2.5次元タレントグループ「シクフォニ」が2025年5月10日・11日の2日間、自身初となるライブツアー「SIXFONIA 1st Live Tour -Lodious Takt-」のファイナル公演を有明アリーナにて開催した。3月の大阪公演を皮切りに、総動員数約40,000人を魅了したライブツアーは大盛況のうちに幕を閉じた。
さらに、今年8月の3周年に重大発表を行うことも発表された。

「シクフォニ」は、超大型オーディションを潜り抜けた暇72、雨乃こさめ、いるま、LAN、すち、みことの6人による2.5次元タレントグループだ。2022年8月、オリジナル曲「J0KER×JOK3R」を引っ提げて衝撃的なデビューを飾った。

その音楽性や企画力の高さを武器に、様々なオリジナルソングや歌や声を使ったチャレンジ企画動画、「歌ってみた」と呼ばれるカバーソングなどの投稿をメインに活動している。結成から2年でチャンネル登録者数が100万人を超えるなど急速に人気を集め、勢力を拡大してきた。ライブは、2024年3月に1stワンマンライブを東京ガーデンシアター、10月に2ndライブを幕張メッセイベントホールにて実施している。

今回のライブツアー「SIXFONIA 1st Live Tour -Lodious Takt-」は、3月2日の大阪・オリックス劇場公演を皮切りに、3月8日の福岡・サンパレスホテル&ホール、3月20日の北海道・カナモトホール、5月10日・11日の東京・有明アリーナと4都市6公演で行われてきた。ソールドアウトとなったファイナル公演では、その魅力と勢いを存分に感じ取ることできる圧巻のステージを繰り広げた。

中世ヨーロッパを思わせるアニメーションとともにメンバー6人を紹介する映像が映し出されると、客席から凄まじい歓声が沸き起こる。大砲から砲弾が放たれ、爆発音が鳴らされた直後にメンバーがステージ上段に登場した。

ライブは1stオリジナル曲「J0KER×JOK3R」でスタート。さらに周年を記念する楽曲「Burn it All」ではステージ中央で揃いの振付を披露し、「君と常識 超えたなら/心 全部奏でよう」というフレーズを響かせると、シクファミ(ファンの名称)のテンションは早くも最初のピークを迎えた。


いるまは「『SIXFONIA 1st Live Tour -Lodious Takt-』、最終公演へようこそ! 地方公演に来てくれた人、ここに来られなかった人も全部含めて、最高のライブにしたいと思います。どうぞよろしくお願いします!」と決意表明し、彼のリードにより“声出し”の練習が行われる。さらにLAN、暇72、雨乃こさめ、いるま、すち、みことの順番で自己紹介し、全員で戦隊モノ風のキメポーズを見せた。気の置けない自由なトークを含め、冒頭からシクフォニの魅力をしっかりとアピールしていく。

いるまの「シクフォニ史上、最大の声を聞かせてくれ。死ぬ気で来いよ」という煽りから歌われた「僕らはその手を離さない。」では、スクリーンに歌詞が映し出され大合唱が生まれる。メンバーはステージの端から端まで移動し、客席との距離をさらに縮めてみせた。

炎が立ち上がる演出とともに放たれた「アンダーリズムサーカス」、謎の存在“X”が登場する映像を挟み、メンバーそれぞれがソロ楽曲を披露するコーナーもおくられる。まずはLANが登場し、穏やかで切ないメロディと「どうか灯を消さないで/きっとキミを探し出すから」というフレーズが響き合う「灯」を優しく歌い上げた。

続く雨乃こさめは「ジグザグ」で、心地よい4つ打ちのビートと愛らしい旋律が一つになったポップチューンを披露しキュートな歌声を響かせた。「後悔させない。最後までついてこいよ!」というシャウトから始まったのは、すちの「BURN-OUT」だ。
ロックテイストの楽曲を激しく歌うステージで、シンガーとしての強い個性を伝えた。

ここで再び、メンバー6人がステージに登場する。青を基調にしたライティングのなかで披露されたのは「Genesix」だ。クールな手触りのトラックのなかで、憂いのあるメロディとラップが響き合った。「Sledgehammer」はダーク&ゴシックなイメージの楽曲だ。幅広いテイストの楽曲によって、シクフォニの奥深い音楽性を体現してみせた。それを支えているのはもちろん、個性あふれる6人のボーカルである。高音、低音、ラップ、ハモリなど、メンバーの歌声を活かしたステージングでグループの最大の強みを見せた。

続いては、いるま、暇72、みことのソロ楽曲が歌われる。まずは鋭利にして攻撃的なラップが炸裂したいるまの「REC.TRUE」だ。ラッパーとしての存在感をダイレクトに示し、「この時間は全員、俺のだからな」というMCとともに観客を魅了した。暇72の「最酊。」は、シックなトラックと気だるさを感じさせた歌声が溶け合うミディアムチューンだ。
「ぼくらは手遅れさ/背を向いて眠るだけ。」という倦怠的なリリックもよく似合う。

最後のみことは、解放感に溢れたサウンド、「広がる世界が僕らを待ってる」という前向きなメッセージが共存する「Magic」によって、王子様キャラを改めてアピールする。「まだまだ盛り上がっていけますか! 奥の方も上のほうも見えてます!」という優しいMCも印象を残した。

LAN、雨乃こさめ、すちの3人によるトーク(シクフォニ楽曲のサビを3曲同時に鳴らし、タイトルを当てるというゲーム)、メンバー、観客を含めた記念撮影のあと、ライブはついにクライマックスへと向かう。まずは優しく、力強いバラードナンバー「Precious」が披露された。6人はステージ上の階段に座り、丁寧に歌詞とメロディを紡いでいく。「永遠に続くストーリー/この場所から また繋がってゆくだろう」という歌詞は、初のライブツアーのファイナル公演と真っ直ぐにつながった。

「SCRaP&ReV0LuT1oN」はロックサウンドと壮大なストリングスが響き合うアッパーチューンだ。メンバーの歌声が高らかに共鳴するシーンで、今回のツアーの充実ぶりを証明した。そして、ツアーのリード曲「Lodious Takt」では、「キミの孤独と出会うためにこの場所にいるよ」というフレーズが手渡すように歌われ、ライブ本編が終了した。

アンコールを求める声に導かれ、メンバーが再びステージに姿を見せる。まず放たれたのは、メンバー自己紹介ソング「SHALL WE GONG!?!?-1st battle-」だ。
続けて“どこまでも高みに昇ってやる!”という決意を込めた「Desperate Track」が披露され、会場の興奮は一気に頂点に達した。

ここでメンバー全員が、ツアーを振り返りながらファンに語り掛ける。LANは「ツアーを発表して4ヵ月。シクフォニと一緒に走ってくれて、本当にありがとうございます! マジで限界、でも、マジで楽しい。超幸せ。おまえらに会えて、超幸せ!」と話し、みことは「自分の目標は、自分だけのものじゃないなと気づいて。いつも支えてくれる方々のために、みんなのためにがんばりたいと思うようになりました。本当に楽しいツアーでした。これからも全身全霊、みことの全部を捧げて走っていこうと思います」と述べる。

暇72は「シクフォニの初めてのライブは(有明にある)東京ガーデンシアター。また有明に帰ってきて、さらに大きく、強くなれたと思います。そうなれたのは僕の推しのメンバー、スタッフさん、あとはおまえらのおかげ。
ここが全然ゴールじゃないんで。これからも突っ走っていきます」と語り、雨乃こさめは「個人で始めた活動ですが、素敵な仲間に出会えて、素敵なスタッフさんに恵まれて。もう何も浮かばない……おなかすいたなあ(笑)。とんかつ食べよう! 本当にありがとうございました!!」と呼びかけた。

すちは「“初めてのツアー、6人誰一人欠けることなく走り抜けるんだ”と思って。こうやって最終公演にたどり着けて本当に幸せです。当たり前のことじゃないんですよ。半年以上、休む奴もいるし……僕なんですけど(笑)。癖の強いグループですけど、これからもどうぞよろしくお願いします!」とコメントする。

いるまは「先日、YouTube登録者100万人を突破して、活動1000日を超えました。出会った瞬間からシクフォニを追い続けてくれてどうもありがとう。メンバー6人、毎日毎日、活動のことばかり考えて、戦い続けてます。
正直、つらいことも多いです。でも何でやってられるかっていったら、今日みたいな日があるからなんですよ。みんなもそうだと思うんです。理不尽だったり、いろんなことと戦わなくちゃいけないこともあると思う。ただ一つ、自分の心や“好き”という気持ち。それだけは絶対に忘れないでください。どんなにつらいことがあっても、またこうやって会えれば、がんばれるはずなので」と締めくくった。

大きな感動が会場を包み込むなか、6人はすべての力を注ぎ込み「2many fighterz」を披露する。ここで終わりかと思いきや、いるまの「ここで最後約束しようか」の一言でもう1曲「Never Ending Story」をパフォーマンス。会場は大きな歓声と熱い熱気に包まれ、ツアーの最終公演はエンディングを迎えた。

なお、有明アリーナの会場では、シクフォニのライブ恒例であるアドトラックの会場設置が行われたほか、各メンバーののぼりも立てられ、撮影できるフォトスポットとして多くのファンで公演前から賑わった。さらに、最終公演の終了後には、どこか意味深なのぼりのデザインが変わっているという仕掛けも見られた。グループ結成3周年となる8月には、“新次元への挑戦”を行うことも発表され、シクフォニの今後がますます注目される。
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