放送中のテレビアニメ『アカメが斬る!』のエンディングテーマでもある雨宮天さんのセカンドシングル「月灯り」が発売された。
同作でヒロイン・アカメを演じ、さらにアーティストとしても着実に歩みつつある雨宮さん。
インタビュー後編では『アカメが斬る!』のアフレコ現場の様子や最終回放送に向けてお話を伺った。
[取材・構成=川俣綾加]

アニメ『アカメが斬る!』
http://akame.tv/
雨宮天オフィシャルサイト
http://www.amamiyasora.jp/

■ 最終話のアフレコを終えて全力を出し切った

―『月灯り』ではアカメを演じたことがとても大きいとお話していただきましたが、1話から24話まで演じてみて変化はありましたか?

雨宮天さん(以下、雨宮)
アフレコがスタートしてから、アカメという役を演じる難しさはずっと感じていました。淡々としゃべって感情が全く無い役ならある意味わかりやすいですよね。でもアカメは感情がちゃんとある子なのでそうじゃないんです。 アカメの感情が爆発するシーンも物語の後半ではより多くなって、感情を爆発させるにもどこまでやっていいのか、どこまでならアカメの範囲なのかですごく考えました。
最後まで試行錯誤で、セリフを何回も録音して自分で聞いて練習したりと難しさは常にありました。

―最後まで手探りだったんですね。

雨宮
ひと口に戦いといってもその時々で想いも違います。例えば最強の敵であるエスデスと戦う時と、敵だけど自分の妹であるクロメと戦う時は相手に抱いている感情も全然違います。その度にアカメは何を考えているのだろう、どういう気持ちなんだろうと一つ一つ考えていましたね。

―その一つ一つが歌にも生かされている。

雨宮
本当に。
『アカメが斬る!』のオープニング・テーマ「Skyreach」から私のアーティスト活動はスタートした上に、役柄と歌がこんなにリンクしてお互いを助けてくれるのだと「月灯り」で学べました。この作品は私にとってすごく大きな存在です。

―先ほど自分でセリフを録音してチェックしているありました。いつも練習は自分で録音して確認し調整していくという感じでしょうか?

雨宮
そうです、スマートフォンで録音して自分で聞いて。スマートフォンには300から400くらいセリフが入っていますね。録音して聞いて「もうちょっとこうしたほうがいいな」とか考えています。

―アフレコ現場の様子も教えてください。みなさんどんな雰囲気ですか?

雨宮
現場の雰囲気はなんというか、すごく明るい感じです。『アカメが斬る!』は、ほぼ毎回誰かが死ぬし、それがたとえナイトレイドの仲間であっても容赦なくて「最後まで生き残るんだろうな」ってキャラクターがあっさり死んでしまったり。 しかも後半は原作とも異なるオリジナル展開で先が読めないんです。みんな“次は誰が死ぬんだ状態”です。
「次は死ぬのはもしかしてお前じゃないの!?」「いや私は生きる!」と。
それぞれ個性があって影になってしまうキャラクターが一人もいないので、みなさん自分の役に思い入れがあるんです。

そして「タツミ死神説」があって、タツミと仲良くなり始めたキャラクターは死ぬっていうジンクスがキャストの間にありましたね。だからタツミ役の斉藤壮馬くんは「死神、こっち来んな!」なんてイジられてました(笑)
私は「ねえアカメは今日何斬ったの? ねえねえ何斬ったの?」と聞かれたりと、みんなでわいわいやってる楽しい現場でした。
雨宮 私と斉藤くんは新人ですが、周りの方は長くやっている先輩方ばかりでした。でもみなさんのおかげですごく居心地のいい現場でしたね。

―最終話のアフレコを終えて、今はどんな気持ちでしょうか。

雨宮
アカメは静かに戦うキャラクターなんですが、ラストに近づくにつれアカメの感情が露わになるシーンが増えて、これまでと違ったアカメが見られると思います。戦いながら相手に想いをぶつけるシーンも増え、そういったシーンは練習も大変でしたがアカメの内面や人間らしさが描かれていて良かったなと。
最後に最強の敵と戦って、私もアカメも全力で出し切った感があってすっきりとしつつ、続編ないのかな……なんて思ったり(笑) やっぱり寂しい気持ちもちょっとあります。

―最後に、読者にメッセージをお願いします。

雨宮
最終話に向けて戦いが激化し、キャラクターも死ぬ時は死ぬ、そういった面で容赦ない作品です。でもその中でそれぞれの想いや正義があるので、そういった部分を見ていただけたらと思います。

アカメは、淡々としたキャラクターの中にいかに感情表現をするか、どの程度感情を込めるかというところで毎回悩んだり、考えに考えた末やってみたらやっぱり違うな……なんて思ったり、演じたことのないタイプでとにかく調整に苦労したキャラクター。でも、だからこそ作品も役も私にとって大切なものになりました。

そして「月灯り」では、静かでせつない空気の中に強さや揺るぎない気持ちをのせていて、アカメととてもリンクしています。ミュージックビデオも初めて泣く演技をさせていただき、とても挑戦した曲。ぜひ聴いていただけると嬉しいです。
これからも声優として学んだこと、歌を通して知ったことを還元し合いながらがんばりますので、どうぞよろしくお願いします!

―今日は、ありがとうございました!

アニメ『アカメが斬る!』
http://akame.tv/
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