デンマークほか合作によるドキュメンタリー映画『FLEE(英題)』の邦題が『FLEE フリー』に決定。6月に全国順次公開が決まった。『FLEE フリー』は2022年の第94回アカデミー賞にて史上初となる、国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞の3部門同時ノミネートを遂げた映画であり、アフガニスタンから亡命した青年の半生を描いた作品だ。アフガニスタンで生まれ育ったアミンは幼いある日、父がタリバンに連行されたまま戻らず、残った家族とともに命がけで祖国を脱出した。やがて家族とも離れ離れになり、数年後たった一人でデンマークへと亡命した彼は、30代半ばとなり研究者として成功を収め、恋人の男性と結婚を果たそうとする。しかし彼には恋人にも話していない、20年以上も抱え続けていた秘密があった。あまりに壮絶で心を揺さぶられずにはいられない過酷な半生を、親友である映画監督の前で静かに語り始める……。アミンの物語は個人的なものでありながらも、紛争、難民、人種差別、LGBTQ+など現代社会を覆う数々のテーマが内包されており、我々の心に深く語り掛けてくる。本作は2021年のサンダンス映画祭でワールド・シネマ・ドキュメンタリー部門の最高賞であるグランプリを獲得。アヌシー国際アニメーション映画祭でも最高賞となるクリスタル賞ほか3部門を受賞するなど、ドキュメンタリー、アニメーションという表現の垣根を越えて、ジャンル横断的に高い評価を受けている。各国の映画祭では69受賞144部門ノミネートという圧倒的な評価を獲得し、3月28日に行われるアカデミー賞授賞式にも期待が寄せられている最中である。ヨナス・ポヘール・ラスムセン監督は、自身も迫害から逃れるためにロシアを離れたユダヤ系移民。インタビューでは「難民であることはアイデンティティではありません。それは誰にでも起こりうる状況です。アミンは難民ですが、彼はそれだけではありません。彼は学者であり、家の所有者であり、夫なのです」と本作について語っている。日本では6月に全国ロードショーが決定。上映館は新宿バルト9、グランドシネマサンシャイン池袋ほかを予定。『FLEE フリー』6月、新宿バルト9、グランドシネマサンシャイン池袋他全国ロードショー監督:ヨナス・ポヘール・ラスムセン 脚本:ヨナス・ポヘール・ラスムセン、アミン・ナワビ製作プロダクション:Final Cut for Real『アクト・オブ・キリング』製作総指揮:リズ・アーメッド、ニコライ・コスター=ワルドー原題:Flugt 英題:FLEE 時間:89分 制作年:2021年製作国:デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フランス合作言語:デンマーク語、英語、ダリー語、ロシア語、スウェーデン語レーティング:未定日本語字幕:松浦美奈後援:デンマーク大使館配給:トランスフォーマー(C)Final Cut for Real ApS, Sun Creature Studio, Vivement Lundi!, Mostfilm, Mer Film ARTE France, Copenhagen Film Fund, Ryot Films, Vice Studios, VPRO 2021 All rights reserved