2025年8月16日から17日にかけて、北京国際アニメフェスティバル(ICOS)が国家会議センターで開催され、多くのアニメファンや出展者・ゲストが集結した。このイベントは北京市文化局が主催し、アニメ文化の普及、グッズの展示、そしてインタラクティブなエンターテインメント体験を提供することを目的としている。本稿ではイベントの様子をレポートする。イベントは2日間開催され、毎日朝9時から17時までオープン(前売り券を所持している場合は8時30分に入場もできた)。イベントの主な内容には、アニメに関連する製品の展示(玩具、衣装など)、コスプレパフォーマンス、ゲストによるサイン会、インタラクティブステージアクティビティを実施。なお、「海賊版ゼロ」の理念を強調しており、中国、日本、欧米のIP資源を統合して取り扱っていた。今回のアニメフェスティバルは、主に3つのエリアに分かれており、メインステージパフォーマンス(ゲスト交流会、歌やダンスのコンテストなど)、インタラクティブエンターテインメントエリア(ゲーム体験、アニメ商品販売など)、ビジネス商談エリア(BTBビジネス協力)があった。アニメフェスティバルで盛り上がる企画・コスプレコンテストは、相変わらず大人気だった。コスプレイヤーは、日本のアニメキャラクターからオリジナルの中華風の格好まで自分たちの好きなキャラクターを、創造力と情熱で完璧に表現し変身していた。精巧な衣装と美しいメイク、そして表情が豊かなパフォーマンスで、ステージは次元を超えた幻想的な世界へと誘われた。コスプレの歌やダンスのパフォーマンスを見て、お気に入りのキャラクターに会えたら、交渉次第ではコスプレイヤーと記念写真を撮ることもできる。この行為は中国では「切手を集める」ように、「集郵」と呼ばれている。記念写真を撮ったあとは、インタラクティブエンターテインメントエリアに向かった。ここでは最新のゲーム作品を体験したり、他のプレイヤーと対戦したりすることもできる。特筆すべきは、カプコンの有名なゲーム『ストリートファイター』が中国でも非常に人気があり、中国のさまざまなアニメフェスティバルで何度も登場したことがある。アニメフェスティバルのさらなる楽しみといえば、アニメグッズの販売と新作のプロモーションである。ゲームやアニメのメーカーも、自社の作品をプロモーションをする場としてアニメフェスティバルを利用している。例えば、今回のアニメフェスティバルでは、iQiyi(アイチーイー:中国の有名な動画サイト)が最新のアニメ作品「魔天記」と「蒼蘭訣2」を大々的にプロモーションしていた。プロモーション手段として、来場者にポスターやカードなどのプレゼントを無料で配布していた。またグッズ販売ではイベント限定版の商品も用意され、コレクション価値が高いアイテムにもなりやすい。本イベントでは、書籍、バッジ、アクリルスタンド、フィギュアなど、多様な形式のアニメグッズがあった。北京国際アニメフェスティバルは、単純な展示イベントではなく、中国と海外のアニメ文化をつなぎ、産業の革新を推進する重要なプラットフォームに発展した。周知のとおり、日本のアニメ産業は早くから栄え、中国での初期のアニメ関連イベントはほとんど日本のアニメ作品一色だった。しかし現在では、日本アニメがメインではなく、中国、欧米など各地域のアニメとゲームを集めていたと共に、世界各国のアニメファンやアニメメーカーにとって、重要な交流と展示のプラットフォームの一つになったことだろう。