2025年11月7日(金)21時より、日本テレビ系「金曜ロードショー」にて『おおかみこどもの雨と雪』が放送される。細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』が11月21日より公開されることを記念し、4週連続で細田監督作品を放送する“細田守月間”となる11月の1週目の作品だ。この記事では『おおかみこどもの雨と雪』の作品概要やあらすじ、関連情報などをまとめて紹介する。『おおかみこどもの雨と雪』とは/美しい自然を舞台に一生懸命に生きる、母と子の感動物語―あらすじ紹介『おおかみこどもの雨と雪』は、1991年に東映動画(現・東映アニメーション)へ入社し、アニメーターを経て1999年に『劇場版デジモンアドベンチャー』で映画監督としてデビューした細田監督が、その後独立してフリーとなり手掛けたオリジナル長編アニメーションの第2作だ。国内外で注目を集めるきっかけとなった『時をかける少女』、『サマーウォーズ』はマッドハウスの制作によるもの。2012年公開の本作が、細田監督が所属するアニメーション映画制作会社「スタジオ地図」が設立されて初めての作品となった。主人公となるのは、恋した男がたまたま“おおかみおとこ”だった1人の女性だ。彼女が恋愛・結婚・出産・子育てを通じて成長する姿と、2人の間に生まれる2人の“おおかみこども”の「雨」と「雪」の姉弟が特別な生い立ちが故に悩み、傷つきながらも自分の生きる道を見つけて自立していく姿を描く、母と子の感動物語が繰り広げられる。作品公式サイトでは、これについて「およそ2時間の映画で13年間という『時間』を丸ごと描き出すという、アニメーションだからこそ実現可能な試み」であると紹介する。その中で人生の様々な局面において、親として、あるいは子として、どのような選択をするのか。そんな誰しもが直面するリアルで普遍的なテーマを、“おおかみおとこ”と人間の間に生まれる“おおかみこども”というファンタジックな設定を用いて描いたのが本作なのだ。アニメ!アニメ!ではその公開後、2013年のBlu-ray・ DVD発売直前に細田監督、発売後に齋藤優一郎プロデューサーへのインタビューをそれぞれ行っていた。細田監督、齋藤プロデューサーともに、2013年時点での次回作や今後への展望も語っているので、それから12年を経た現在、その後の細田作品・スタジオ地図を踏まえて改めて目を通してみると面白いかもしれない。あらすじ大学生の花は、彼と出会ってすぐに恋に落ちた。やがて彼が人間の姿で暮らす“おおかみおとこ”だと知ることになったが、花の気持ちが変わることはなかった。そして一緒に暮らし始めた2人の間に、新たな命が生まれる。雪の日に生まれた姉は「雪」、雨の日に生まれた弟は「雨」と名づけられた。雪は活発で好奇心旺盛、雨はひ弱で臆病な性格をしている。一見ごく普通の家族だが、生まれてきた子どもたちは、「人間とおおかみ」のふたつの顔を持つ“おおかみこども”だった。そのことを隠しながら、家族4人は都会の片隅でひっそりと暮らし始める。つつましくも幸せな毎日は永遠に続くと思われたが、しかし父である“おおかみおとこ”の死によって突然奪われてしまう。取り残された花は、打ちひしがれながらも「2人をちゃんと育てる」と心に誓う。そして子どもたちが将来「人間か、おおかみか」をどちらでも選べるように、都会の人の目を離れて、厳しくも豊かな自然に囲まれた田舎町に移り住むことを決意する――。スタッフやキャストについて/細田作品の常連&あの名優や人気声優の出演も!そんな本作の脚本は、『八日目の蝉』で「日本アカデミー賞」の最優秀脚本賞を受賞し、本年最大の話題作『国宝』でも脚本を務めている奥寺佐渡子が細田監督と共同で執筆した。キャラクターデザインは、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズなどでお馴染みであり、細田作品には『時をかける少女』、『サマーウォーズ』に続く参加となった貞本義行によるものだ。キャストは、“おおかみこども”の母である主人公・花役を宮崎あおい(崎は「たつさき」)、その夫となる“おおかみおとこ”役を大沢たかおが務めた。宮崎は、本作に続いて細田監督が手掛け、来週放送される『バケモノの子』にも少年期の主人公・九太役で出演しており、劇場アニメの出演作にはそのほか『銀色の髪のアギト』、『カラフル』、『かがみの孤城』などがある。大沢はアニメファンにとっては、近年は実写映画『キングダム』シリーズの王騎役でよく知られているのではないだろうか。また“おおかみこども”のうち、少女期の姉・雪役は『バケモノの子』で少年期の一郎彦役、『未来のミライ』でミライちゃん役とその後の細田作品でも重要な役どころを担う黒木華が演じる。少年期の弟・雨役を担当した西井幸人は、その後TVドラマ『仮面ライダーエグゼイド』や実写映画『刀剣乱舞』の第1作である『映画刀剣乱舞-継承-』などに出演していると聞くと、驚く人もいるのでは。キャストはこのほか、雪の小学校の担任である田辺先生役を、『バケモノの子』、『竜とそばかすの姫』(こちらは再来週放送だ)とその後の細田作品にも数多く参加し、最新作『果てしなきスカーレット』にも出演する染谷将太が務めている。花の近所に住み、なにかと気にかけてくれる老人・韮崎役で存在感を放つのは、『仁義なき戦い』シリーズや『トラック野郎』シリーズなどを遺した名優・菅原文太だ。さらに劇中、物語の鍵を握る出来事が起こるきっかけをもたらす少年・草平(声・平岡拓真)の母役として、『エヴァンゲリオン』シリーズの綾波レイ役や『名探偵コナン』の灰原哀役、『らんま1/2』のらんま役などで人気を博す林原めぐみも出演しているので、出番ではぜひ耳を澄ませてみたい。“『果てしなきスカーレット』とも共通するテーマも”細田監督&宮崎あおいからコメントが到着!/新情報やオープニングも見どころこのたびの「金曜ロードショー」での放送にあたり、細田監督と宮崎からはそれぞれコメントも届いた。細田監督は本作について、最新作とも関連させて「『おおかみこどもの雨と雪』は、初めて親子というものを正面から描こうとした作品です。親の子どもへの愛情があって、子どもが育って…そして別れがある。その意味では『果てしなきスカーレット』とも共通するテーマもあります」と述べている。また宮崎は「今でもよく、おおかみこどもが好きですと声をかけていただくことがあります。当時観てくださった方も、置かれた環境が変わった中でこの作品にもう一度触れてもらえたらグッとくるシーンが増えているのではないでしょうか」と、この機会に改めての鑑賞となる視聴者の楽しみが膨らむようなコメントを寄せた。さらに番組の後半では、スタジオ地図・細田監督の最新作である『果てしなきスカーレット』の新情報も発表になるとのこと。いまだベールに包まれている、音楽についての新しい情報が伝えられるので楽しみに待とう。そして4週連続の細田監督作品の放送を記念して、スタジオ地図制作の番組オープニングがスペシャルバージョンになるのも見どころだ。『果てしなきスカーレット』と4週連続で放送される作品がコラボレーションを果たすとのことで、冒頭から目が離せない。日本テレビ系「金曜ロードショー」の“細田守月間”1週目の作品となる『おおかみこどもの雨と雪』は、本日11月7日(金)21時より放送される。 細田監督これまで映画をずっと作り続けてきて、皆さんの支持があって次が作れるという作り方をしてきました。だから今回『果てしなきスカーレット』ができたのは、皆さんが支持してくださってきたからこそだと思います。こうして大きな作品にたどり着けたのは、皆さんの支持があったから実現したので、ありがたく思います。支持してくれた皆さんに楽しんでもらえるように、『果てしなきスカーレット』はこれまでよりもさらにスケールの大きな映画になったので、ぜひ楽しんで頂ければと思います。『おおかみこどもの雨と雪』は、初めて親子というものを正面から描こうとした作品です。親の子どもへの愛情があって、子どもが育って…そして別れがある。その意味では『果てしなきスカーレット』とも共通するテーマもあります。新作『果てしなきスカーレット』が公開となるこのタイミングで、作品を見てくださる輪が広がっていけば嬉しく思います。ぜひ4週連続で「金曜ロードショー」をお楽しみください!宮崎あおい(崎は「たつさき」)今でもよく、おおかみこどもが好きですと声をかけていただくことがあります。当時観てくださった方も、置かれた環境が変わった中でこの作品にもう一度触れてもらえたらグッとくるシーンが増えているのではないでしょうか。大きな愛情がたっぷり詰まった細田監督の作品を是非楽しんでください。【放送日時・作品情報】11月7日(金)よる9時00分~11時24分 ※放送枠30分拡大『おおかみこどもの雨と雪』(2012)※本編ノーカット◆監督・脚本・原作:細田 守 ◆脚本:奥寺佐渡子 ◆キャラクターデザイン:貞本義行◆作画監督:山下高明 ◆美術:大野広司 ◆CGディレクター:堀部 亮◆色彩設計:三笠 修◆声の出演花:宮崎あおい(崎は「たつさき」)彼(おおかみおとこ):大沢たかお雪:黒木華(少女期)/大野百花(幼年期)雨:西井幸人(少年期)/加部亜門(幼年期)草平の母:林原めぐみ細川:中村正山岡:大木民夫韮崎のおばさん:片岡富枝草平:平岡拓真田辺先生:染谷将太土肥の奥さん:谷村美月堀田の奥さん:麻生久美子韮崎:菅原文太【今後の放送ラインナップ】◆今夜9時『おおかみこどもの雨と雪』※本編ノーカット◆11月14日よる9時『バケモノの子』※本編ノーカット◆11月21日よる9時『竜とそばかすの姫』※本編ノーカット◆11月28日よる9時『時をかける少女』※本編ノーカット(C)2012 W.C.F.P