これまで20世紀フォックスが展開していた『ファンタスティック4』シリーズが、ついに2025年7月25日公開の『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』にて「マーベル・シネマティック・ユニバース」(以下、MCU)に参入! 彼ら以外は主だったスーパーヒーローがいない1960年代を舞台に、レトロフューチャーな世界で壮大な冒険を繰り広げます。(※20世紀フォックスは歴史ある配給会社でしたが、2019年にディズニーに買収されたことで子会社化。
現在は20世紀スタジオに名称を改めています。)

本作はロケット発射実験の事故により超能力を得た4人編成のスーパーヒーローチームを描くのですが、その物語はアメコミ原作と同様「家族」にフォーカスした内容に。

注目ポイントは、
・チームリーダーのリード・リチャーズと紅一点スー・ストームの間に赤ちゃんが誕生し、より強調される家族愛

・派手な特殊能力と未来メカが活躍するアニメ的なアクションシーン

・実写化不可能と言われていた、宇宙規模の“宇宙神”ギャラクタスの登場

特にギャラクタスは2007年の前シリーズ『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』にて、シルエットでしか表現できなかった壮大なる相手。今作でどのように描かれるのか、彼がもたらす宇宙規模の災厄にどう立ち向かうのか、大作映画ならではの迫力で楽しませてくれるでしょう。さらに子安武人さんなど、実力派声優がキャスティングされた日本語吹き替え版にも注目です。

さてそんなMCUですが、2019年公開の『アベンジャーズ/エンドゲーム』で燃え尽き、今はいわゆる“浦島太郎状態”になっている人も多いのではないでしょうか。
そこでここからは、現在のMCUついてトピックスをいくつか紹介しつつ今後の展望を見てみたいと思います。なお『アベンジャーズ/エンドゲーム』以降に公開された、または今後公開予定の劇場作品は以下の通り。

【フェーズ3(一部)】
アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)
スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019)

【フェーズ4】
ブラック・ウィドウ(2021)
シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021)
エターナルズ(2021)
スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2022)
ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022)
ソー:ラブ&サンダー(2022)
ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022)

【フェーズ5】
アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023)
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023)
マーベルズ(2023)
デッドプール&ウルヴァリン(2024)
キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(2025)
サンダーボルツ*(2025)

【フェーズ6】
ファンタスティック4:ファースト・ステップ(2025年7月25日)
【NEW!!】スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ(2026年公開予定)
【NEW!!】アベンジャーズ/ドゥームズデイ(2026年12月18日公開予定)
【NEW!!】アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ(2027年公開予定)

この6年の間にディズニープラスのドラマ版も本格スタートし、数々の新キャラクターがデビューしたり、その立ち位置を大きく変えたりしました。

大きなトピックとしては、やはり2022年の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』と2024年の『デッドプール&ウルヴァリン』でしょう。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では歴代3シリーズのスパイダーマンがチームアップし、本来は別々の次元(シリーズ)に存在していた懐かしの歴代ヴィランと対決しました。各シリーズの「心残り」を解消するような優しい展開にも涙しましたね。


『デッドプール&ウルヴァリン』では20世紀フォックス出身のデッドプールが待望のMCU入り。さらにヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンをはじめ、過去の非MCU作品から続々とおなじみのキャラクターたちが参戦しました。旧『ファンタスティック・フォー』シリーズでヒューマン・トーチを演じたクリス・エヴァンスが、おなじみのキャプテン・アメリカ役ではなく再びヒューマン・トーチとして登場した際は本当に驚いたものです。

なおスパイダーマンは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で一旦そのストーリーにピリオドを打ちましたが、2026年公開の『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』で再びスクリーンに復帰する予定です。もちろん主演はトム・ホランド。MJ役のゼンデイヤ、ネッド役のジェイコブ・バタロンの続投に加え、パニッシャーも登場するとのことです。

新たに加わったのは『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のカンフーヒーローのシャン・チー、『エターナルズ』の神話的ヒーローチーム「エターナルズ」、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』に登場したアメリカ・チャベス、『マーベルズ』のミズ・マーベルなど。

スカーレット・ウィッチことワンダ・マキシモフはドラマ『ワンダヴィジョン』で闇落ちし、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』で退場。ファルコンことサム・ウィルソンが2代目キャプテン・アメリカに、ブラックパンサーの妹のシュリが新たなブラックパンサーを襲名するなど代替わりも行われています。

さらにヴィランたちで結成された“超クセ強な無法者”こと『サンダーボルツ*』が、なんとニューアベンジャーズを襲名! さらに新キャプテン・アメリカとして活躍するサムも別のアベンジャーズを結成しそうでもあり、ふたつのアベンジャーズの今後の展開が楽しみです。

個人的にはディズニープラス独占配信のドラマシリーズも見逃せないところ。とくに『ムーンナイト』(全6話)と、1話限りのハロウィンスペシャル『ウェアウルフ・バイ・ナイト』がオススメです。
どちらも独立した作品で見やすいですし、個性が光る作品となっています。

『ムーンナイト』は2重人格のスーパーヒーローで、どの人格が肉体の主導権を得るかで謎解きが得意になったりアクションが得意になったり。変身後のスーツもそれぞれまったく異なるところも大きなポイントです。

『ウェアウルフ・バイ・ナイト』はモノクロ時代のレトロなモンスター映画をイメージした作りになっており、マーベルのホラー系キャラクターが登場するだけでなくクラシックな雰囲気が魅力です。しかもそのひとり「マンシング」は、見た目は不気味ながらキュートな性格をしており、観ているだけで癒されます。

本来、新アベンジャーズと戦うはずだったラスボス「征服者カーン」が大人の事情で出演計画に変更があり、フェーズ4からフェーズ5までの展開が一旦終わっていますから、MCUに復帰するなら今がチャンス。今後はカーンに代わってドクター・ドゥームがラスボスを務めるとうわさされており、しかもその役を引き受けたのが、なんとかつてアイアンマンを演じたロバート・ダウニー・Jr.だとか! 2026年12月18日(金)、日米同時公開の『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』でデビューするとのことなので今から楽しみです。

※ドゥームは『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』には登場しないと明言されているものの、ファンタスティック4の宿敵ですし、個人的にはで今作で何か動きがあるのではないかと期待しています。

またX-MENの本格参戦にも注目度が高まるMCU。随所でチームアップが進められていますから、アベンジャーズとX-MENのチーム同士の共演など、これまで目玉だった『アベンジャーズ』を上回るだろう壮大な企画を連発するかもしれません。

※つい最近(アメリカ現地時間で7月18日)、マーベル・スタジオの社長「ケヴィン・ファイギ」氏がアメリカのメディア向けの説明会で今後のMCUについて語ったそうです。その内容は、『ドゥームズデイ』と『シークレット・ウォーズ』が“MCUの新たなるスタートとなる作品になる”ということ。
ファイギ氏は“リセット”という言葉を使いつつ、単一のタイムラインで今後の新たなる展開を模索しているようです。

その詳しい内容までは語られなかったようですが、『シークレット・ウォーズ』後からX-MENシリーズが本格始動すること、キャプテン・アメリカやアイアンマンなど一部キャラクターがいずれも新キャストでの登場となることも明かされました。

その“大きな変化”につながる第一歩となるであろう『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は2025年7月25日公開です。

2025年7月25日(金)日米同時公開!
『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』

■監督:マット・シャクマン 
■キャスト:
 ペドロ・パスカル(リード・リチャーズ / ミスター・ファンタスティック)…子安武人
 ヴァネッサ・カービー(スー・ストーム / インビジブル・ウーマン)…坂本真綾
 ジョセフ・クイン(ジョニー・ストーム / ヒューマン・トーチ)…林勇
 エボン・モス=バクラック(ベン・グリム / ザ・シング)…岩崎正寛
■配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
■コピーライト表記:(C) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.
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