秋アニメ「ひきこまり吸血姫の悶々」楠木ともり×鈴代紗弓インタビュー「信頼する二人で掛け合いができる嬉しさ」

10月より放送開始となるTVアニメ『ひきこまり吸血姫の悶々』。本作は吸血鬼でありながら血が飲めず、魔法も使えない名門貴族の令嬢・コマリを主人公としたファンタジーコメディ。3年間の引きこもり生活を送っていたコマリが、親バカの父に七紅天大将軍の職を与えられ、本当の実力を隠しながら任務を遂行していく。アニメ！アニメ！では本作の放送開始を記念し、主人公のテラコマリ・ガンデスブラッド役を演じる楠木ともりさんと、コマリの専属メイド・ヴィルヘイズ役を演じる鈴代紗弓さんにインタビューを実施。アニメの見どころや、作品にちなんだ「周りからの“勘違いされがち”エピソード」など、お話をうかがった。［取材・文・撮影：吉野庫之介］信頼する二人で掛け合いができる嬉しさ――これまで「ガンガンGAちゃんねる」のMCとしても本作をプロモーションされてきたかと思いますが、TVアニメ化が決定した際のお気持ちは？楠木：この作品との出会いがとある作品で私たちが稼働していたときのことだったのですが、その時は配役を決めるためにお互いにコマリとヴィルの両方を演じたんです。そこからプロモーションを重ねていくうちに、「このままアニメ化までいけるのでは？」と思っていたら、見事にキャストもそのままでTVアニメ放送が決定して。そんな初期から関わりのある作品を任せていただけることはもちろん、以前からアニメ映えする作品だと思っていたので、みなさんに知っていただける機会になることへの嬉しさを感じました。鈴代：私が演じるヴィルは淡々としたタイプのキャラクターなのですが、ともりと一緒にやってるもう一つ別の作品では私の方がコマリのようなテンションの高い役を演じていたので、最初の頃は新鮮な感覚で演じていて。とくに当時はあまり演じたことのないタイプだったこともあり、このまま続けて演じていけたらいいなと思っていた役だったので、TVアニメでも続投できて、なにより信頼するともりと二人で掛け合いができることがすごく嬉しかったですね。――それぞれのキャラクターの紹介と、演じる際に大切にされていることを教えてください。楠木：コマリは表情変化が大きいキャラクターで、演じるうえでもそれが彼女の魅力になっているなと感じます。とくにヴィルが投げてくるボケに対してのツッコミの仕方が大事だなと思っていて、作り込んで現場に行くというよりも、その場で生まれる掛け合いの面白さを感じていただけるようなお芝居を心がけています。鈴代：ヴィルは最初の印象よりもギャップがあるキャラクターだなと思います。とくに彼女の持つ変態さは演じる役者に委ねられる部分も大きく、自由度の上限がないので、個人的にも試される現場だなと思っています。――今回のアフレコやアニメ化を通じ、より作品や登場人物の解像度が上がったと感じる部分はありますか？鈴代：この作品の世界観として「特定の条件を除き魔核の効果範囲では死んでも完全な形で蘇生する」という設定があるのですが、原作の文字だけでは想像しきれない部分でもあったので、アニメがついたことで補完できた部分だなと思います。あとはコマリがカッコいい能力を発動するシーンなんかは色彩が細かく演出されているなと感じました。楠木：コマリは人によって態度を変えるタイプの子で、サクナに対してはずっと味方をしているけど、ネリアは常に雑に扱っていたり。そういった部分は原作にも描かれているのですが、実際に演じてみてわかるキャラクターごとの距離感がありました。あと想像していたよりもコマリが率いる軍の規模感が大きくて、第1話で兵士たちにコマリが大声で演説をするシーンがあるのですが、だいぶ声を張らないと後ろの兵士たちまで聞こえないなと思いながら頑張って演じました。鈴代：あれは大変だったね（笑）。周りからの“勘違いされがち”エピソード――ハッタリと可愛さを武器に周りを勘違いさせているコマリですが、お二人が周りの人に勘違いされがちだなと思うことはありますか？鈴代：私は第一印象で「しっかりしてるね」と言っていただくことがあるのですが、3回くらいご一緒してお話しをしていると、「あれ？」と思われることが多くて…。楠木：自覚がない天然なんだよね（笑）。鈴代：あはは！ そうして自分で間違えたことを言っているのに気づかず生きてきたので、本当はしっかりしていないんです。楠木：そこが紗弓のよさでもあるからね。私の場合は「話しかけづらい」という印象を持たれてしまうことが多いんです。普段や表に出ているときがゲラなので、身近な方からは“よく笑う人”というイメージを持たれていると思うんですけど、真面目な現場だとスンとしているので、そのギャップなのかなと…。鈴代：アフレコ現場だとそうなっちゃうよね（笑）。楠木：最初から1対1の現場だといいんですけど、複数人いるうちの一人となるとコミュ障になってしまって自分から話しかけることもないし、真面目にアフレコをしているからよりキツく見られてしまって…。だから最近はなるべく現場でも周りの人と話すようにしています。鈴代：でもこの現場はキャリア的にも近い同世代の役者さんが多かったので、みんなでお喋りをしながらできてよかったよね。楠木：楽しかったね！――また、コマリとヴィルの関係にちなんで、鈴代さんが楠木さんのメイドをすることになったらどんなお世話をしたい（されたい）ですか？鈴代：どんなお世話をしてほしいんだい？楠木：スケジュール管理！ 私は予定を組むのが下手なんですよ。この日までにやっておこうという逆算ができないので、美容院に行こうと思ってから数週間行かなかったり、携帯を変えようとしてから何か月も経っていたり…。だから「ここまでにやってください」とか「一緒にやろう！」と言ってもらえないとエンジンがかからないんです（笑）。鈴代：私はスケジュールを組むのが好きなので、すごく相性がいいですね。旅行とかでも「ここまでの移動時間はこれくらいだから、この予定を入れられる！」というのを考えて行動して、それが達成できたときに喜びを感じるタイプなんです。楠木：旅のしおりを作ってほしい（笑）。鈴代：まかせて！ 運転も好きだから色々なところに連れていけるよ。楠木：嬉しい！ ドライブ旅だ！――逆に楠木さんが鈴代さんをお世話するとしたら？楠木：私は自分が生きるのに必死なので、紗弓になにをしてあげられるんだろう…？鈴代：でも私が落ちこんでいた時期に励ましの言葉をくれたことがあって、その気持ちがすごく嬉しかったんです。しかもともりの場合はそのときだけではなく、「これ紗弓に言ってあげたい！」ということが見つかったらその都度送ってくれるので、いつも支えられています。楠木：支えられていてよかった（笑）。――最後に、放送を楽しみにされているみなさんへメッセージをお願いします。鈴代：序盤は割とギャグ要素が多かったりするのですが、物語が展開していくにつれてシリアスなシーンも増えていくので、作品としての深みや勢いを感じていただけると思います。コマリやヴィルのほかにも魅力的なキャラクターがたくさん登場するので、それぞれの関係性も楽しみながらぜひ放送をご覧ください！楠木：コマリは最初からてんやわんやな感じで頑張っていくのですが、ストーリーのなかで彼女やヴィルにまつわる過去が明らかになっていくことで、作品に対する印象もだんだんと変わってくるかと思います。ぜひコマリ視点で世界観をお楽しみいただきつつ、彼女が必死に生きていく姿を「可愛いねぇ…」と見ていただけたら嬉しいです！TVアニメ「ひきこまり吸血姫の悶々」■放送情報TOKYO MX：2023年10月7日より毎週土曜日22:30～BS日テレ：2023年10月7日より毎週土曜日23:00～■スタッフ原作：小林湖底（GA文庫/SBクリエイティブ刊）キャラクター原案：りいちゅ監督：南川達馬シリーズ構成：大知慶一郎キャラクターデザイン：下谷智之音楽：椎名 豪アニメーション制作：project No.9オープニングテーマ：fripSide「Red Liberation」エンディングテーマ：MIMiNARI 「眠れない feat.楠木ともり」■キャストテラコマリ・ガンデスブラッド：楠木ともりヴィルヘイズ：鈴代紗弓サクナ・メモワール：石見舞菜香ネリア・カニンガム：ファイルーズあいアマツ・カルラ：島袋美由利カレン・エルヴェシアス：日笠陽子ミリセント・ブルーナイト：雨宮 天メルカ・ティアーノ：上田麗奈ティオ・フラット：水野 朔（C）小林湖底・SBクリエイティブ／ひきこまり製作委員会