アニメ『宇宙戦艦ヤマト』のリメイクシリーズ最新作『ヤマトよ永遠に REBEL3199』は、「第四章 水色の乙女(サーシャ)」が2025年10月10日より上映開始となる。9月19日、その完成披露舞台挨拶が実施された。会場には桐生美影役・中村繪里子の進行のもと、森雪役の桑島法子、アルフォン役の古川慎、サーシャ役の潘めぐみ、総監督の福井晴敏、監督のヤマトナオミチが登壇し、いよいよ上映開始となる第四章、そして『ヤマト』の魅力や見どころをたっぷり語った。映画の上映後、登壇者たちは興奮冷めやらぬ会場内からの大きな拍手に迎えられて来場する。司会を務める桐生美影役の中村が「会場の皆さま、第四章、いかがでしたか?」と尋ねると、会場からは割れんばかりの拍手がわき起こった。本リメイクシリーズもいよいよ第四章を迎え、17歳の少女に成長したサーシャを演じた潘も「前回から今日まで、あっという間だったなと思いますが、ようやく皆さんに17歳の姿でお会いすることができました。(会場の)おじさま、ないしお姉さま。サーシャ、感無量です」と感慨深い様子であいさつする。その言葉を横で聞いていた桑島も「あの小さかったサーシャがこんな風に、純度の高い、ひたむきな17歳になっているというのが感慨深かったです」としみじみとコメントした。そんなサーシャを演じるにあたり、潘は「17歳の姿で登場してはいるのですが、中身がまだその年齢に伴わない。それはやはり彼女が17年間育ってきた環境に大きく由来しているのかなと思うのですが。一方で、彼女には生まれ持った使命があって、その使命に重きを置いていると、どうしても人と衝突してしまう。その繊細な部分を意識して演じていました」と語る。そして桑島は、この日の完成披露舞台挨拶について「ついにアルフォンと雪が一緒の舞台挨拶に登壇してしまった……これはちょっと私の中で事件なんです。今日は(古代進役の)小野くんが来なくてよかったのかも」と笑うと、アルフォン役の古川も「自分が桑島さんと舞台挨拶に出るという話を小野さんの前でしたら『なんだって!』と言っていましたからね」と明かし、会場を沸かせた。そんなアルフォンというキャラクターについて、古川は「物語のスケールも前回よりさらに広がっていますが、そこでアルフォンは結構謎めいた動きをしていると思います。その真意については、ぜひ以降の章を楽しみにしていただきたいのですが、彼の行動原理はこれまでのヤマトの敵役と基本的に一緒で、自分の信じるものに従って動いています。それともうひとつ言っておくと、今回の章でアルフォンはとんでもないストレスを抱えています」と話す。さらに雪とアルフォンの関係性については、「多分、アルフォンにとって、地球で暮らす人々は憧れの存在。その中で雪が一番輝いている人なんです。与えられた役割として雪と接していると考えながらも、心の中には一緒にいたいという気持ちもあると思います」と分析してみせた。そして改めて、第四章が完成したことに安堵の表情を見せるヤマト監督が「なんとかこれで折り返しまで来ました。今回も皆さまに楽しんでいただけるように最後のギリギリまで、クオリティを上げるよう足掻いてきました」と語る。すると福井総監督は「章の上では折り返しですが、(制作における)総カロリー的には、おそらくまだ30%くらい。残り70%のカロリーがまだ消費されてない感じがします」と述べ、会場を驚かせる。その上で、福井総監督は「今回は全七章ある中で一番“しっとりした章”かなと思っています」と説明する。「今回は今までシリーズがあまりカメラを向けてこなかったところも描いています。群像劇として、人々の心の流れを描いていく章になりました。ここから先はもっと怒濤(どとう)の展開になるので。そういう意味で言うと、全体に振り分けるはずだった“しっとり成分”を凝縮したような章となった」と、今後の展開を踏まえた上での、第四章の位置づけについても明かした。そんな中、「わたし、お聞きしたかったことがあるんです」と切り出した桑島は、「アフレコの時はそこまで余裕がなかったのか、緊張していたのか、そんな風に思ってなかったんですけど、第二章でアルフォンが喋りだしたのを観て、古代くんが浮かんできて驚いたんです。声質とか、演技の質感とかが似ているんで、これはやられたな、雪がアルフォンを嫌いになれないように仕組まれてるなと思って。最初からそれを考えてキャスティングしたんですか?」と質問する。だが、これに対する福井総監督の答えは「偶然です。わたしも(古川の声を)聞いてビックリしました」というもの。するとヤマト監督が「そこは、計算してたと言っておいた方が良かったかも」と冗談めかして、会場を沸かせた。すでに本シリーズのアフレコは終了しているが、最終回は小野、古川、桑島の3人一緒に収録できたそうだ。「ふたりとも黒い服で、髪型もそっくりで。どっちがどっちだか分からないようなふたりに挟まれて、本当に不思議な気分になりました」と桑島が明かすと、古川も「楽しかったですね。その件も含めて。いい収録ができたと思います」と笑顔を浮かべる。あらためて「(潘)めぐみちゃんのサーシャもめぐみちゃんじゃなきゃあそこまでのサーシャにならないし、アルフォンも古川さんじゃなくちゃアルフォンにはならない。すばらしいキャスティングでした」としみじみ語る桑島に、福井総監督は「それは偶然なので」と冗談めかす。そこに司会の中村が「縁が結んだということですね」と付け加えると、登壇者たちもその言葉に深くうなずいていた。また今回、第四章のエンディング主題歌「ひかりのなみ」についても尋ねられた潘は「詞をいただいた時に、この詞を書かれた松井洋平さんは未来が見えているのかなと思ったくらい、解像度の高い詞でした。ちょうどその頃がクライマックスの収録に向かっていたところだったので。この曲からいただくものがすごく大きかった。素敵な歌だなと思います」としみじみ語る。さらに、「われわれも(第四章の内容が)ここまでピタッと世の中と合うことになるとは思っていなかった」と語る福井総監督は、本作が現代社会とリンクしていることに言及する。「ヤマトは原作の頃からその時代の何かを学べる作品。たとえばコロナ禍というものを、われわれはまだ自分たちの中で総括できていないと思うのですが、これを観ることによって『こういうことなのかな』『だったら次に起きたときには何に気を付けたらいいのか』ということが分かる。そういうことが学べるのもフィクションの大事な役割だと思うので」と、作品に込めたメッセージを語った。そしてイベントの終盤、最後のメッセージを求められた潘は「今回は“縁”や“人の思い”が鍵となっています。目には見えないかもしれませんが、わたしたち人間だからこそ感じることのできるものが、きっと未来につながると信じています。これから先、どんな運命がヤマトに待ち受けているか分かりませんが、どんなことがあっても思いを信じてついて来てください。“ひかりのなみ”に寄せて、心から皆さんとヤマトとの関係を願っております」と話す。続く桑島は「やっと第四章をお届けできますが、まだまだその先があります。アフレコは全部終わりましたが、最終章の完成を見るまでは、わたしたちも終わったという気持ちにはなれません。まだまだ旅は続いていきますので、途中で息切れせずに、最後まで劇場に足を運んでいただけたら」と述べた。さらに古川は「物語はさらに壮大になり、様々な思惑が複雑に絡み合ってきました。ですから何度も見返して、これってどういうことだったんだろうと、咀嚼していただくのが良いかと思います。アルフォンを通した目線で第四章を見ると、人間の輝きと強さをまざまざと見せつけられた章だなと思いました。これからの章も、それは変わらず続いていくのですが、その中で、まだまだ謎の多いデザリアムたちとの間にどういった物語があるのか、そこで各キャラクターがどんな使命を果たしていくのか。というところは、ぜひ注目していただきたいポイント。最後まで見ていただけたら」とコメントする。ヤマト監督は「この章はしっとりした章だと言いましたが、他の話に比べても美術の数も多く、セリフ一つ一つのシチュエーションも粒立ちしているので、これらが後にどういう意味が出てくるのか、今後に引っかかってきますので。一つ一つのシーンを噛みしめて楽しんでいただいて、次につなげていただければ」と語った。最後に福井総監督は、「次の第五章はラストですごいことが起こります。原作『ヤマトよ永遠に』では(映画の上映途中からスクリーンの大きさがビスタサイズからシネスコサイズに、音響がモノラルからステレオに切り替わる)ワープディメンションという驚きの仕掛けがありました。今回、それはさすがに無理ですけど、同等の驚きが起こりますので。それを楽しむためにも、この第四章の内容を完全に頭に入れておいていただけたら」と、会場のヤマトファンに向けて呼びかけた。アニメ『宇宙戦艦ヤマト』のリメイクシリーズ最新作である『ヤマトよ永遠にREBEL3199 第四章 水色の乙女』は、2025年10月10日より上映開始となる。『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第四章 水色の乙女』完成披露舞台挨拶■日時:9月19日(金)21:00~21:40 ※上映後舞台挨拶■場所:新宿ピカデリー シアター1(東京都新宿区新宿3丁目15番15号)■登壇者:桑島法子(森 雪役)、古川慎(アルフォン役)、潘めぐみ(サーシャ役)、福井晴敏(総監督)、ヤマトナオミチ(監督) 進行 中村繪里子(桐生美影役)『ヤマトよ永遠にREBEL3199』全七章(全26話)構成にて2024年より全国劇場で上映開始。『ヤマトよ永遠にREBEL3199 第四章 水色の乙女』2025年10月10日(金)上映開始(C)西崎義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会(崎は「たつさき」)