東京・ビックサイトで今年も開催されたAnime Japan 2017。アニメ!アニメ!では先日発表され、大きな話題を呼んだ『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』の「AbemaTV」での国内初配信に先立ち、本シリーズの主人公”鹿目まどか”役(以下:まどか)を務める悠木碧さん(以下:悠木さん)にインタビューを実施。これまでの想い出とともに『魔法少女まどか☆マギカ』シリーズに対する“想い”と“今後”に対する期待を訊いた。[取材・構成:森元行]―――テレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』が公開されてから、6年、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』が公開されてから5年経過しておりますが、『魔法少女まどか ☆マギカ』(以下:『まどかマギカ』)シリーズに対する想いをお伺いできますか。悠木さん本当にいろいろなチャンスをくれた作品で、「まどか」を通して多くの経験をさせてもらいました。例えば、テレビアニメで主演声優を務めさせて頂いたのも大きな経験ですし、それが劇場化されてもっと先に進んで、多くの方に応援していただいて、いろいろな賛否両論される機会もありました。それがアプリになったり、ゲームになったりと本当にいろんな場面で「まどか」としてお芝居をさせていただいたので、「まどか」には本当にいろんな機会を与えてもらいました。それがまたこうして5年、6年たった今もAbemaTVを通して視聴者の方に作品を見ていただけるのは本当にありがたい機会だと感じています。―――悠木さんにとっての『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』(以下:『新編』)の見どころはどういったところになりますか?悠木さんお客さんが見たいと思っていたシーンを、すごーくちゃんと入れています。例えば変身バンク(変身シーン)や「まどか」、「ほむら」(暁美ほむら)、「さやか」(美樹さやか)、「マミ」(巴マミ)、「杏子」(佐倉杏子)の5人で揃って戦うシーンなど、激しいアクションシーンだったり、なかなかテレビアニメや本編では描かれていなかったけれど、ファンのみなさんが絶対見たかったシーンというものを確実に入れられています。ただ、見てもらった方に対価として「絶望」を支払ってもらうのが、『新編』の良さだと私は考えています。「いますごく幸せなものを見たでしょ?それをあげたってことは君たちから絶望を頂くよ?」というのが私は印象的ですね。―――初めて本作を見る人はすごくびっくりすると思うのですが、それが自分のスマートフォンで見られるというのはすごいことだと考えています。普段からAbemaTVはご利用されていますか?悠木さんはい。特番にも出演させていただいたりしましたので、ダウンロードしています。―――いろいろなジャンル(チャンネル)がありますが、アニメチャンネルを見ることが多いでしょうか。悠木さんそうですね。やはりコメント機能がついているのがすごく気に入っていて、自分が気になるアニメのコメントを見るのが楽しいです。懐かしのアニメなどを見ている時は「みんなで見ている感」があるので更に楽しいな、と感じます。―――コメント機能の話があがりましたが、『新編』を見るにあたって、盛り上がってほしいシーンなどありますか。悠木さんたぶん冒頭や序盤は「はじまったー!」「パチパチパチ」というコメントがたくさんついて盛り上がると思うのですが、後半以降は恐らく誰もコメントをしなくなるだろうな、と(笑)。前半で見せてもらった希望を、後半では絶望に変えて…というのをみんなで体感してもらう感じになるかと。劇場版なので、映画館で「みんなで観る」というものは既に経験されている方も多いと思うのですが、「みんなで感想を言いながら観る」というのは今まで無かったと思います。この作品はとても哲学的な部分が多いので、例えばキャラクターごとの正義だったり、そのシーンの理不尽さだったり、でもそれが「この世の理」だよね、みたいな人間の矛盾が垣間見える作品なので。それについて議論できる場になると思うので、語らってもらいたいな、と。いろんな人のいろんな考え方に触れてもらいたいです。いろいろな形で正義がでてくるので、意見交換をぜひ活発に行ってほしいです。他の人の考え方や考察に触れることでまた違った作品に見えてくると思います。―――今回スマートフォンゲーム『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」もAnimeJapan 2017にブース出展していますが、プレイはなされていますか?また収録は進んでいますか。悠木さんゲームプレイはまだですが、いろいろなシーンを見せていただいています。システムボイスが中心ですが、収録も順調に進んでいます。今回、キャラクター原案の蒼樹うめ先生がデザインされたキャラクターだけで10キャラクター以上いるとのことですごく楽しみですね。―――『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」に期待している部分はどういったところでしょう?悠木さんifの世界というのと、新しいキャラクターがたくさん登場するという点が気になっています。「まどか」自体もお友達をすごく大切にするキャラクターなので、たくさんのキャラクターが登場して、一緒に戦うお友達が増えるのかなぁ、といった部分が楽しみです。ぜひともみなさんのスマートフォンの中で「まどか」の友達を増やしていってほしいなぁと。「まどか」も友達が増えていくと幸せだと思います。ただ、この作品も一筋縄ではいかないんじゃないかなと…希望を叶えた分、絶望を支払わないといけないので(笑)。何が起こるかいまからハラハラしています。―――ゲームの情報はあまり出ていないので、ストーリーであったり、ゲーム性なども気になります。悠木さんそうですね。Anime Japan 2017のブースでも発表されていましたが、新しい魔法少女を仲間にすると新しい変身バンクを見ることができるみたいです。そのシーンもシャフトさんが手がけているとのことで、アニメから入ったファンの方はもちろんのこと、ゲームから本作に触れるファンの方も納得できる変身バンクになっていると思います。元の『まどかマギカ』シリーズをうまくアレンジしているゲームになるので、ぜひとも事前登録もよろしくお願いします。―――テレビアニメ、劇場版、ゲームなどいろいろな展開をしている『まどかマギカ』シリーズですが、今後期待するところはどのあたりになりますでしょうか。続編などはやはり気になりますか?悠木さん:続編については、私に限らず多くの方が期待をしていると思います。あとは、絶対に無いと思うので申し上げますが、朝帯の時間で『まどかマギカ』シリーズを放映してもらいたいです。大人が見ると「このあと絶対やばいシーンがくる…」など先入観を持って見てしまうと思うのですが、小さなお子様向けに超ハッピーな内容の『まどか☆マギカ』も見てみたいです。さらにそのあとに、深夜帯ですっごくしんどいストーリーの『まどか☆マギカ』をやってほしいです(笑)。朝帯で「みんなで愛と友情と勇気で魔女を倒す!」内容を子供向けに放映して、それを見ている大人がハラハラする…、といった状況も見てみたいですね。―――初めて3話のあのシーンを見た時にどういった感想を持たれましたか?悠木さん実は、オーディションの際に全体のストーリーの流れを聞いていたのですが、3話までに視聴者の方に悟られないように演じて、3話から「いよいよスイッチが入ったぞ。ここから本番だよ」といった感覚でした。―――新編では「巴 マミ」(以下:マミ)さんも大活躍しているようで。悠木さん「マミ」さんと「ほむら」ちゃんの銃撃戦のシーンは注目してみてほしいですね。あのシーンは、あのふたりだからこそ描けるシーンでありますし、音響部分もすごく良くて、BGMが静かになって二人の息遣いだけ聞こえる…といったように、静かなんだけど、すごくエンターテインメントとして確立されたシーンになっていると思います。はじめて見る方もそうですが、改めて見ても楽しめるシーンになっていると思います。―――2011年のテレビアニメシリーズから6年経過していることもあって、まだ本作を見たこと無いユーザーもいるかと思います。そういった方々に本作の良さをどう伝えますか。悠木さんいままで様々な作品で「魔法少女」というものが描かれてきたと思いますが、そのイメージを覆す設定・物語展開を行ったのは『まどかマギカ』シリーズが初めてだと思います。ぜひ、まずは『まどかマギカ』シリーズに触れてみていただきたいです。また、ちゃんと哲学できるストーリーなので、いまから見返しても色褪せない作品になっていると思います。「散々人から聞いたよ!」といった方も多いと思いますが、実際に自分の目で見てみると全然違う作品になると思うので、「百聞は一見に如かず」ということでぜひ見てみてください。いまからテレビアニメシリーズを見返す時間が無い方や「いまさら『まどかマギカ』見てない」と言えない方などは、今回を機会に見て頂ければ「俺も『まどかマギカ』知ってるんだぜ」と語れるようになると思うので、ぜひ。―――テレビアニメシリーズ含めて、好きなシーンはありますか?悠木さん『新編』のオープニングで「まどか」と「ほむら」ちゃんがほっぺたを寄せ合っているシーンがあるのですが、そのシーンはすごく好きです。あとは、『劇場版』の前後編のオープニングで「まどか」の成長のストーリーが描かれているのですが、泣けますね。オープニングからボロ泣きしてました。―――ここまで本作が大ヒットした理由はどういったところだと思いますか。悠木さん2011年はいろいろなことが起こりましたが、本作は“同時代性”をうまく取り入れることができていたんじゃないかな、と。当時はTwitterなどのSNSが最高潮に盛り上がっていて、3話のあのシーンで、インターネットを中心に一気に話題になり、「このあとどうなるんだ…!」といったタイミングで放映が休止になり。みんなが「最後、どうなるんだろう…」と感じていたタイミングで、新聞広告でドーンと最終回の告知、ニコニコ動画などでも放映…など、いろんなことが重なって大きな盛り上がりができたのでは、と考えています。―――最後に本誌の読者、まだ本作をみたことの無いユーザーへメッセージをお願いします。悠木さんまたこうして『まどかマギカ』シリーズをAbemaTVを通してみなさんの目にお届けすることができて、とても嬉しく思っています。私自身にも、いろいろなことをもたらしてくれた作品なのですが、みなさんにもきっといろんなものをもたらす作品になると思います。ぜひ、劇場版前後編・新編と連続で見ていただきたいです。見たことあるよ!という方も、まだ見たことが無い方も、これを機に『まどかマギカ』シリーズをぜひ見ていただいて、一緒に哲学してもらえれば嬉しいです―――ありがとうございました!悠木さんありがとうございました。『まどかマギカ』シリーズに対する想いを語ってくれた悠木さん。今回のAbemaTVでの配信を機に本作に触れたことの無い読者も、また既に見たことのある読者も改めて本作を見返し、いろいろな感情を巡らせてほしい。■「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ」前後編一挙配信「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編]始まりの物語」「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編]永遠の物語」・4月15日(土)21時放送URL:https://abema.tv/channels/anime24/slots/AeTZrpFhLGWcjy・4月16日(日)16時30分放送URL:https://abema.tv/channels/anime24/slots/8Zgv2FuzumeTTm■AbemaTV独占日本初配信「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語」・4月16日(日)21時放送URL:https://abema.tv/channels/anime24/slots/8ZguwhsQhNwRPd・4月17日(月)19時放送URL:https://abema.tv/channels/anime24/slots/8yYRDstCexQFCb