チェコ発のストップモーションアニメ映画『リビング・ラージ!』の日本公開日が2025年10月3日に決定した。これに伴い、予告編と本ポスタービジュアル、場面写真もお披露目された。


『リビング・ラージ!』は、「アヌシー国際アニメーション映画祭」でも話題を呼び、映画音楽で評価を得た、チェコ発のストップモーションアニメ映画だ。13年前に出会った一冊の小説から構想を重ね、12年の歳月を経て娘の成長に寄り添うように生まれた物語には、チェコのアニメーション作家クリスティーナ・ドゥフコヴァのまなざしと、繊細な手仕事が息づく。
料理と音楽に夢中な少年ベンをめぐるストーリーは、丁寧に作られた人形たち、夢想や想いをすくい上げるストップモーションアニメーション、そして胸に残るラップやメロディによって、揺れ動く感情や言葉にならない想いをやわらかく受けとめる。自分を少しだけ好きになれた瞬間を映すのだ。そんな心の変化の芽吹きを、そっとすくい上げるように描かれた本作は、ポップであたたかなユーモアとともに、自分らしく生きる歓びを奏でてゆく。

このたびお披露目された予告編は、少し大柄な少年の主人公ベンが、テンポの良いリズムに乗せて“お腹がグーグーもう限界”と腹ペコ状態だと表現した、個性あふれるラップシーンからスタートする。

音楽と料理が大好きなベンは、これまで自分の見た目をあまり気にしてこなかった。ところが思春期を迎え、クラスメイトのクララを意識するようになると、次第に容姿や心の揺らぎが気になりはじめる。ダイエットにも挑戦し、胸の奥にわき上がる言葉にならない感情を、仲間と奏でる音楽にのせて歌い放つ。
そんなベンだが、事はそう簡単には運ばない。食事制限や運動など、さまざまな方法を試してみるものの、思うように体重は減らず、焦りやプレッシャーから奇妙な悪夢まで見る始末だ。さらにクララへの想いを込めて焼いた自慢のケーキも、届ける途中のトラブルで無残に崩れてしまう。


沈んだ気持ちのベンに向けて、父の友人ソフィーから「勇気を出せば何だって乗り越えられる」という励ましの言葉が贈られる。それをきっかけに、ベンはポジティブな心持ちを取り戻していく。気心の知れたバンド仲間とステージに立ち、オリジナルナンバーを歌い上げるシーンでは、“リビング・ラージ! でっかい心で生きてやる フルチャージ! 新しいスタート”という歌詞にのせて、魂の声を観客に届ける。“まだ知らない自分に少しずつ出会っていく”というメッセージを色濃く映し出す予告編となっている。

あわせて公開されたポスタービジュアルには、予告編でも印象的に映し出されるリードコピー「うたって、笑って、悩んで、自分を好きになる! 自分らしさを鳴らすポップアンセム」が大きく躍る。ポップコーンを頬ばるベンを中心に、得意の料理や食材がにぎやかに並び、バンド仲間やクララが顔をのぞかせるキュートなデザインだ。
その横には、世界最大規模の「アヌシー国際アニメーション映画祭」でコントルシャン部門・審査員特別賞を受賞し、ヨーロッパの映画賞では音楽賞を獲得した栄誉も記されている。

チェコ発のストップモーションアニメ映画『リビング・ラージ!』は、10月3日より新宿武蔵野館ほかにて公開される。オリジナルの楽曲に加え、スロバキアのロックバンド・Walter Schnitzelssonによる軽快なサウンドが響き渡る本作。劇場のスクリーンで、“ちょっといい日になるかも”という予感を味わいたい。

『リビング・ラージ!』
10月3日(金) 新宿武蔵野館ほかロードショー
監督:クリスティーナ・ドゥフコヴァ
声の出演:タイラー・ゲイ、フィオン・キンセラ、アレクサンドラ・ハーマンズ
2024 年|チェコ・スロバキア・フランス|英語|79 分|カラー|シネスコ|5.1ch|原題:ŽIVOT K SEŽRÁNÍ|英題:LIVING LARGE|字幕
翻訳:高橋彩(高は「はしごだか」)|PG12|配給:クロックワークス|
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