日本では毎年、数多くのアニメが世に送り出されています。その豊富なラインナップを支えているのが、原作となるマンガの存在です。


2025年は『タコピーの原罪』や『光が死んだ夏』、『野原ひろし 昼メシの流儀』、『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』など、マンガ原作のアニメが制作されています。好きなタイトルの映像化を期待しているファンも多いことでしょう。

そこでアニメ!アニメ!では、2025年上半期に引き続き「アニメ化してほしいマンガは?(2025年下半期)」と題した読者アンケートを実施します。
まだアニメ化されていない作品・アニメ化が決定していない作品を対象とし、連載が続いている未完結作品部門と、すでに最終回を迎えた完結作品部門の2部門に分けました。
11月22日から12月1日までのアンケート期間中に155人から回答を得ました。男女比は男性約45パーセント、女性約55パーセントで、ほぼ同数。年齢層は19歳以下と30代がそれぞれ約25パーセント、40代が約20パーセントでした。

本記事では完結作品部門の結果を発表します。

■完結作の“今こそ”映像化希望!

今回のアンケート結果では、読者コメントをピックアップしてご紹介します。

まず今年の話題や世相と結びつく要素のあるタイトルを挙げる声が届いています。
たとえば『國崎出雲の事情』は歌舞伎の女形を主人公とした物語で、2010年から2014年にかけて「週刊少年サンデー」にて連載されました。

読者からは「映画『国宝』が大ヒットし、歌舞伎に注目が集まっている今だからこそアニメ化してほしい作品。
歌舞伎の演目について知ることができますし、華やかな衣装も魅力的です」や「連載当時の少年誌で、同性からの好意や恋愛感情を描くのは珍しかったはず。今は時代の空気も変わってきたので、改めてアニメで見てみたいです」と、時期を踏まえた期待が寄せられました。

『DC×ソニック・ザ・ヘッジホッグ』は、DCコミックスのヒーローと、ゲーム「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のキャラクターたちが競演を果たしたアメリカンコミックです。
「セガの人気ゲームからはソニックやシャドウ、DCコミックスからはジャスティス・リーグやバットマンが参戦。夢のコラボをアニメでもぜひ」とのコメントがありました。近年では『ソニック×シャドウ TOKYO MISSION』や『ニンジャバットマン対ヤクザリーグ』が発表されるなど、両シリーズは映像化が多いだけに、クロスオーバー作品のアニメ化も望まれているようです。

転生要素のあるタイトルも人気です。
『よくある令嬢転生だと思ったのに』は、小説の世界に入り込んでしまった主人公が、バッドエンドを回避するために奮闘するファンタジー。「タイトル通り“よくある”展開と思いきや、主人公が想像以上に苦労するのが意外で面白かったです。転生したヒロインが現状を変えていけるのか、毎回ドキドキします」と、予想を裏切るストーリーが話題に。

『花火は醒めない夢をみる』は、婚約者に裏切られて処刑された公爵令嬢が、現代日本の女子高生に転生してしまう物語。「現代日本から異世界へ転生する作品は多いですが、その“逆”は意外と珍しいのでは。
いじめられっこに生まれ変わってしまう展開も含めて、先が気になりました」と、切り口の新鮮さを推す声がありました。

『もう一度、光の中へ』は冤罪で死罪となった主人公が、敵国の皇女に生まれ変わって幸せを掴もうとする物語。「転生先の父や母、兄たち、家族の愛情深い描写が、酷い扱いを受けていた前世との対比でいっそう胸に沁みます。動きと声がついた映像で、幸せいっぱいな姿を見てみたい」と、同一の世界で生まれ変わる作品にも票が入っています。

アニメ作品と関連する作家のタイトルに注目する読者も。
『大科学少女』には「今年アニメ化された『瑠璃の宝石』の渋谷圭一郎先生のデビュー作。さまざまなジャンルが入り混じった“大科学部”の日常を描く、理系ごった煮のサイエンスコメディです」。

『初恋*れ~るとりっぷ』には「高校の鉄道部が舞台で、原作完結後も地元の電鉄会社とコラボイベントを行うなど、人気が続いている名作です。作者の永山ゆうのんさんが、キャラクターデザインのひとりとして活躍した『Summer Pockets』もアニメ化されるなど、盛り上がりを見せています」。

『左門くんはサモナー』には「連載1話目からどハマりしました。カス虫とまで呼ばれる主人公なのに、召喚術士としては一流なところがカッコいいし、ギャグのテンポも抜群。アニメ化が決まった『超巡!超条先輩』と同じ世界の作品なので、その勢いに乗ってぜひ映像化してほしい!」といったコメントが寄せられています。


■そのほかのコメントをご紹介!

『自殺島』には「自殺常習者が流刑された島での過酷な生活を描く本作は、生と死について深く考えさせられます。作中には調理法などのサバイバル技術も登場し、僕も影響されて干し肉を作ってみました」。

『アビスレイジ』には「『少年ジャンプ+』連載作がアニメ化される機会が増えているから。盲目の少年が古武術を駆使して戦う作品で、戦闘シーンは絶対にアニメ映えするはず」。

『深東京』には「デスゲームものですが、敵にも味方にも感情移入できるキャラクターが多く、読み進めるほど衝撃的な展開が待っていて、ページをめくる手が止まらない」と、多彩なタイトルに投票がありました。

完結作品編では、単なる人気作だけでなく、時代の空気や映像映えまで見据えた、今こそ推せる作品が目立つ結果となりました。下記には複数投票があったタイトルを掲載しています。

■複数投票があったタイトルを紹介

[アニメ化してほしいマンガは?【完結作品編】2025年下半期版]
『國崎出雲の事情』
『DC×ソニック・ザ・ヘッジホッグ』
ウルトラマン×アベンジャーズ』
『初恋*れ~るとりっぷ』
『WILD HALF』
『モンスターハンター』
『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』
『黒焔の王ゼルク』
『紡ぐ乙女と大正の月』
『魔界の主役は我々だ!』
『末永くよろしくお願いします』

(回答期間:2025年11月22日~12月1日)
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