2023年に全8話がNetflixで配信され、その再現度の高さからたちまち評判になった実写ドラマ版『ONE PIECE』。かねてからシーズン2の制作は伝えられており、この6月にはついに実写版チョッパーの姿も公開されました。


2025年8月10日に東京ビッグサイトで開催された大型イベント「ONE PIECE DAY '25」では、なんとシーズン2の初出し映像とともにシーズン3制作決定のニュースも!

シーズン2では、サブタイトルが示す通り「偉大なる航路(グランドライン)」での大冒険が描かれますが、はたしてシーズン3ではどのような冒険が描かれるのか!? そちらは南アフリカのケープタウンにて、年内に撮影が開始される予定とのことで楽しみは尽きません。

そこで本稿では、「ONE PIECE DAY '25」のステージに出演したばかりのルフィ役、イニャキ・ゴドイさんにインタビューを実施。撮影の裏側、『ONE PIECE』という作品への想い、そして来日して『ONE PIECE』の印象がどう変化したかをうかがいました。

なおイニャキさんは日本語を勉強中ということである程度の会話が可能ですが、インタビュー中は正確性を考慮して通訳を介することに。インタビュー終了時には日本語のメッセージもいただいたので、そちらも併せて紹介します。

■日本は僕にとって第二の故郷になりました
――シーズン1の反響はいかがでしたか?

イニャキ・ゴドイ:とてもいい反響で嬉しかったですね。スタッフ、演者一丸となってベストなシリーズを作ろうとがんばりましたし、そのプロセスもとても楽しかったです。もちろんストーリーはまだまだ続くので、その道のりは途方もないものになります。学ぶべきこともたくさんあるでしょう。

シーズン1以上にシーズン2をお楽しみいただけたら幸いです。

――VFXを使う撮影は特殊な環境かと思います。シーズン1を経て学んだり効率化できた部分を教えてください。


イニャキ:じつは僕個人としては大変なことはなく、むしろ良い経験をさせていただきラッキーでした。

そもそも役者というのは、舞台に存在しないものもイメージで補い、演技をするものです。その点においてVFXの現場は舞台とまったく変わりません。むしろ大変なのはスタッフさんの方だったと思います。なにしろ荒唐無稽なキャラクターやシチュエーションを、目に見える形で表現しなければなりませんからね。

――撮影の裏側ではどのような思い出がありましたか?

イニャキ:ロロノア・ゾロを演じる新田真剣佑さんとボードゲームをしたり、サンジ役のタズ・スカイラーさんに柔術を教わったりしました。ただ彼らとはすでに家族のような関係ですから、何か特別に「遊びに行こうぜ!」みたいなノリはありませんでしたね。僕が疲れて撮影の合間に寝ていても起こすようなことはありませんし、むしろ何もしなくてもリラックスできるような良い関係です。自然体でいられます。

■『ONE PIECE』は宝物のような存在

――春に日本を訪れたそうですね。インスタグラムでも動画を公開されていますが、じかに「日本」に触れたことで『ONE PIECE』という作品の見え方は変わりましたか?

イニャキ:変わりました。日本の皆さんにとっていかに大切な作品かよく分かりました。


例えば熊本を訪れた際にはルフィの銅像を拝見しました。その時にある親子がやってきて「ほらルフィだよ」と銅像を指さすわけです。するとその子も親御さんも笑顔になるんですよね。ほかにも『ONE PIECE』の新幹線が走っていたり、グッズもさまざまなところで売られていたり、カラオケに行けば誰かが主題歌を歌って場がひとつになったりします。そういった光景をまのあたりにして、本当に皆さんにとって『ONE PIECE』は宝物のような存在なんだなと感じました。

――たしかにここまでキャラクターが身近にある国って珍しいですよね。

イニャキ:それに滞在中は日本のホストファミリーのお宅でお世話になったのですが、そこの娘さんも『ONE PIECE』の大ファンだったんです。新しいエピソードが放送されればその話で盛り上がります。チョッパーのモノマネも見せてもらいました。彼女によると『ONE PIECE』は彼女を勇気づけてくれる存在だそうです。ひとりの人生に大きな影響を与えるような作品であること。もちろんその子だけではなく日本全国の皆さんが大きな影響を受けたと思います。
それだけ大切な存在なんだなと実感しました。

――確かに。

イニャキ:ルフィという役柄を与えていただけたことは決しては当たり前のことではありません。大きなチャンスをもらい、とても感謝しています。だからこそ、この物語をもっともっと世界に広めたいですし、どんどんと祝福していきたい。おそらく日本の皆さんの信頼を得るにはまだまだ時間が必要かと思います。それでも地道にがんばっていきたいと思います。

日本語を学んだことで尾田先生と日本語で直接お話しできるようになりましたし、声優さんや集英社の担当さんともお話しすることができました。おかげで『ONE PIECE』とのつながりがそれだけ強くなったと思いますし、新たな友人もでき、僕にとって人生の大きな宝物になりました。日本は僕の第二の故郷と思える存在になったからこそ全力で良いシリーズにしたいですし、シーズン3以降も続けられたらと思っています。

――ちなみに今後、やってみたいエピソードはありますか?

イニャキ:エニエス・ロビーのエピソードですね。理由は原作をご存知であればお分かりになるかと思います。
未見の方もいらっしゃるかと思うので、ネタバレにならないよう、これ以上は言いませんけどね(笑)。

――それでは最後に、イニャキさんとって『ONE PIECE』と呼べる大切なものを教えてください。

イニャキ:人生の目標は世界中に友だちを作ること、役者としてストーリーテリングを続けること、どこへでも飛び立てるような身でいることです。俳優としては、僕にとって意味のあるさまざまな役柄を演じたいです。そしてそれを楽しみたいです!

【日本語のコメントもいただきました!】

「実写版『ワンピース』シーズン2をぜひ見てください。皆さんありがとうございました!」

取材終わりには取材陣に「ありがとうございました」と深々とおじぎをしていたイニャキさん。その様子はとっさに頭を下げる日本人そのもので、ホストファミリーのもとに滞在しながら学んだ“日本”がかなり板についた様子でした。

<配信情報>

『ONE PIECE』シーズン2「INTO THE GRAND LINE」

■Netflixにて2026年世界独占配信

『ONE PIECE』は、集英社とのパートナーシップにより制作され、トゥモロー・スタジオ(ITV Studiosのパートナー)とNetflixがプロデュースする海洋冒険ロマンです。

■共同ショーランナー/脚本家/製作総指揮: マット・オーウェンズ&ジョー・トラッツ
■エグゼクティブ・プロデューサー:尾田栄一郎、マーティ・アデルスタイン、ベッキー・クレメンツ(トゥモロー・スタジオ)、藤村哲哉、クリス・シムズ、スティーヴン・マエダ
■出演:モンキー・D・ルフィ役:イニャキ・ゴドイ、ロロノア・ゾロ役:新田真剣佑、ナミ役:エミリー・ラッド、ウソップ役:ジェイコブ・ロメロ、サンジ役:タズ・スカイラー、アルビダ役:イリア・アイソレリス・ポーリーノ、バギー役:ジェフ・ウォード、ゴールド・ロジャー役:マイケル・ドーマン

■シーズン3情報
共同ショーランナー/脚本家/製作総指揮: ジョー・トラッツ、イアン・ストークス
(C)尾田栄一郎/集英社
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