「チェンソーマン」姫野、コベニ、荒井ヒロカズ…ゲロチュー、臆病、体育会系が揃う第4課メンバー【キャラ解説連載（5）】 (2022年11月30日)

コミックス計12巻の累計部数は1,800万部（2022年9月時点）を突破した、藤本タツキの人気マンガ『チェンソーマン』。現在「少年ジャンプ+」で掲載中の原作第二部も盛り上がりを見せる中、ファンの待望のTVアニメ放送が10月より放送中だ。アニメ！アニメ！では、TVアニメ『チェンソーマン』放送に伴い、「デンジ」「マキマ」「アキ」「パワー」「その他第4課」に視点をそれぞれフォーカスした解説コラムを連載。『チェンソーマン』のダークな世界観を彩るキャラクターたちの魅力に迫る。アニメで初めてチェンソーマンの世界に触れる方でも作品を楽しめるような、ネタバレなしのキャラクターガイドとして読み進めていただければ幸いである。▼第1回 主人公・デンジはド底辺×電ノコダークヒーローhttps://animeanime.jp/article/2022/10/11/72694.html▼第2回 ヒロイン・マキマは魅惑のミステリアス上司https://animeanime.jp/article/2022/10/18/72868.html▼第3回 チョンマゲイケメン・早川アキはデンジ＆パワーの“保護者”役https://animeanime.jp/article/2022/11/15/73498.html▼第4回 頭にツノ＆ギザ歯の“虚言癖”な血の魔人・パワーhttps://animeanime.jp/article/2022/11/22/73675.html第5弾となる本稿では、その他第4課にフォーカスする。■そもそもチェンソーマンって？「悪魔」が日常にいる世界で、主人公の少年デンジがデビルハンターとして周囲を巻き込みながらさまざまな悪魔と対峙していく物語。これまでの「人々を守るためのヒーロー」の概念を覆す、凶暴で血飛沫飛びまくりな新時代のダークヒーロー×アクションだ。デンジは裏切りに遭い殺されてしまうのだが、相棒・ポチタの命と引き換えに「チェンソーの悪魔」として蘇る。敵の悪魔を倒したデンジはマキマに拾われ、公安の退魔特異4課のメンバーとして日々実験的な悪魔との対戦を強いられていく――。■キャラ紹介：第4課メンバーここからは『チェンソーマン』のデンジが所属する公安退魔特異4課のメンバーについて解説しよう。なお、第4課メンバーの中でもメインキャラクターのデンジ・アキ・パワー・マキマについては今回は割愛する。【退魔特異4課とは】公安退魔特異4課は内閣官房長官直属のデビルハンター・マキマをリーダーとした人外のデビルハンターが多く所属する実験的部隊だ。対悪魔の部署の一つであるが、デンジやパワーのような問題児も多く、公安の中でもその存在はあまり良くは思われていない。姫野黒髪に隻眼が印象的なアキのバディの美女。スキンシップが多く、他人との距離がどことなく近い。「デンジくんが悪魔を倒したら……ベロ入れたキスしてあげる」と色仕掛けでデンジの仕事へのやる気を大いに引き出す茶目っ気も。過去にバディを見送ってきた姫野にとって、アキは特別な人間であり特に可愛がっている。第6話でアキが寿命と引き換えに刀を抜こうとしたシーンでは「アキくんはまだやらなければならないことがあるんだ、だからごめんね。デンジくん」と、アキを守るためにデンジを犠牲にしようとした。アキが狐の悪魔と契約をしているのと同様に、通称ゴーストと呼ばれる「幽霊の悪魔」と契約をしている。ゴーストは透明で物理的に干渉できない腕を契約者に貸すことができ、姫野の戦闘をサポートしている。【「銃の悪魔」を追うアキと姫野】アキと姫野のバディとしての信頼関係は、対等でありながら互いを支える姉弟のように見える。度々吸っている煙草も姫野とアキを繋ぐアイテムの一つだ。家族を殺された「銃の悪魔」への復讐を目的にデビルハンターとなったアキ。民間に入らなかった理由も、公安だけが銃の悪魔の“肉片”を持つことを許されているからである。銃の悪魔は現在姿を消しているが、その肉片をさまざまな場所に残している。肉片を食べた悪魔は、銃の悪魔の力によってどんな悪魔でも力が増す。肉片は肉片同士でくっつき、ある程度の大きさになると元の身体の場所へ引き寄せられていくため、“肉片を集めて大きくすれば銃の悪魔へとたどり着く”と言われている。荒井ヒロカズ公安退魔特異4課に所属する新人デビルハンター。「狐の悪魔」と契約を交わしている。体育会系の大柄な見た目のイメージからは想像しにくいが、趣味は俳句。熱血で暑苦しい性格で、先輩である姫野を慕っている。特異4課の中では常識派。東山コベニ荒井と同じく、公安対魔特異4課所属の新人デビルハンター。臆病な性格で、デビルハンターとして働いているにもかかわらず悪魔をひどく怖がっている。永遠の悪魔によって建物に閉じ込められた際にはパニックに陥り、顔をグチャグチャに歪めて泣き喚いていた。デビルハンターとして働く理由はコベニ曰く、親に強制されて「風俗かデビルハンターしか選択肢なかったんですぅ！」とのこと。しかし、姫野からの評価は「引っ込み思案だけどかなり動ける」とのことで、これからの活躍に期待したいメンバーの一人だ。■筆者的推しポイント第4課といえばやはり新人歓迎会での姫野の「ゲロチュー」は見どころの一つだろう。酔っ払った姫野の口から、デンジの口へと流れ込むゲロ……。ご褒美のキスに対するデンジの期待を裏切る「特別なキス」の味は、想像するだけでも不憫である。アニメ第7話のエンディングではサビの「Get on chu!」が「ゲロチューに聞こえる！」とのことでファンからの反応も大きく、映像も露出多めな姫野、マキマらヒロインたちが誘うような攻めた雰囲気が感じられた。■第4課のメンバーの声優は？伊瀬茉莉也姫野の声を担当するのは声優の伊瀬茉莉也。1988年生まれ、アクロスエンタテインメント所属で『惡の華』（仲村佐和役）『メイドインアビス』（レグ役）『約束のネバーランド』（レイ役）などを過去に務めている。姫野といえば色めいた冗談を言う今の雰囲気とは裏腹に、過去の回想ではバディたちを失い続けたことによる無気力な覇気の無い声も印象的だ。「アキくんは死なないでね」という切なげな姫野の声が耳に残る。キャラクターの性別を問わず、幅広い役柄を演じられる伊瀬の表現力だからこそ、姫野の多面的な姿を描き出すことができると言えよう。八代拓荒井ヒロカズの声を担当するのは声優の八代拓だ。1993年生まれ、ヴィムス所属。過去の出演作は『プレイタの傷』（龍眞コウガ役）『EX-ARMエクスアーム』（キムラ役）など。荒井の熱血な性格は話し方にも表れていて、体育会系の部員のような話し方をする。デンジに対して最初は敵対心を抱いており、当たりが強い口調だったりと、素直ゆえに声や態度にも考えが出やすいようだ。そんな彼が悪魔との戦いのあと、飲み会で姫野の被害にあったデンジをトイレで介抱し、優しさの滲む言葉をかけるシーンは印象的だ。高橋花林東山コベニの声を担当するのは声優の高橋花林。1994年生まれ、青二プロダクション所属。『アイドルマスター シンデレラガールズ劇場』（森久保乃々役）『ソラとウミのアイダ』（空町春役）などに出演。新人歓迎会では「人のお金で飲むお酒が一番美味しいですね」と控えめに照れたように笑う姿が可愛いとファンからも話題に。オドオドしているかと思えば悪魔との戦いでは情緒不安定になったりと、声も表情もコロコロと変わるところもおもしろい。個性豊かな第4課のメンバーの登場によって、より賑やかになったTVアニメ『チェンソーマン』。銃の悪魔へのそれぞれの想いが交差する中、デンジは銃の悪魔を倒し、マキマに「お願い」を叶えてもらうことができるのか？ 今後の展開も目が離せない。（C）藤本タツキ／集英社・ＭＡＰＰＡ