TVアニメ『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』が2025年7月9日より放送開始した。
アニメ!アニメ!では、メインキャラクターを演じる日向未南、天海由梨奈、古賀葵、青山吉能にインタビューを実施。本作の印象や「私ってチョロい!?」と感じたエピソードをうかがった。

『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』は、2022年より「週刊少年サンデー」にて連載中のひらかわあやによるホームラブコメディマンガ。原作累計部数は150万部を突破した。「芸・武・文」それぞれの天才である帝乃三姉妹と、すべてが平均以下の凡人・綾世優が同居生活で繰り広げる家族の物語が描かれている。“普通”を許されない孤高の三姉妹が、凡人の一生懸命な“普通”に戸惑い、ときめき、心が動くストーリーだ。

■かっこいい姉妹のそれぞれの魅力
――まず、『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』の原作や台本を読んだ印象をお聞かせください。

日向 キャラクター一人一人の作り込みや、作品を通して何を伝えたいのかが最初から明確にあるように感じました。キャッチーなキャラ設定や、冒頭の入りだけでも興味を惹かれましたが、それだけでは無い深みが1話目から滲み出ていて、先の展開がとても気になりました。

天海 原作を読んで、かっこいい三姉妹がどうタイトルを回収していくのか、というのがとても楽しみで。
とくに1巻の表紙がすごくかっこいいけれど、読み進めると表情がどんどん柔らかくなっていくのが読んでいてとても楽しいです。1巻の印象がとても強いのですが、アフレコ用の映像が、原作の雰囲気そのまま絵になっていて感動しました。自分が原作を読んで感じたことそのものに声が当てられるのがうれしかったです。

古賀 最初の印象は本当に絵がすごいなと思ったのと、コメディの気持ち良さがあり、あんなにきれいな顔をしている3人が鬼の顔をしたりテレ顔をしたり、絵がとても魅力的だなと感じました。コメディのテンポのよさがすごく気持ちがよくて、台本を読んでいてここぞ!というところがわかりやすく、皆のお芝居を聞いていてとても楽しかったです。皆のアフレコ現場での戦いにいくぞ!という気持ちが毎話あり、楽しい作品でした。

青山 昨今、家族や姉妹というものを題材にした作品が増えてきていますが、家族作品に対するあこがれがあって、『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』というタイトルを見たときにやりたい!と思ったのが一番最初の印象です。読んでいくとその気持ちがどんどん増していきました。キャストが発表されて、同じ事務所の安心感と安定感もありましたし。いざアフレコが始まって、今回線画の映像にアフレコができたのですが、製作サイドの熱意も感じられたので、そういった作品に自分が携われるっていうのがすごくうれしかったです。全体的に超熱意の高い印象がずっとありました。


――演じるキャラクターにはどんな印象を持ちましたか?

日向 すごく自分のことを客観的に見ている人だな、と。一歩引いた位置から自分を見ているような、少しだけドライな印象で、それでも投げやり感は無く、自分には何ができるのか?を一所懸命に考えているんだなと思いました。

天海 三姉妹それぞれベクトルの違う良さがあって、それぞれ担っているものがあると思うのですが、第一印象としてパッと見たときに、自分は一輝が好きかも!と思いました。帝乃一輝の生きざまにあこがれるものがあって、帝乃一輝という役を通して成長できそうだと思いました。一見かっこいいところが目立つのですが、苦手なものがあったり、年相応の女の子らしさみたいなものも話が進むにつれて知ることができて、宝箱みたいな子だなと思いました。あらためてこの役に出会えてよかったなと思います。

古賀 二琥ちゃんみたいな女の子に幼少期からあこがれがありました。少年みを帯びているというか、小学生の男の子みたいな照れ方をするところなど。一見ガサツに見えるのですが、気遣い屋で、細かなところに気づくところが素敵だなと思います。掘れば掘るほど魅力があるなと。年相応の悩みや葛藤もあるのですが、弱さを見せられない感じが守ってあげたくなるし、大丈夫だよって言ってあげたくなります。自分のなかに葛藤をもっているキャラクターが好きで、二琥ちゃんみたいなキャラクターを演じるのは初めてだったのですが、とってもすてきな女の子だなと思っていました。


青山 三和は最初飄々とした猫のような子だなと思いました。ちょっと姑息なところもザ・末っ子というところがあって、生き方が上手なところもすごくかわいらしいなと。ただその三和の葛藤を描くシーンでは、こんなに純粋に家族のことを考えているんだ、というのが分かって、とても引き込まれました。三和の葛藤にも注目してほしいなと思います。

――役を演じるにあたり意識していることや役作りしたことはありますか?

日向 セリフにあまり含みを持たせたくないと思いながら演じていました。純粋で、思ったことをそのまま言葉にのせる人だと思うので。あと、三姉妹と関わる上で"優が一番やりたいことは何か"をずっと見失いたくないと思っていました。自分が帝乃家で幸せな家族になるにはどうしたらいいか、三姉妹の仲をどう改善するか、これらを忘れないでいようと心掛けました。

天海 もともと一輝のようなキャラクターやお芝居に憧れをもっていたので、自分の理想、こうなりたいを詰め込めたら近くなるんじゃないか? 一輝みたいな子だったらこういう風に思うかな?というのを考えて演じさせていただきました。実際に歌劇団の映像を見て自分の芝居に活かせないか勉強しながら、一輝というものを探せたのではないかと思っています。それだけでなく、一緒に他の方々と収録をして、背中を観させてもらいながら楽しく役作りさせていただきました。

古賀 二琥は見た目がすごく小柄でかわいらしいのですが、強くてかっこよくて芯が通っている子なんです。
かわいいとかっこいいが共存しているいて、どっちも二琥ちゃんなんだ、というのを伝えたい、どっちも伝わったらいいなと思って役作りをしました。こういうキャラクターをやったことがなかったので、二琥の声が全然想像できなかったからこそ悩んだりもしたのですが、心を統一できる人とはどういう人なんだろう、と思って空手の組手の動画や選手のインタビューなどを見たりして、自分なりに落とし込めたら、と思っていました。女性アスリートの方々がバラエティ出演されているときのかわいらしさを参考にできたらと思って、そういう番組を見たりもしました。

青山 将棋の動画を見たりしていました。将棋の対局ならではの言葉、セリフをどういう気持ちでどうやって言っているのか? マナーがあるのだと思うのですが、藤井(聡太)さんや羽生(善治)さんなどはずっと凪のような対局をしていて、私にはできないなと思ったりもしたのですが。三和として、アニメの表現として、プロだったらどこまで感情を出すのか?フィクションのなかにどこまでリアリティを出すか?など悩みながら役作りをしていきました。

――気になるキャラクター、もしくは自分と似ている!と思うキャラクターはいますか?

日向 どのキャラクターも気になりますし、みんなそれぞれに共感する部分がありました。優の少しドライな部分は自分と似ているなと思いますが、じゃあ自分には何が出来る?の部分には、尊敬や憧れのような気持ちがあります。

天海 (似ているなと思うのは)優です。今まで自分に対してツンケンしていた人たちをどう攻略していくか、というのを考えるのが好きで、私は尽くしたいタイプなので、(あそこまで純粋ではないけど)優に似ているなと思います。

古賀 (気になるのは)お父さん。なぜああなってしまったのかというのが気になりますね。
あのお父さんからこの三姉妹が生まれるのは納得だなと思います。なぜ天才にこだわるのか? お父さんの過去なども気になります。

青山 三和がAI相手にキレているシーンがあるのですが、そんなところが自分に似ているなと思います。AIが人間味みたいなのを出してこないでほしいと思ったりしています。

■アフレコもわいわい♪ “みそ汁の門番”も登場?
――アフレコでの思い出エピソードがあればお聞かせください。

日向 たくさんあります! 言い出したらキリがないくらいです。現場ではキャスト陣はもちろん、その場にいらっしゃったスタッフの方々がみんな帝乃のことが好きなんだなあ、と強く感じたのを覚えています。あと毎回お菓子などの差し入れが沢山あって、皆さんでわいわい食べたのもいい思い出です。

天海 一輝は遊びがしやすいキャラではないので、優や(ぺいぺいっ、などアニメならではの表現)二琥(ゼアアア、ぷしゅう~など)、三和の青山さんのアドリブなど、いろんなリアクションや音、語彙力を今後マネしていきたいなと思いました。

古賀 二琥ちゃんの太い気合の声があるのですが、空手をやっている視聴者にそんな声実際には出ないよ、と言われないかというような葛藤があり、空手をやっておきたかったなと思っていました。組手のときのリアルな息の感じなど、もっと自分に落とし込めたらと思って動画を見てたりしていました。1話で最初に二琥が出てきた飛び蹴りのシーンでは、アフレコで似た体勢でやろうとしたら首がパキっと鳴って、思い描いていたのと全然違い、普段から鍛えている人は違うんだ、自分も体を鍛えようと思いました。


青山 天海さんが毎週みそ汁を飲んでいたんですが、みそ汁メーカーが不調をきたすことが多く、みそ汁メーカーの門番になっていました。直ったら、毎回スタジオ中に響き渡る声で「直りましたよ~」って言ってくれていましたね。コンビニでパンではなくおにぎりにしようと思うくらいには影響を受けていました。

――お気に入りのシーンや、ときめいたシーンを教えてください。

日向 一個には絞れないですが……、特に第1話の優の「まあ、いっか!」のセリフがとても好きです。切り替えの速さがすごく好きで、私生活でどうにもならないことがあっても、優が「まあいっか! 次はどうすればいいか考えよう」みたいな感じで頭の中で言ってくれるんです。

天海 一輝の2話の「僕には相応しくないんだよ。その場所も、凡人の作った料理もね!」の角度が好きです。冷たく突き放されたい。

古賀 最初の帝乃三姉妹が出てくるところ。インパクトがあってかっこいい! あと二琥のお風呂シーンです。髪を下していてかわいいらしい。

青山 2話で優が料理を残り物で作って、二琥が「はああ…っ」となった後に、瞬時に栄養が偏っているし食べない、となるのですが、その信念の強さ、それが当たり前だというように言っているのにドキっとしました。チョロいとチョロいと言いつつ、そういうことを当然だと考えたり、努力だと思わないところが天才なのかなと。

――ここ最近、「私ってチョロい!」と感じたエピソードはありますか?

日向 この間友人と少し喧嘩になったのですが、その数日後に「あそぼー!」と誘われて。怒っていた気持ちもどうでもよくなり「いいよー!」と返したとき、チョロいな~と思いました。

天海 何をされても何を言われても次の日には忘れてしまうので、チョロいというか単純だなと思います。向こうが(天海が)気にしていると思って謝ってくれても、そんなことありましたっけ?ってなることが多いです。ただ記憶は維持したいです。

古賀 タクシーに乗ったときに運転手さんが冷たいなあ、という感じだったんですが、最後降りるときに「ありがとうございました、おやすみなさい」って言ってくれて、なんだいい人だったんだ、と思ったのがチョロいと思いました。

青山 夏バテでお腹は空いてなかったんですが、松屋が30%オフになっていて、思わず買ってしまったのがチョロいなと思いました。

――最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

日向 帝乃三姉妹、とってもおすすめです! 見たあとにたくさん大切な気づきがもらえる作品だと思います。ぜひ最後までご覧ください!

天海 キャストも制作陣も、すごい熱量と愛を持って作品作りに精いっぱい向き合ってきたので、そのできた結晶たちを余すことなく、映像も音も五感を全て使ってぜひ楽しんでいただけたらうれしいなと思います。

古賀 キャスト陣はもちろんのこと、制作スタッフさんたち、アニメーションを作ってくださっているスタッフさんたち、音を作ってくださっているスタッフさんたち。 みなさんこだわりがすごく強くて、スタッフさんたちの製作裏話みたいなお話が聞く機会があれば、ぜひ作っていただきたいなと思うぐらい、たくさんの愛情と、細かいポイントを入れていただいている作品です。ぜひともその結晶たちを見ていただきたいなと思いますし、原作のひらかわ(あや)先生がこのアニメーション化をとても喜んでくださっているのが、個人的にとてもうれしいです。なので原作・アニメともども、ぜひともこれからもよろしくお願いいたします。

青山 本当に魅力的な作品であることが皆さんに分かっていただける、そんな1話だったと思いますし、これから先は私たちキャスト陣の絆もそうですが、作品の中で紡がれるすべてがキラキラと画面の中で輝いておりますので、ぜひ余すことなく、目を増やさないと足りないよというくらいに、ご覧いただければと感じていただければと思います。

『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』
◆放送情報
2025 年 7 月 9 日(水)より毎週水曜 24:30~各局にて絶賛放送中!
TOKYO MX 7 月 9 日(水)より 毎週水曜 24:30~
とちぎテレビ 7 月 9 日(水)より 毎週水曜 24:30~
群馬テレビ 7 月 9 日(水)より 毎週水曜 24:30~
BS11 7 月 9 日(水)より 毎週水曜 24:30~
MBS 7 月 12 日(土)より 毎週土曜 26:08~
山陰放送 7 月 12 日(土)より 毎週土曜 26:15~
AT-X 7 月 11 日(金)より 毎週金曜 21:30~
※AT-X リピート放送:7 月 15 日より毎週火曜 9:30~、7 月 17 日より毎週木曜 15:30~
◆配信情報
Prime Video ほかにて 2025 年 7 月 9 日(水)より毎週水曜 25:00~配信中!
d アニメストア/d アニメストア ニコニコ支店/d アニメストア for Prime Video/Netflix
DMM TV/バンダイチャンネル/Hulu/U-NEXT/アニメ放題/FOD/TELASA(見放題プラン)
J:COM STREAM(見放題)/milplus 見放題パックプライム/ABEMA/Lemino/AnimeFesta
ディズニープラス/アニメタイムズ
◆原作
原作:ひらかわあや「帝乃三姉妹は案外、チョロい。」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
◆スタッフ
監督 :松林唯人
シリーズ構成 :伊神貴世
キャラクターデザイン :井上裕亮
サブキャラクターデザイン :清澤唯人
メインアニメーター :宮崎 司
色彩設計 :土井 和
美術監督 :東 潤一
美術デザイン :伊藤 瞳
撮影監督 :朝日康平
3D 監督 :森重柚香
プロップデザイン :牧野博美
2D デザイン :吉垣 誠
特殊効果 :村上正博
編集 :高橋 歩※はしごだか
音楽 :横山 克
音響監督 :明田川 仁
音響制作 :マジックカプセル
アニメーション制作 :P.A.WORKS
◆キャスト
綾世優 :日向未南
帝乃一輝 :天海由梨奈
帝乃二琥 :古賀 葵
帝乃三和 :青山吉能
帝乃父 :松風雅也
綾世昴 :茅野愛衣
◆主題歌 オープニングテーマ:日曜日のメゾンデ「君にふさわしい奇跡」
(C)ひらかわあや/小学館/アニプレックス
編集部おすすめ