今年も厳しい残暑が続く模様。怖い作品を見て、少しでも涼しい気分に浸りたい人もいるのではないでしょうか?
日本の実写作品やゲームでは、古くからの風習が残る閉鎖的な集落を舞台にした「村ホラー」が人気を集めています。
怖いけど、関係性が気になる。『光が死んだ夏』
山間部の集落を舞台にした青春ホラー作品。
新進気鋭の作家・モクモクれんが「ヤングエースUP」にて連載中の『光が死んだ夏』(KADOKAWA刊)は、『このマンガがすごい!』2023(宝島社刊)のオトコ編第1位にランクインし注目を集めました。2025年7月からTVアニメが放送され、ますます話題になっています。
主人公は高校生の辻中佳紀(つじなか よしき)。ある日親友の忌堂光(いんどう ひかる)が、山で1週間も行方不明になってしまいます。光は戻ってきたものの、中身が「人ではないナニカ」に変わっていました。よしきはそれに気づきながらも、人でなくなった「ヒカル」を受け入れ、普段通りの生活を続けようとします。
人外と人間の関係を描いている作品ですが、派手なバトルなどはありません。生活を徐々に「ナニカ」に浸食されていくような、じっとりとした怖さが魅力的です。
よしきの一人称視点によるカメラワークも随所に使われているため、周囲に目を向けるときのドキドキ感や、見てはいけないものを見たときの驚きもさらに伝わってきます。
ホラー色の強い作品ですが、よしきとヒカルの関係性が気になって、怖くても見続けたくなるのです。
また、原作マンガではフォントを効果的に使った擬音表現も魅力的。アニメ版でも文字を活用した演出が登場するので、ぜひ注目してください。
タイトルが出てくるまで見てくれ! 映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
ホラーだけでなく、バディものが好きな人にもおすすめの作品です。
作中で中心となる時代は昭和31年。主人公の水木は、取引先の「龍賀製薬」当主が残した遺言や、「M」と呼ばれる血液製剤の製造法を探るため、哭倉村(なぐらむら)を訪れます。しかし龍賀一族の者が次々と惨殺される事件が発生。村と外部をつなぐ唯一の道も塞がれてしまい、水木は村に閉じ込められてしまいました。
そんなとき、犯人と間違われて捕えられたゲゲ郎と遭遇。2人はお互いの目的を果たすため、哭倉村の謎を暴こうと奔走します。
本作はTVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第6期の前日譚として位置づけられているエピソード。
一方で、大人向けに制作されたこともあり、かなり残酷な描写も見られました。とくに本作に327カットのリテイクを加え、合わせて音も再ダビングしたR15指定の『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版』では、赤の鮮やかさがさらに増しています。
しかし恐怖や残酷さだけでは終わらないのが『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズの魅力。本作にも心を揺さぶるシーンが満載なので、せめて作品タイトルが登場するまでは見てください。
音楽が頭から離れない。『おおかみかくし』
同名のゲームを原作にしたTVアニメ。全12話なので、一気見にも向いています。
舞台は山間部のニュータウン、嫦娥町(じょうがまち)。この町に引っ越してきた高校生の九澄博士(くずみ ひろし)は、不自然なほどにクラスメイトたちに大歓迎されます。ただしクラス委員の櫛名田眠(くしなだ ねむる)だけは別。博士と距離を置き、山間部の旧市街には近づかないようにと、冷静に忠告します。
旧市街は日が暮れると、妖しげな雰囲気に一変。大鎌を持つ少女たちが住民を襲う事件がたびたび起こるものの、なぜか嫦娥町では話題にならず、いつも通りの日常が続いていました。
基本はラブコメを思わせる平和なシーンが多いものの、そのなかに潜む違和感や、町の表情の変化が怖い作品。民話や都市伝説、町の歴史なども展開に大きく絡んでくるので、そうした要素が好きな人にもおすすめです。
ちなみに筆者は、アニメ内で流れていた「はっさく」のCMソングがいちばんのホラーだと思っています。
2010年に放送された作品ですが、未だにこの曲がすぐに歌えるの、怖くないですか……?
美しさ×リアルで怖さが倍増。『屍鬼』
人口約1300人の小さな集落・外場村(そとばむら)で起こる奇妙な連続死をめぐる作品。原作小説は『十二国記』シリーズでも有名な小野不由美先生が書いており、群像劇ホラーとしても人気があります。
外場村で広まっているのは、老若男女問わず、人間を急激に死に至らしめる謎の症状。最初は貧血から始まる、という点以外は何もわかっていません。
そんな原因不明の症状を追ううちに、村に巣くう恐ろしい存在と退治することに。都会からの転校生・結城夏野、都会に憧れる高校生・清水恵、医師・尾崎敏夫、僧侶・室井静信など、多数のキャラクターの視点が次々と入れ替わりながら、凄惨な結末へと突き進んでいきます。
TVアニメ版は終盤の展開を除き、『封神演義』の藤崎竜先生がコミカライズしたマンガがベース。重要な人物たちの多くは美しいビジュアルや色彩で描かれています。
だからこそ、腐敗した死体や村人たちの表情など、突如登場するリアルな描写にゾッとするはず。
この世のものとは思えない美しさと、現実を思い起こさせるリアルさが同居することで、怖さが倍増しているといえるでしょう。
今回紹介したほかにも、村ホラーが登場するアニメはいくつもあります。怖さで冷や汗をかきつつ、お気に入りの村ホラーを探してみてはいかがでしょうか?
日本の実写作品やゲームでは、古くからの風習が残る閉鎖的な集落を舞台にした「村ホラー」が人気を集めています。
このジャンルはアニメでもたびたび描かれており、『ひぐらしのなく頃に』や、今季放送中の『光が死んだ夏』など話題作も多数。そこで今回は「この夏は村ホラーで涼みたい!」という人のために、おすすめの村ホラーアニメを紹介します。
怖いけど、関係性が気になる。『光が死んだ夏』
山間部の集落を舞台にした青春ホラー作品。
新進気鋭の作家・モクモクれんが「ヤングエースUP」にて連載中の『光が死んだ夏』(KADOKAWA刊)は、『このマンガがすごい!』2023(宝島社刊)のオトコ編第1位にランクインし注目を集めました。2025年7月からTVアニメが放送され、ますます話題になっています。
主人公は高校生の辻中佳紀(つじなか よしき)。ある日親友の忌堂光(いんどう ひかる)が、山で1週間も行方不明になってしまいます。光は戻ってきたものの、中身が「人ではないナニカ」に変わっていました。よしきはそれに気づきながらも、人でなくなった「ヒカル」を受け入れ、普段通りの生活を続けようとします。
人外と人間の関係を描いている作品ですが、派手なバトルなどはありません。生活を徐々に「ナニカ」に浸食されていくような、じっとりとした怖さが魅力的です。
よしきの一人称視点によるカメラワークも随所に使われているため、周囲に目を向けるときのドキドキ感や、見てはいけないものを見たときの驚きもさらに伝わってきます。
ホラー色の強い作品ですが、よしきとヒカルの関係性が気になって、怖くても見続けたくなるのです。
また、原作マンガではフォントを効果的に使った擬音表現も魅力的。アニメ版でも文字を活用した演出が登場するので、ぜひ注目してください。
タイトルが出てくるまで見てくれ! 映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
ホラーだけでなく、バディものが好きな人にもおすすめの作品です。
作中で中心となる時代は昭和31年。主人公の水木は、取引先の「龍賀製薬」当主が残した遺言や、「M」と呼ばれる血液製剤の製造法を探るため、哭倉村(なぐらむら)を訪れます。しかし龍賀一族の者が次々と惨殺される事件が発生。村と外部をつなぐ唯一の道も塞がれてしまい、水木は村に閉じ込められてしまいました。
そんなとき、犯人と間違われて捕えられたゲゲ郎と遭遇。2人はお互いの目的を果たすため、哭倉村の謎を暴こうと奔走します。
本作はTVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第6期の前日譚として位置づけられているエピソード。
約105分間に、大迫力の妖怪バトルやコミカルなやりとり、人間と妖怪それぞれの価値観など、『ゲゲゲの鬼太郎』らしさも詰め込まれています。
一方で、大人向けに制作されたこともあり、かなり残酷な描写も見られました。とくに本作に327カットのリテイクを加え、合わせて音も再ダビングしたR15指定の『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版』では、赤の鮮やかさがさらに増しています。
しかし恐怖や残酷さだけでは終わらないのが『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズの魅力。本作にも心を揺さぶるシーンが満載なので、せめて作品タイトルが登場するまでは見てください。
音楽が頭から離れない。『おおかみかくし』
同名のゲームを原作にしたTVアニメ。全12話なので、一気見にも向いています。
舞台は山間部のニュータウン、嫦娥町(じょうがまち)。この町に引っ越してきた高校生の九澄博士(くずみ ひろし)は、不自然なほどにクラスメイトたちに大歓迎されます。ただしクラス委員の櫛名田眠(くしなだ ねむる)だけは別。博士と距離を置き、山間部の旧市街には近づかないようにと、冷静に忠告します。
旧市街は日が暮れると、妖しげな雰囲気に一変。大鎌を持つ少女たちが住民を襲う事件がたびたび起こるものの、なぜか嫦娥町では話題にならず、いつも通りの日常が続いていました。
基本はラブコメを思わせる平和なシーンが多いものの、そのなかに潜む違和感や、町の表情の変化が怖い作品。民話や都市伝説、町の歴史なども展開に大きく絡んでくるので、そうした要素が好きな人にもおすすめです。
ちなみに筆者は、アニメ内で流れていた「はっさく」のCMソングがいちばんのホラーだと思っています。
2010年に放送された作品ですが、未だにこの曲がすぐに歌えるの、怖くないですか……?
美しさ×リアルで怖さが倍増。『屍鬼』
人口約1300人の小さな集落・外場村(そとばむら)で起こる奇妙な連続死をめぐる作品。原作小説は『十二国記』シリーズでも有名な小野不由美先生が書いており、群像劇ホラーとしても人気があります。
外場村で広まっているのは、老若男女問わず、人間を急激に死に至らしめる謎の症状。最初は貧血から始まる、という点以外は何もわかっていません。
そんな原因不明の症状を追ううちに、村に巣くう恐ろしい存在と退治することに。都会からの転校生・結城夏野、都会に憧れる高校生・清水恵、医師・尾崎敏夫、僧侶・室井静信など、多数のキャラクターの視点が次々と入れ替わりながら、凄惨な結末へと突き進んでいきます。
TVアニメ版は終盤の展開を除き、『封神演義』の藤崎竜先生がコミカライズしたマンガがベース。重要な人物たちの多くは美しいビジュアルや色彩で描かれています。
だからこそ、腐敗した死体や村人たちの表情など、突如登場するリアルな描写にゾッとするはず。
この世のものとは思えない美しさと、現実を思い起こさせるリアルさが同居することで、怖さが倍増しているといえるでしょう。
今回紹介したほかにも、村ホラーが登場するアニメはいくつもあります。怖さで冷や汗をかきつつ、お気に入りの村ホラーを探してみてはいかがでしょうか?
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