ライトノベルを原作とした人気作品『薬屋のひとりごと』。これまでアニメ化をはじめ、コミカライズ、脱出ゲーム、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとのコラボなど、さまざまなメディアミックスを展開する。


TVアニメは、第2期が2025年1月より放送され、7月に最終回を迎えた。なお、続編の制作も決定している。
いま話題のアニメのひとつであることは確かだが、果たしてその人気具合はどのようなものなのか?

例えば、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでのイベントであれば、テーマパーク自体も楽しみの目的とした若者が多く足を運ぶことだろう。作品の世界観を堪能しながら、壬氏と猫猫とグリーティングができるのもイマドキの推し活であるといえる。

そんなファン層を思い描いていた矢先、たまたま訪ねた祖母の家で発見したのは……『薬屋のひとりごと』のマンガ!
思わぬファンが身近にいたことに驚きつつも、祖母に話を聞いてみることにした。

「アニメをきっかけにハマって、本屋でも見つけて集めたの」と、1冊ならず既刊がどさりと出てくる。思えば祖母は、元々マンガや小説が好きな“読書好き”であった。「ねこぱんち」を読んでいたときは、猫好きだから猫のマンガを読んでいるのだな……と思っていたが、まさか“猫猫”までとは……。

「猫猫がかわいいんだよね~。頭がよくて、謎もどんどん解いてね」

「うんうん、あと壬氏様も女性人気が高いよ」

「あ~壬氏様もかっこいいね。異国な世界が漂う感じも見ていて面白いよ」

「中国みたいな国で、建物とかもすごく凝った造りをしてて見ちゃうよね」

「そうそう。映像もすごいきれいだね。
宮中が舞台で、王妃とか武官とかたくさんの人物が入り組んでて、上下関係や継承問題があるから、いろいろと事件も出てくるのよ」

キャラクターはもちろん、赤川次郎などのミステリ小説も愛読していた祖母に、ミステリ要素のあるストーリーがハマるのも筋が通る。さらには、以前は製薬会社に勤めていたので、もはやこれは何かの“縁”なのかもしれない。

「ところで、アニメはなんで見始めたの?」

「深夜のアニメはよくボーッと見てるの。薬屋のほかにも……転生してスライムになるやつとか、あとスパイ家族(すぱいかぞく)も見てた」

なんと、祖母はほかにもアニメを多数視聴しているらしい。ただ、かなりのアニメ好きというわけではなく、寝る前の23時~24時の時間帯にテレビを見ていて、そこでなんとなく視聴しているのがアニメだった、というふうに感じた。

最近では地上波放送タイミングで見る視聴者よりも、配信サイトで翌日、もしくは話数が溜まってから見るという人も多いだろう。
しかし、配信サイトよりもテレビ派である高齢層には、ゴールデンタイム以降は意外にもアニメを見る機会にもなっているようだ。

祖母と世間話のほかに趣味の話ができるうれしさとともに、年齢的に夜更かしはほどほどにしてほしいな……という複雑な思いが混じり合った出来事だった。
編集部おすすめ