ついに待望の放送が開始されたアニメ『葬送のフリーレン』第2期。

その幕開けを飾るオープニング(OP)映像は、圧倒的なクオリティと物語への深い愛が込められた、まさに「ファン号泣」の仕上がりであった。
楽曲と演出、そして作品の世界観が完璧に溶け合った映像は、放送直後から大きな話題を呼んでいる。

新たな旅の幕開けを告げる「神OP」の衝撃
第2期の新たな顔となる主題歌を担当したのは、幅広い世代から支持を集めるMrs. GREEN APPLEだ。タイトルは「lulu.」。当初、その華やかで現代的な音楽性が、穏やかで落ち着いたファンタジー世界である本作とどのように融合するのか、ファンの声も期待と不安が入り混じっていた。しかし、実際に映像と共に流れた瞬間、その疑念は感動へと塗り替えられる。疾走感溢れるメロディの中に、どこか切なさと温かさが共存する楽曲は、時を駆けるエルフであるフリーレンの心情を鮮やかに代弁。良い意味で視聴者の予想を裏切る「神OP」としての衝撃を与えた。

映像演出に隠された「時間」と「孤独」の表現
映像演出における最大の見どころは、第1期から積み上げられてきた「記憶」と「継承」の対比である。特に視聴者の涙を誘ったのが、半世紀(エーラ)流星群を背景にしたカットだ。夜空を彩る流星は、人間にとっては一生に一度の奇跡のような光景だが、悠久の時を生きるフリーレンにとっては、一瞬で通り過ぎる短い光の線に過ぎない。

この演出で驚くべきは、半世紀流星群が2回分の歳月が描かれている点だ。かつてヒンメルたち勇者一行と眺めた1回目、そして50年後の約束を果たし、老いたヒンメルと見届けた2回目。
星が流れ、隣にいた仲間たちが歳月を重ねた姿になる一方で、一人だけ変わらぬフリーレンがそこに佇んでいる。どこか胸を締め付けられるようなこの描写はとてつもなくエモい。

また、風に舞う「たんぽぽの綿毛」は、ヒンメルやフリーレンたちが各地で蒔いてきた想いが、また他の誰かへと紡がれていく未来を表現しているようにも見えた。

「蒼月草」が繋ぐ過去と現在、そして孤独からの解放
映像の終盤にかけて展開される演出は圧巻の一言に尽きる。真っ白な虚無のような背景の中にポツンと一人立つフリーレンの姿は、一見すると孤独そのものに見える。そこに舞い降りたのは、ヒンメルの故郷に咲く花である「蒼月草」。そして、フリーレンの“背中越し”に花畑が鮮やかに咲き誇る。フリーレン自身は気づいていないかもしれないが、彼女にはヒンメルからもらった「花冠」の記憶や、多くの人々に支えられた温かな時間が存在しているのだ。直後に現在の仲間であるフェルン、シュタルクへと視線が移り変わることで、孤独からの解放というメッセージが表現されている。

「忘れないように」の叫びが呼び起こす記憶
「lulu.」のサビで響き渡る「忘れないように」という切実な叫びは、まさにフリーレンの心の奥底にある願いそのものだ。この歌声に合わせるように、かつての勇者一行との何気ない旅の記憶が一瞬の閃光のように次々と映し出される。第1期を知る視聴者にとって、それらは過去の振り返りではなく、今も彼女の中で生き続ける大切な宝物であることを思い出させる。
かつての仲間を想いながら、今はフェルンやシュタルクと新しい景色を見つめる姿…。その歩みそのものが楽曲のフレーズと重なり合い、胸が熱くなるような一体感を生んでいるのだ。

この数分間に凝縮された演出の密度は、制作陣がいかに原作を読み込み、ファンが何を求めているかを理解している証明に他ならない。細部までこだわった色彩、キャラクターの視線の動き、そしてMrs. GREEN APPLEの「lulu.」とのシンクロ。フリーレンの旅はまだ終わらない。その一歩一歩を、視聴者は思わず涙がこぼれそうになるこの美しい映像と共に、心に焼き付けていくことになるだろう。

■TVアニメ『葬送のフリーレン』第2期

<スタッフ>
監督:北川朋哉
副監督:原科大樹
監督協力:斎藤圭一郎
シリーズ構成:鈴木智尋
キャラクターデザイン:高瀬丸 小嶋慶祐 藤中友里
コンセプトアート:吉岡誠子
デザインワークス:小橋弘侑 原野瑠奈 瀬口泉 原科大樹
美術監督:高木佐和子
美術設定:杉山晋史
色彩設計:大野春恵
3DCGディレクター:今垣佳奈
撮影監督:伏原あかね
編集:木村佳史子
音響監督:はたしょう二
音楽:Evan Call
オープニングテーマ:「lulu.」Mrs. GREEN APPLE
エンディングテーマ:「The Story of Us」milet
アニメーション制作:マッドハウス

<キャスト>
フリーレン::種崎敦美(崎は「たつさき」)
フェルン:市ノ瀬加那
シュタルク:小林千晃
ヒンメル:岡本信彦
ハイター:東地宏樹
アイゼン:上田燿司
南の勇者:井上和彦
(C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
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