また3人は一色あづる、大井文雄、きらけいぞう、西村緋祿司、福島治、古川タク、和田敏克とアニメ創作集団「G9+1」として2004年より活動しており作品も発表している。
まずは『月夜とめがね』(1966年/学研)の上映後、監督を務めた島村と和田のトークとなった。現在映像制作スタジオ「白組」の代表取締役を務める島村は1958年に東映動画に入社しキャリアをスタート。当時は『白蛇伝』の追い込み時期だったという。島村は当初からモーショングラフィックスへ興味を持っており、森やすじの弟子及び島村の先輩であった坂本雄作からのススメもありCM部門へ移った。そこで多くのCMを手がけることとなる。中でも「赤玉ポートワイン」のCMはカンヌ国際広告祭で日本初の入賞をもたらした。その後、東映動画内で激化する労働組合運動から逃れるように学研へ移り、制作したのが『月夜とめがね』である。幻想的で実験的なフィルムとなっており、セルを使用せず、全て透過光で制作している点でも目を見張る。
続いて鈴木の『プラス 50000年』(1961年/おとぎプロダクション)が上映された。鈴木は“あの”トキワ荘を経て、1956年に漫画家・横山隆一が主宰するおとぎプロダクションへ入社。
次はひこねの作品群だ。『パニポニ』、「明治『カール』TVCM」、「明治『きのこの山・たけのこの里』TVCM」が一挙に上映された。ひこねは東映動画出身(1959年入社)で、『わんぱく王子の大蛇退治』で原画として活躍。アニメーター時代はキレイな線を意識していたとのことだが、虫プロダクションを経てフリーになってからは「キレイな線には飽きてしまってふざけた線になった(笑)」と独特の線を冗談めかして語った。また、カールおじさんの独特な踊りはひこね自身の振り付けによるものであると述懐した。
それぞれのトークが終わると島村、鈴木、ひこね、和田によるトークセッションがはじまった。
島村は海外に一歩譲っている感のある3DCG長編アニメーションに引き続き注力していきたいと語った。また『月夜とめがね』のように“メジャーとは対極にあるもの”、カウンターカルチャーたり得る作品作りも目指したいとも加えた。
鈴木は現在『おんぶおばけ』のリメイクに取り組んでいるという。同作は1955年に横山隆一によって制作された短編映画であり、鈴木は横山や横山が生み出したキャラクター「フクちゃん」を今の世に改めて伝えたいと熱い思いを打ち明けた。公開時期はアニメ誕生100周年を迎える2017年を目指すと宣言した。
ひこねは「趣味、道楽がないから、アニメーションにこだわってます」とユーモアを交え、まだまだ衰えを知らない創作意欲を見せた。
最後は彼らも参加するG9+1による短編アニメーション『TOKYOファンタジア』の上映をもって「アニメ功労部門顕彰記念」スペシャルトークセッションは締めくくられた。
現在のアニメーション業界に繋がる多くの業績を残した偉大な先達の証言と、彼らが生み出した作品を今あらためて鑑賞する。非常に有意義な時間であった。TAAF2016では本年のアニメ功労部門として島村達雄、水木しげる(故人)、吉田喜昭(故人)、鈴木伸一、芦田豊雄(故人)、ひこねのりお、橋本潔、浦上靖夫(故人)、水木一郎、太田淑子、計10名を顕彰した。
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