さんに観ていただけるということで、とても楽しみです。
――綾瀬さんも日本公開に向けて期待が高まっているのではないでしょうか?
綾瀬 もちろんです。何ヶ国語にも翻訳されて世界中で大ヒットしている作品が、ついに日本で公開されることになるわけですから。そんな素晴らしい作品に日本語の吹替で出演しているので、監督のお話を聞いているうちに、改めてブワーっと感動がこみ上げてきました。本当におめでとうございます。
――サンダース監督は、この作品にどんな想いを込めて作られたのでしょうか?
サンダース この映画はピーター・ブラウンの傑作児童小説『野生のロボット』が原作になっています。これを読み込んだ我々制作チームがよく話をしていたことは、「時に人間というものは、人生において何かを達成するために、自分がもともと持っているプログラミングを超えなければいけない」という、この作品で描かれていたテーマについてでした。「プログラムを超えて生きる」ということは、非常に困難なことだと思うんです。でも、そのために努力をすることで、人は成長していくし、ポジティブな変化が生まれていくことになります。そうした想いをこの作品に込めていきたいと考えていました。
――ロボットのロズが、愛情をもってキラリ(ひな鳥)を育てていく姿がすごく印象的な作品ですね。
サンダース そうなんです。もうひとつのテーマとして挙げられるのは「母親」を描いた話だということです。たくさんのアニメ作品がありますが、なぜか母親がいないストーリーが多いと思いませんか? でも、この作品では「母親」を話の中心にストーリーが展開されていくことになります。それも、なかなかお目にかかれない、ロボットが母親になるユニークな子育ての物語ですから。そういったところは非常に新鮮に感じていただけるはずですし、楽しんでもらえるポイントになっていると思っています。
――ロボットには厳しい環境や課題が多すぎませんか?
サンダース でも、さまざまな困難をロズはその場のアドリブで突破していくんです。
グッとくる愛の循環
――綾瀬さんはこの作品を初めてご覧になったとき、どんな感想をもたれましたか?
綾瀬 観ていて本当に感動しました。さまざまな愛を見返りなしで周囲に与えていくことで、チャッカリ(キツネ)や他の動物たちにとって敵のように見えていたロズが、最後はいなくてはいけない存在になっていくんです。ロズが大きな愛をみんなに与えることで、みんなもロズに愛を返していく。そんな愛の循環にグッとくるものがありました。
――本作を制作するにあたって、宮崎駿監督のジブリ作品からもインスピレーションを得たとお聞きしました。
サンダース 宮崎駿監督の作品は、カメラワークやストーリーテリングが本当に素晴らしいんです。紡ぎ上げられる物語はユニークなだけでなく、とても繊細で深みがあり、キャラクター同士の親密な関係性は観ている人たちの興味と共感の度合いをパワフルに高めていってくれます。そして、その映像にはアナログ的な温もりが常に漂っているんです。我々制作陣は、そんな宮崎監督の作品からロズのあり方を含めて、さまざまな刺激を受けています。というか、ドリームワークスやディズニーで一緒に仕事をした人たちの中で、彼の影響を受けてないなんて人はいないと思いますよ(笑)
――サンダース監督はロズをどんなキャラクターだと思っていますか?
サンダース ロズのことを語るとき、私の頭に浮かぶのは「純粋さ」という言葉です。常に優しく親切で頑張り屋な彼女は、フィルムメイキング自体にも、すごく影響を与えてくれました。
――コミカルなシーンが満載ながらも、グッと胸を打つ瞬間がたくさんあり、ロズを中心にジェットコースターのように話が展開されていきますね。
サンダース 脚本も楽しみながら書くことができました。最新型のアシスト・ロボットですので、ロズにはあらゆる情報がインプットされています。でも、野生の雁のひな鳥を、母親替わりにコミュニケーションをとりながら育てるためには、どうすればいいのかとか、無人島で動物たちと、どう触れあうのかといったような情報は持っていないんです。そこで生まれる現実的との大きすぎるギャップを、面白く描いていくことに挑戦してみました。それはとても上手くいったのではないかと思っています。
――ロズを演じると決まったとき、綾瀬さんはどんなことを思われましたか?
綾瀬 最初は感情のないロボットということで、ロズはプログラムされた音声のような感じでしゃべるんです。でも、少しずつ心が芽生えていくにつれて、人間のように感情が声に乗っていくことになります。その変化の過程を演じていくのは「難しそうだな」と思いました。収録では、前半はAIらしく無機質で固い口調を意識しながら、後半からはプログラムを取り払って感情面で芝居をすることを心がけました。
――実際に演じてみての感想をお聞かせください。
綾瀬 日本語の吹替だと、ロズのセリフは基本的に敬語ですよね。でも、だんだんと「なんとかなの?」といったように話し方がやわらかくなっていくんです。最初に台本を読んだときは、そんな風に話し方も別人のように変わってしまうことに違和感があったんです。でも、映像の中のロズを観ながら演じていると、自然に口調が変わっていったので、しっかりシンクロできているなと思って、そこはちょっと安心しました(笑)
チャレンジとやりがいに満ちたロズの演技
――監督は綾瀬さんの演じるロズをご覧になってどんな感想を持たれましたか?
サンダース 本当に素晴らしかったです。この吹替の収録については、脚本の頭から順番に収録したのですか?
綾瀬 そうですね、最初のシーンから順番に録っています。
サンダース 何日間ぐらいかけて収録をしたのでしょうか?
綾瀬 テストまで入れて、三日に分けて収録させていただきました。
サンダース 制作の現場では、シーンを順番に撮影していないので、自分自身でも完成するまで、どうなるか分からないところがあったんです。なので、綾瀬さんみたいにロズというキャラクターを理解してくれた上で、彼女を演じる役者としての視点で、物語を順番に観ていったときに、どんな気持ちになるんだろうと興味がありました。ロズは変化をし続けるということが特徴的なロボットというユニークなキャラクターなので、綾瀬さんも演じるのが大変だったのではないでしょうか? 特にロズは声で感情面を表現しなければならないところが大きいので、いままでにないチャレンジの役になったと思っています。
綾瀬 そうですね。でも難しいキャラクターではありましたが、すごくやりがいのある役でした。
サンダース そうですか、それならよかったです(笑)
――最後にオススメの見どころと合わせて、ファンの皆さんに向けてメッセージをお願いします。
サンダース 劇場公開日が早く来てほしいという気持ちでいっぱいです。観ていただいた誰もが、絶対に楽しんでいただけるような映画になっていますので、できるだけ多くの日本の方々に観てほしい、そして喜んでほしいと思います。オススメの見どころといえば……「全部」ではあるんですけど、やはりロズの変化には注目してほしいです。彼女が変化していくのは内面だけでなく、デザインも31回にわたって視覚的に変わっていくんです。最初の絵筆のタッチが感じられないCG感あふれるデザインから、島での生活が長くなるにつれて、どんどん絵画のように姿を変えていく。そして最後のロズのビジュアルは、まさに島で生きる動物たちの仲間として、ふさわしいものになったと皆さんにも感じていただけるはずです。そんなところにも皆さんご期待ください。
綾瀬 とにかく映像がすごく綺麗ですし、音楽も素敵で鳥肌が立つくらいに感動しました。それと出てくるキャラクターが、誰も彼もとにかく可愛いんです。私自身ロズに見習うべきところがたくさんあると思いましたし、彼女の生き方、そして愛の大きさといったものを目の当たりにすることで、観ている人にもロズへの共感、そして愛情が生まれると思っています。観ている間もそうですし、観終わった後にも、ずっと長く心にあたたかい気持ちが残り続ける映画ですので、ぜひお友達や家族と一緒に観ていたければと思います。
クリス・サンダース
3月12日生まれ。
綾瀬はるか(あやせはるか)
3月24日生まれ。ホリプロ所属の女優。主な出演作は映画『海街diary』(香田幸)、『レジェンド&バタフライ』(濃姫)、『リボルバー・リリー』(小曾根百合)、『ルート29』(トンボ)、ドラマ、『ホタルノヒカリ』(雨宮蛍)、『義母と娘のブルース』(岩城亜希子)、『天国と地獄~サイコな2人~』(望月彩子)ほか。
そんなロズを島の動物たちも「家族」として受け入れていくのだが……。今回は本作の監督・脚本を担当したクリス・サンダース氏と、ロズ役の日本語の吹替を演じた綾瀬はるかに、この作品の魅力やロズを演じてみての感想などを語ってもらった。
【関連画像】綾瀬はるかさんと監督の撮り下ろし写真を見る(9枚)
――サンダース監督にお聞きします。日本での公開を間近に控えた、いまの気持ちを教えてください。
サンダース この映画を日本の皆さんにお届けする機会が訪れたことを、すごく嬉しく思っています。こんなにもワクワクしながら映画の公開を待ちわびたことはなかったかもしれません。この映画は、いままで自分が携わってきた全ての作品の中でも、特に一番だと胸を張って誇れるようなものになりました。それをやっと皆さんに観ていただけるということで、とても楽しみです。
――綾瀬さんも日本公開に向けて期待が高まっているのではないでしょうか?
綾瀬 もちろんです。何ヶ国語にも翻訳されて世界中で大ヒットしている作品が、ついに日本で公開されることになるわけですから。そんな素晴らしい作品に日本語の吹替で出演しているので、監督のお話を聞いているうちに、改めてブワーっと感動がこみ上げてきました。本当におめでとうございます。
――サンダース監督は、この作品にどんな想いを込めて作られたのでしょうか?
サンダース この映画はピーター・ブラウンの傑作児童小説『野生のロボット』が原作になっています。これを読み込んだ我々制作チームがよく話をしていたことは、「時に人間というものは、人生において何かを達成するために、自分がもともと持っているプログラミングを超えなければいけない」という、この作品で描かれていたテーマについてでした。「プログラムを超えて生きる」ということは、非常に困難なことだと思うんです。でも、そのために努力をすることで、人は成長していくし、ポジティブな変化が生まれていくことになります。そうした想いをこの作品に込めていきたいと考えていました。
――ロボットのロズが、愛情をもってキラリ(ひな鳥)を育てていく姿がすごく印象的な作品ですね。
サンダース そうなんです。もうひとつのテーマとして挙げられるのは「母親」を描いた話だということです。たくさんのアニメ作品がありますが、なぜか母親がいないストーリーが多いと思いませんか? でも、この作品では「母親」を話の中心にストーリーが展開されていくことになります。それも、なかなかお目にかかれない、ロボットが母親になるユニークな子育ての物語ですから。そういったところは非常に新鮮に感じていただけるはずですし、楽しんでもらえるポイントになっていると思っています。
――ロボットには厳しい環境や課題が多すぎませんか?
サンダース でも、さまざまな困難をロズはその場のアドリブで突破していくんです。
観ていただいた皆さんには、「何とかやっていけるもんだなぁ」と感心しながら笑っていただきたいですし、それと同時に目的を達成するために自身を縛るいくつかのルールを破り、プログラムを超えて成長していこうとする、そんなロズの姿に共感してもらえたなら嬉しいです。
グッとくる愛の循環
――綾瀬さんはこの作品を初めてご覧になったとき、どんな感想をもたれましたか?
綾瀬 観ていて本当に感動しました。さまざまな愛を見返りなしで周囲に与えていくことで、チャッカリ(キツネ)や他の動物たちにとって敵のように見えていたロズが、最後はいなくてはいけない存在になっていくんです。ロズが大きな愛をみんなに与えることで、みんなもロズに愛を返していく。そんな愛の循環にグッとくるものがありました。
――本作を制作するにあたって、宮崎駿監督のジブリ作品からもインスピレーションを得たとお聞きしました。
サンダース 宮崎駿監督の作品は、カメラワークやストーリーテリングが本当に素晴らしいんです。紡ぎ上げられる物語はユニークなだけでなく、とても繊細で深みがあり、キャラクター同士の親密な関係性は観ている人たちの興味と共感の度合いをパワフルに高めていってくれます。そして、その映像にはアナログ的な温もりが常に漂っているんです。我々制作陣は、そんな宮崎監督の作品からロズのあり方を含めて、さまざまな刺激を受けています。というか、ドリームワークスやディズニーで一緒に仕事をした人たちの中で、彼の影響を受けてないなんて人はいないと思いますよ(笑)
――サンダース監督はロズをどんなキャラクターだと思っていますか?
サンダース ロズのことを語るとき、私の頭に浮かぶのは「純粋さ」という言葉です。常に優しく親切で頑張り屋な彼女は、フィルムメイキング自体にも、すごく影響を与えてくれました。
映画を作るとことは大変な作業でしたが、制作にあたって最後まで、みんながポジティブな気持ちで前向きにチャレンジし続けることができたのは、ロズのおかげだと思っています。
――コミカルなシーンが満載ながらも、グッと胸を打つ瞬間がたくさんあり、ロズを中心にジェットコースターのように話が展開されていきますね。
サンダース 脚本も楽しみながら書くことができました。最新型のアシスト・ロボットですので、ロズにはあらゆる情報がインプットされています。でも、野生の雁のひな鳥を、母親替わりにコミュニケーションをとりながら育てるためには、どうすればいいのかとか、無人島で動物たちと、どう触れあうのかといったような情報は持っていないんです。そこで生まれる現実的との大きすぎるギャップを、面白く描いていくことに挑戦してみました。それはとても上手くいったのではないかと思っています。
――ロズを演じると決まったとき、綾瀬さんはどんなことを思われましたか?
綾瀬 最初は感情のないロボットということで、ロズはプログラムされた音声のような感じでしゃべるんです。でも、少しずつ心が芽生えていくにつれて、人間のように感情が声に乗っていくことになります。その変化の過程を演じていくのは「難しそうだな」と思いました。収録では、前半はAIらしく無機質で固い口調を意識しながら、後半からはプログラムを取り払って感情面で芝居をすることを心がけました。
――実際に演じてみての感想をお聞かせください。
綾瀬 日本語の吹替だと、ロズのセリフは基本的に敬語ですよね。でも、だんだんと「なんとかなの?」といったように話し方がやわらかくなっていくんです。最初に台本を読んだときは、そんな風に話し方も別人のように変わってしまうことに違和感があったんです。でも、映像の中のロズを観ながら演じていると、自然に口調が変わっていったので、しっかりシンクロできているなと思って、そこはちょっと安心しました(笑)
チャレンジとやりがいに満ちたロズの演技
――監督は綾瀬さんの演じるロズをご覧になってどんな感想を持たれましたか?
サンダース 本当に素晴らしかったです。この吹替の収録については、脚本の頭から順番に収録したのですか?
綾瀬 そうですね、最初のシーンから順番に録っています。
サンダース 何日間ぐらいかけて収録をしたのでしょうか?
綾瀬 テストまで入れて、三日に分けて収録させていただきました。
サンダース 制作の現場では、シーンを順番に撮影していないので、自分自身でも完成するまで、どうなるか分からないところがあったんです。なので、綾瀬さんみたいにロズというキャラクターを理解してくれた上で、彼女を演じる役者としての視点で、物語を順番に観ていったときに、どんな気持ちになるんだろうと興味がありました。ロズは変化をし続けるということが特徴的なロボットというユニークなキャラクターなので、綾瀬さんも演じるのが大変だったのではないでしょうか? 特にロズは声で感情面を表現しなければならないところが大きいので、いままでにないチャレンジの役になったと思っています。
綾瀬 そうですね。でも難しいキャラクターではありましたが、すごくやりがいのある役でした。
サンダース そうですか、それならよかったです(笑)
――最後にオススメの見どころと合わせて、ファンの皆さんに向けてメッセージをお願いします。
サンダース 劇場公開日が早く来てほしいという気持ちでいっぱいです。観ていただいた誰もが、絶対に楽しんでいただけるような映画になっていますので、できるだけ多くの日本の方々に観てほしい、そして喜んでほしいと思います。オススメの見どころといえば……「全部」ではあるんですけど、やはりロズの変化には注目してほしいです。彼女が変化していくのは内面だけでなく、デザインも31回にわたって視覚的に変わっていくんです。最初の絵筆のタッチが感じられないCG感あふれるデザインから、島での生活が長くなるにつれて、どんどん絵画のように姿を変えていく。そして最後のロズのビジュアルは、まさに島で生きる動物たちの仲間として、ふさわしいものになったと皆さんにも感じていただけるはずです。そんなところにも皆さんご期待ください。
綾瀬 とにかく映像がすごく綺麗ですし、音楽も素敵で鳥肌が立つくらいに感動しました。それと出てくるキャラクターが、誰も彼もとにかく可愛いんです。私自身ロズに見習うべきところがたくさんあると思いましたし、彼女の生き方、そして愛の大きさといったものを目の当たりにすることで、観ている人にもロズへの共感、そして愛情が生まれると思っています。観ている間もそうですし、観終わった後にも、ずっと長く心にあたたかい気持ちが残り続ける映画ですので、ぜひお友達や家族と一緒に観ていたければと思います。
クリス・サンダース
3月12日生まれ。
アメリカ出身。ウォルト・ディズニー・カンパニーで映画『美女と野獣』『荒仁』『ライオン・キング』にストーリー・アーティストとして参加。『ムーラン』で脚本、『リロ&スティッチ』でディーン・デュボアと共に監督、脚本を担当。ドリームワークスに移籍後は世界的な大ヒット映画『ヒックとドラゴン』のディーン・デュボアと共同で監督・脚本を手掛けた。
綾瀬はるか(あやせはるか)
3月24日生まれ。ホリプロ所属の女優。主な出演作は映画『海街diary』(香田幸)、『レジェンド&バタフライ』(濃姫)、『リボルバー・リリー』(小曾根百合)、『ルート29』(トンボ)、ドラマ、『ホタルノヒカリ』(雨宮蛍)、『義母と娘のブルース』(岩城亜希子)、『天国と地獄~サイコな2人~』(望月彩子)ほか。
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