TVシリーズが人気を博し、劇場版公開も決定した『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』。1話約3分半というショートアニメでありながら、密度の高い世界観やキャラクターの魅力、先が気になる展開などが話題となりました。


チハル役・寺澤百花さんと、マキナ役・永瀬アンナさんも反響の大きさを実感していた様子。「劇場版は、より深く『ミルキー☆サブウェイ』を知れる仕上がりになっている」と、ファンには嬉しい情報も教えてくれました。

今回は『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』公開に向けて実施された、寺澤百花さんと永瀬アンナさんのインタビューをお届け。チハルとマキナの関係性についても、魅力をたっぷり語っていただきました。

[取材・文=ハシビロコ 撮影=Ishi You]

■「絶対に映画館でやるべき!」抱き続けた想いがついに!
――『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』の公開が決まったときの心境はいかがでしたか?

寺澤 劇場版の情報解禁そのものが、私たちにとってサプライズでした。「アニメ『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』 #YouTubeAnimeWeek スペシャル特番」の終盤で亀山監督が「そういえば劇場版が決まりました!」と急に言ったんです。まったく知らなかったので驚いている姿が映像に残ってしまいました(笑)。

でも、ファンとしても純粋にうれしかったです。あの世界観をまた劇場で見られるなんて! 視聴者の皆さんと同じく、わくわくしながら公開を待っています。

永瀬 『ミルキー☆サブウェイ』の台本や映像を初めて見たときから、この作品はとても映画向きだと思っていました。ところどころに、映画が好きな人しかやらないような演出がありますし、キービジュアルも80年代の映画風。「絶対に映画館でやるべきだよなぁ」と思っていたので、実現してとても嬉しかったです。


――TVシリーズ放送時は、毎週SNSで多くの考察や感想が投稿され、話題になっていました。おふたりのもとにも反響は届いていましたか?

寺澤 SNSに考察やファンアートがたくさん流れてきましたし、プライベートや現場でも「『ミルキー☆サブウェイ』見たよ!」と言われることが多かったです。なかには私が出ていることを知らずに見ていた人もいて。「私はすごい作品に出たんだ!」と実感しています。

とくに本編後半にかけて、「この先はどうなるの!?」と口コミが口コミを呼んで盛り上がっているのも伝わってきました。キャラクターの魅力も後半になるにつれてどんどん出てきていたので、そういった部分に魅了された人が多かったのかもしれません。

永瀬 私も多くの人から「すごくおもしろかった!」と言われました。音響監督や監督、演出などクリエイターさんから反響があったのも印象的で。「すごくおもしろいアニメーションがあるんだね」と言ってくださいました。

SNSではファンアートなどがたくさんあってうれしいですし、「皆ずっと描いていてね!」と思っています。収録中から「この楽しさを早く共有したい!」と思っていたので、大きく昇華された作品になってよかったです。

■劇場版は「より深く『ミルキー☆サブウェイ』を知れる」!?
――劇場版で注目してほしいポイントを教えてください。


寺澤 新作パートです。本当に『ミルキー☆サブウェイ』らしさが詰まっていて、「これだよこれ!」とうれしくなりました。より深く『ミルキー☆サブウェイ』を知れる仕上がりになっていると思うので、楽しみにしていてください。

永瀬 TVシリーズのときから音楽も絵作りも映画に向いている作品だったので、そうした部分に注目してほしいです。しかも新作パートを見ると、さらに解像度が上がります。「このキャラはこのシーンで何をしていたのだろう?」という余白を少しずつ埋めているので、作品やキャラクターを、よりおもしろく深掘りできるはずです。

――『ミルキー☆サブウェイ』はセリフ回しや会話のトーンが独特な作品です。収録の様子はいかがでしたか?

寺澤 全体的なディレクションとして「お腹に力を入れない、だるいしゃべり方で」と言われました。アニメーションの現場ではなかなかいただかないディレクションですよね(笑)。とにかく普段通りのトーンで、「アニメっぽい芝居にしない」ことを求められたんです。1話目のテストでは難しさを感じましたが、亀山監督から「チハルは寺澤さんそのままのしゃべり方で大丈夫です」と言われ、一気に演じやすくなりました。「自分がこの台詞を言うとしたらこうなるだろう」と考えられるようになって。
話数を重ねるごとに自分とチハルが一緒になれたような気がしました。亀山監督の一言は、チハルを演じやすくしてくれた魔法の言葉ですね。

永瀬 ディレクションで印象的だったのは、地声でしゃべることと、その場のノリを大切にすることです。台本を読んでいるだけではダメで、その場の空気感やお互いの声を聞いて感じる変化を取り入れていきました。

完成した映像を見たとき、自分たちのお芝居に丁寧に沿って絵作りをしてくださったことが伝わってきて。だからこそ従来のアニメとは違う雰囲気が出ているのだと感じました。

――本作は、声の収録をしてから映像を作る「プレスコ」で制作されています。完成した映像を見た感想はいかがでしたか?

永瀬 『ミルキー☆サブウェイ』は演技をもとに、とても正確に映像が作られていて驚きました。ぐだぐだな口の動きまで表現していますし、呼吸をしているときの身体の揺れもわかります。完成まですべてを見越してのディレクションだったことに感動し、納得もしました。

寺澤 亀山さんも「映像を芝居のほうに寄せていきました」とおっしゃっていて。完成した映像を見て、本当にその通りだと思いました。
リアリティーがありますし、歩き方やまばたきの仕方、首の動きもキャラクターごとに違って個性が出ています。おかげで「この子たち、生きてる!」と自然と感じられました。絵作りのディテールもとても感動しましたし、私たちの芝居をここまで受け取ってくださってうれしかったです。

永瀬 リアルさや身近に感じる芝居感など、プレスコのよさも全部出ていますよね。監督、そして私たちの演技が互いに作用して、おもしろい作品になったと思います。

■真反対だからこそ心地よい!チハルとマキナの関係性
――チハルとマキナの関係性の魅力を教えてください。

永瀬 全然違う2人だからこそ、おもしろいですよね。演じている声優の私たち2人も持っているものが違うからこそ、小気味よい会話につながったと思います。

寺澤 真反対の2人だけれど、需要と供給は一致しているというか。チハルを常に支えてあげるマキナと、助けてもらって「ありがとう」と思うチハル。2人の気持ちが相性よくかみ合って長く付き合ってきたのだろうな、と感じました。真反対でデコボコなところが、ちょうどよくハマっているのかもしれません。


永瀬 2人の関係性が反映されたシーンもたくさんあったよね。

寺澤 とくに3話で取り調べを受けているシーンは印象的でした。マキナはチハル以外とは仲良くできないし、ダメだとわかっていることでもチハルには止める力がありません。だから何度も逮捕されてきたのだとわかります。そんな2人ですが、11話や12話では成長が感じられましたよね。「皆と一緒に戦って危機を脱出しよう」というチハルの想いをマキナが受け取って、全員で協力して戦う。全12話のなかでよくここまで成長したな、と思いました。

永瀬 『ミルキー☆サブウェイ』はコメディやギャグのように軽やかに見えますが、わりとドロッとした部分もある作品だと感じていて。マキナは大変なことをやっていても、チハルのためなら嫌でも苦でもないと思うんです。だから何でもやってあげちゃう。チハルはそれがうれしいし、マキナの歯止めになることも受け入れてくれています。そのグダグダさが心地いいから、2人はずっと変わらなかったんです。
共依存とは少し違うかもしれませんが、執着じみたところもあったのかな、と。その関係性が、後半にかけてさまざまな人と関わることで変わっていった気がします。

――演じているキャラクターと、ご自身を重ねて共感できる部分はありますか?

寺澤 周りに助けてもらう機会が多い人生を送っていることと、子どもっぽい部分はすごく「わかるなあ」と思います。私の友達はマキナっぽくはないものの、いつも私を気にかけてくれるんです。恥ずかしい話ですが、お寿司を食べていて私が醤油を袖につけてしまったときに、「もう~」と言いながら拭いてくれるとか(笑)。こういう友達が周りにいるのは、チハルとの共通点なのかな、と思います。

永瀬 大胆なところはすごく似ている気がします。マキナのオーディションのとき、私はもっとコミカルなキャラ感で役を作っていったんです。その演技でオーディションを通過したのに、スタジオでは「もっと自然に演じてください」と、まったく違うことを言われて(笑)。何でもやってやる!とマキナのように反骨心みたいなものが出てきたんです。自分の意思がはっきりしていたりするところも似ています。もちろん私はヤンキーではないですけどね(笑)!

■あらためて伝えたい『ミルキー☆サブウェイ』の魅力とは?
――『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』をまだ見ていない人に布教するとして、おすすめしたいポイントを教えてください。

永瀬 “日常”をおもしろおかしくアニメにしているので絶対見てください、と伝えたいです。自分たちが当たり前のように思っている行動や反応がアニメになっているので、「客観視するとこんなにおもしろいんだ」と気付くかもしれません。実写に近い作り方もしているので、普段はアニメを見ない方でも視聴しやすい作品かと思います。あと、キャラクターが最高です!

寺澤 世界観がおもしろくて、古さも新しさもあります。私自身、「新しいものを見たな」という感覚がありました。会話劇も新鮮でシュールですし、自然と引き込まれていくはずです。まずは1話を見ていただければすべてがわかると思います!

――劇場版公開を楽しみにしているファンに向けて、メッセージをお願いします。

寺澤 『ミルキー☆サブウェイ』がたくさんの人から愛される作品になって、とてもうれしく思っています。劇場版では新作パートも入って、さらにキャラクターを愛する理由ができるはずです。この世界観を、映画館の大画面と音響で何度も楽しんでください!

永瀬 最初に言ったように、私は『ミルキー☆サブウェイ』は映画化するべき作品だと思っていました。音楽や映像、お芝居を、余すところなく映画館の大音量と大画面で味わってください。大きな画面で見ることで新しい発見もきっとあると思うので、楽しんでいただけたらうれしいです!

『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』
2026年2月6日(金) 公開

■スタッフ
原作・監督・脚本・キャラクターデザイン・音響監督・制作:亀山陽平
企画制作:シンエイ動画 製作:タイタン工業
配給:バンダイナムコフィルムワークス

■キャスト
チハル:寺澤百花、マキナ:永瀬アンナ、リョーコ:小松未可子、アカネ:金元寿子、カナタ:小市眞琴、カート:内山昂輝、マックス:山谷祥生、O.T.A.M.:藤原由林、アサミ:小野賢章、ハガ:ロバート・ウォーターマン

■音楽
主題歌:キャンディーズ「銀河系まで飛んで行け!」
挿入歌:水無瀬ミナミ(CV.田村ゆかり)「ときめき★メテオストライク」
プロモーション楽曲:MindaRyn「Altair and Vega」

(C)亀山陽平/タイタン工業
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