全世界でプレイされている人気アプリゲーム『消滅都市』のTVアニメが、2019年4月より放送。アニメ!アニメ!では、出演キャストのリレーインタビューを行なっている。第3弾は、キキョウ役・愛美さんとユミコ(リサーチャー)役・中恵光城さんが登場。ゲームの収録を振り返りつつ、アニメについて語ってもらった。どうやらふたりのキャラクターは、ゲームと明確な違いがあるようで……?[取材・構成=松本まゆげ/撮影=小原聡太]『消滅都市』2019年4月よりTOKYO MXほかにて放送開始予定■ふたりのキャラクターにあった大きな変化――まずは、アプリゲーム『消滅都市』から振り返っていただきたいです。中恵さんは、ゲームがリリースされた2014年から参加していますが、作品の印象は?中恵私、作品を “色”でイメージするんですけど、ザッと見たときは青と白が最初に浮かんできました。それからお話の概要を見て、この作品には悲哀がありそうだなと思いました。――イメージ通りと言えそうですね。中恵きっと辛いことが起こるんだろうけど、果たしてハッピーエンドに向かうのかバッドエンドになってしまうのかはまだわからなかったので、「どうなるんだろう?」とすごくワクワクしました。――なるほど。そして愛美さんは2016年にリリースされた『消滅都市2』から参加しています。愛美有名なゲームだったので、作品の存在は知っていました。キキョウ役を演じるにあたって実際にプレイしてみると、常に生と死が隣り合わせだなという印象を受けました。――収録でもいつもと違う感覚になりそうです。愛美それまで、こういったテイストの作品に関わらせていただくことがあまりなかったので、期待もありましたけど不安も大きかったですね。でも『消滅都市』という作品でお芝居できることが純粋にうれしかったです。――しかもキキョウといえば、重要な役ですよね。愛美ゲームだと、謎の核心に迫る立ち位置ですからね。収録に関しては、ディレクターの方がしっかりと役の説明もしてくださいましたし、役作りも一緒にやってくださったので、安心して臨むことが出来ました。――では、中恵さんはご自身のキャラクターを見たとき、どう思いました?中恵そうですねぇ……。まず、名前がないっていう役は初めてでした(笑)。――確かに、アニメになって「ユミコ」と付きましたが、ゲームでは……。中恵「リサーチャー」という職業で呼ばれていたんですよね。なので、謎のキャラクターなのかなと思っていたんです。しかも、簡単な説明資料には「タクヤの元同僚」「元恋人」と書かれていて、結構ヘビーになりそうだなって思っていたんですけど、収録ボイスは「頑張って」と送り出したりサポートしたりするようなセリフが多かったんですよ(『2』になるまではフルボイスではなくパートボイスを収録)。なので、ドロドロしているわけではないんだな、しっかりしたお姉さんなんだというギャップを感じました。それに、色気を出してくるかというとそういうわけでもないし。――見た目は色っぽいんですけどね。服装とか。中恵ですよね。黒くてピッチリした感じの服だから(笑)。意外と色気よりカッコ良さが際立っているキャラクターでした。下田さん(原作ディレクター・下田翔大さん)と話してみたりセリフを聞いてみたりして掴んでいきましたね。当時は声優になって間もない頃だったので、今以上に役との向き合い方がわからず手こずっていました。でも、イベントで朗読をさせていただく機会もあり、フルボイスの収録もあって演じる機会がけっこうあったので、シンクロしていくような感覚はありました。→次のページ:中恵さんが覗いたユミコの心の機微■中恵さんが覗いたユミコの心の機微――そうしてアニメが決まりました。おふたりはアニメ化が発表されたイベント(※)に登壇していましたね。 (※)2018年5月27日に開催されたリアルイベント「PROJECT消滅都市発足発表会」愛美私は参加して間も無かったので、こんな大事な場に呼んでいただいて光栄だなと思いました。朗読劇では、初めて他の方と生でやり取りをして、そこでアニメに向けての心構えが出来て良かったです。アニメに向けて頑張ろうという気持ちも増しました。『消滅都市』のファンの方の熱を直に感じられたのも嬉しかったです。中恵ファンの方の歓声がすごかったんですよね! 『消滅都市』のファンの方って女性もけっこう多いイメージがあるんです。それはキャラクターひとりひとりに人生があるのが大きいのかなって思っています。私もリリース当初からプレイしていてそういうところに惹きつけられていたんですよ。アニメ化が発表されてめちゃくちゃうれしかったです!どこのストーリーを描くんだろうって思いましたけど(笑)。愛美キャストみんなで「どこだ?」って言ってました(笑)。中恵いろいろと予想できて、展開が楽しみだなと思ったところでした。――キャラクターとの向き合い方は変わりましたか?中恵リサーチャーはまず、名前をいただけたのが大きいですね。――ゲームでは「研究者」役だった新垣樽助さんも言っていました。「エイジ」という名前がもらえた話を。中恵そうなんです! 新垣さんと私の役は、アニメになって名前がついたんです。リサーチャーはリサーチャーとして人生があるのでそのように演じてきたつもりなんですが、「あぁ、ユミコさんなんだ」みたいな。――人間らしさが。中恵そうそう! 変な話ですけど、私の中でひとつ落ち着いたところです。あとは、ゲームの中ではサポートが主だったので、タクヤとユキの旅に対してどんなふうに接しているのかってあまりわからなかったんです。主にバーで会う人、電話してくる人みたいな。アニメだと実際に会うシーンもありますし、過去の話もあるので、私の中で彼女の人生がもっと深くなりました。それに、意外と戦える人なんだなとも。――戦える?中恵肉弾戦が出来る人なんですよ。前線に行けるんだ! 情報屋だけじゃないんだ!ってうれしかったです(笑)。――では、演じるうえでどんなところにこだわりましたか?愛美アニメでは日常のシーンがあるので「花が綺麗ね」と言うようなシーンもあるんですけど、このアニメでのキキョウの立ち位置ってクールな研究者なんですよ。だから「あまり感情をのせなくていいです」と言われています。なので終始クールに。誰よりも落ち着いて状況を判断するという役どころを意識しました。中恵私はゲームと変わらずですが、あまり口に出さず「タクヤ」のひと言に集約させることが多いです。ゲームのときも「タクヤ」の言い方を何パターンも録りながら、自分で練り直したりリテイクを受けたりしていたので……たぶん、タクヤのことがまだ好きなんだろうなっていうのはありますね! たぶん!(笑)でも、ただ恋愛感情の好きじゃなくて、自分の中である程度けじめを付けたうえでの愛しさだとか、タクヤとユキという新しいタッグに対して、過去とは違う新しい接し方を心の中に秘めているんだろうな……というのを意識しながら演じました。■みんなで盛り上がる賑やかなアフレコ現場――アニメのキャラクター作りも聞いたところで、ご自身の役に共感するところも伺いたいです。愛美キキョウは、いろんな方の主張がぶつかり合う状況で「こうするのが全員にとってベスト」という方法を導き出すのがうまいんです。そうせざるを得ないポジションというのもあるかもしれないですけど、客観的で、常に中立なんですよ。――愛美さんもそういう考えができる。愛美私も、客観的に物事を見るタイプですね。平和主義じゃないですけれど、話し合いの場では色んな意見を集約して「じゃあこの方向性で行くとみんなの要望がうまく折りまぜられて良いね」と率先して考えます。中恵ユミコも、キキョウとはまた違う感じで頼もしいお姉さんタイプではあるんです。そこは私も似ているのかなと思います。冷静に周りも自分の心も客観視できる人だなと思います。――ということは、中恵さんも愛美さんも、周りを引っ張っていけるタイプですね。愛美確かに、ユミコもいざというとき引っ張ってくれるんですけど、(中恵さんも)アフレコ現場では先陣を切って会話を始めてくれます。中恵そんなことないよ!愛美いえいえ! 時事ネタとかを盛り込んで話してくれて盛り上がるみたいな。それに私が乗っかるっていう。場の空気をすごくなごませてくれます。中恵私は逆に愛美ちゃんにそれを感じていますよ。愛美ちゃんは笑顔がめちゃめちゃ素敵だから、それを見るだけでパッと明るくなるんです。話しやすい雰囲気をアフレコ現場で作ってくれていたのかなって。私はめちゃめちゃ緊張してたんで(笑)。愛美うそ! ホントですか!? そんなこというなら私も、この前のイベントでは他のキャストさんとお会いするのが初めてだったのでめちゃくちゃ緊張していたんですけど、中恵さんと朝井(彩加)さんがいてくれてとても安心しました。「話せる人がいた!」って。その流れで、(花澤)香菜さんともすごく仲良く話せたんです。中恵確かにそうだったね! 座り位置が、「私、香菜さん、愛美ちゃん」ということが多かったから。――そうだったんですね。愛美出番も同じくらいでしたもんね。――そういったアフレコ現場などで、どんなお話をされているんですか?中恵動物のお話かな?愛美そうですね! 私、ヘビを飼っているんですけど、そのお話におふたりが食いついてくれるんです。中恵だって、なかなか飼うことないじゃないですか(笑)。どんなふうに飼っているのか気になって気になって。愛美香菜さんが動物番組を観るとき、爬虫類が出てくると愛美ちゃん思い出す!って言ってくれてました(笑)。うれしい~♪中恵私も思い出すよ!愛美やったー(笑)。あとは脱出ゲームの話をしますね。リアル脱出ゲーム。中恵私が好きなので「行こうか!」って。香菜さんが声を担当された脱出ゲームもあるので、それに行ってみたり。愛美ふたりで遊んできて、花澤さんに「行ってきました!」って報告したよね(笑)。中恵あとは、ご飯のお話も!――西村さんと新垣さんは、それで「お腹が減る」と言っていました。中恵そうなんです。時間がちょうど夕飯ドキなのでいけないですね(笑)。――楽しそうです(笑)。中恵ユミコとギークとエイジはゲームの中で一緒の研究所にいることが多かったので、ドラマCDやイベントの朗読も3人のシーンが多かったんです。おふたりとも大先輩なんですが、すごくお世話になりました。→次のページ:経験したなかで最も悲しかった出来事と、それを乗り越えたエピソードは?■経験したなかで最も悲しかった出来事と、それを乗り越えたエピソードは?――おふたりは、以前に共演されたことはありますか?中恵実はこれが……。愛美初めてなんですよね!――お互いの芝居の「ココがすごいな」と思うところを教えていただきたいです。中恵言うのもおこがましいんですが、愛美ちゃんはよく担当しているキャラクター的に可愛いイメージがあるんです。でも、今回は大人のお姉さん。こういう愛美ちゃんのお芝居を聞いたのは初めてで、すごく良いな!と思いました。沈着冷静ななかにも可愛らしさがあるお姉さんを演じられるのって、ステキだなと。愛美うれしい~~! 私が言うのも恐縮ですけど、中恵さんはしっかりお芝居される方だなという印象です。それに、地がすごくセクシーな声なんですよ。まさにナイスバディのユミコがすごくお似合いですし頼もしい声でもあるので、味方で頼れて強いんだろうなっていう声の説得力がある方だと思っています。中恵ありがとうございます。私もうれしい。――『消滅都市』のアフレコを経て、良い関係が築けたようですね。では、そんなおふたりが好きなキャラクターも聞いてみたいです。中恵好きなキャラがたくさんいるので悩みますけど、主要キャラだとギークですね。全体的にシリアスな本作の中で癒しの存在になっています。コミカルでもありますし、彼がいなかったらもっと世界観が重くなっていると思いますね。それに、タクヤとの友情が一番熱いキャラ。ギークの「タクヤー!」の叫びがないと『消滅都市』は成り立ちません。――確かに、ムードメーカー的キャラクターですね。ではゲーム内のキャラで言うと?中恵ハヅキとサトル、そのふたりは、特にお話がすごく好きなんです。恋のお話なんですけど、それがあったから今があるという……。知らない方は、ぜひプレイしていただきたいです!愛美私は、やはりコウタですね。かわいい子に目がないので(笑)。それに、ギークとはまた違う雰囲気を醸し出して場を緩和してくれるじゃないですか。そういうところもいいですし、常に生意気っぽい口調もツボで、母性をくすぐられそうです。ちょっとおバカなところもあるけど、意外と空気読むの! かわいいですね。――一気に顔が緩みました。では最後に、「だけど、生きていく。」という『消滅都市』のコピーにちなんだ質問をさせてください。このコピーには「どんなに悲しいことがあっても乗り越える」というメッセージが込められているそうですが、おふたりが思い出す一番悲しかった出来事と、それを乗り越えた方法を教えてください。重いものでも、ライトなものでも。中恵ありますよ。小学生の頃に大好きなTVゲームがあって、かなりのめりこんで4~5時間プレイしていたんです。で、あとちょっとでクリアというところで、お母さんが前を通ってブチッ。愛美えっ!!――それってまさか……。中恵そこまでの冒険の記録が全部消えてしまいました。セーブを一切していなかったのですっごく悲しくて、思わずお母さんに怒鳴っていましたね。お母さんはなんで怒られているのかわからないし、地獄のような時間でした。でも、消えてしまったのは仕方がないので、また最初からやり直すことにしたんです。過去を振り返らず、新しい冒険をはじめようと諦めず最後までやり抜きました。そうやって悲しみを乗り越えましたね。愛美私は、高校生の時のことを。ペンを友達から借りたんですが、うっかりして返さずにいたら仲間はずれに……5人組の仲良しグループだったんですけど、4人と私1人に分かれてしまう事件がありました……。中恵えーー? ペンを返さなかっただけで?愛美それが私、当時めちゃくちゃ空気読め無くて。そういう言動を繰り返している内に4人にイライラが溜まってしまい、そのペンがトドメになった感じです。でも、そのままなのも嫌だから、頑張って理由を聞き出しました。その結果、「なんてダメ人間だったんだ」と自分を恥じることになるんですけど……人の気持ちには敏感になろう、人生を改めようと誓った事件でしたね。――そうやって乗り越えたと。お話を聞いている限りだと、今の愛美さんからはKYということは想像できないので意外でした。愛美ありがとうございます(笑)。それからは、自分が何を言ったら相手がどう思うかとかじっくり考えてから行動したり話したりするようになりました。だから客観的になったんだと思います。――ありがとうございました! では最後に、4月から放送スタートするTVアニメ『消滅都市』の注目ポイントを改めてお願いします。愛美キキョウはゲームと立ち位置が異なるので、行動原理も違います。私のお芝居も変わっていると思うので、注目していただきたいです。あとは、アニメになったことでスクーターを降りているシーンがたくさんあります。多くを語らないキャラクターが多いので、個人的には会話シーンでのそのキャラクターの心情を想像するのが楽しいです。ぜひ観てください。中恵ユミコは、ゲームだとバーでの会話や通信でしか見られませんでしたが、アニメになりもっと近い距離でどんな行動をとっているのかが垣間見えると思います。ゲームのプレイヤーさんにとっても新鮮なシーンだと思いますよ。あとは、芝居に絡む話だと、笑っているけど笑っていない芝居や、感情をあえてのせない芝居というのもあったので、そういうところでキャラクター同士のコミュニケーションが見られ新鮮だと思います。個人的にも楽しみです!『消滅都市』【TV Animation Staff】原作:消滅都市(WFS)監督:宮 繁之シリーズ構成:入江信吾キャラクターデザイン:下谷智之音響監督:本山 哲音楽:川井憲次音楽制作:ポニーキャニオンアニメーション制作:マッドハウスOP主題歌「答」歌:阿部真央作詞・作曲:阿部真央編曲:akkinED主題歌「With Your Breath」歌:SPR5(CV:社本 悠、岩井映美里、直田姫奈、大西亜玖璃、園山ひかり)作詞:太田彩華、俊龍作曲:俊龍編曲:山口高始【Cast】ユキ:花澤香菜タクヤ:杉田智和アキラ:中村悠一ソウマ :朝井彩加エイジ:新垣樽助キキョウ:愛美ギーク:西村太佑ユミコ:中恵光城コウタ:高橋 信タイヨウ:高橋英則ツキ:今井麻美スズナ:佐倉綾音ヨシアキ:松岡禎丞ツバサ:島﨑信長ルイ:KENNスミレ:日岡なつみリョウコ:黒沢ともよユウジ:???ケイゴ:??? シュンペイ:??? ホムラ:社本 悠ナミ:岩井映美里ハルカ:直田姫奈レナ:大西亜玖璃ユア:園山ひかり(C) Wright Flyer Studios/消滅都市製作委員会