四宮義俊初の長編アニメーション監督作で、第76回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に選出された『花緑青が明ける日に』が3月6日(金)より全国公開。 この度、ストップモーション&特殊シーンメイキング写真が公開された。


物語の舞台は創業330年の花火工場・帯刀煙 火店。再開発による立ち退きの期限が迫る中、幻の花火<シュハリ>とそこで育った若者たちの未来をめぐる2日間の物語を描き出す。
なお、映画タイトルにある“花緑青(はなろくしょう)”とは燃やすと青くなる緑色の顔料で、かつて花火の材料に使われていたが、美しさと引き換えに毒性を含むことから幻となった。

本作で声優初挑戦となる若手実力派俳優の萩原利久と古川琴音がW主演を務め、等身大かつ瑞々しい演技で命を吹き込む。さらに、時代を代表する傑作を彩り続ける入野自由と、数々の話題作で圧倒的な存在感を放つ岡部たかしが脇を固める。

本日2月12日より開幕した第76回ベルリン国際映画祭では、『千と千尋の神隠し』『すずめの戸締り』に続くアニメ映画のコンペティション部門に選出され、本年コンペ部門唯一の日本映画。また、長編監督デビュー作がコンペ部門に選ばれるのは日本のアニメーション作品初の快挙だ。

フランスの気鋭スタジオ Miyu Productions との日仏共同製作となる本作は、日本画家出身・四宮義俊監督 による圧倒的な色彩美はもちろん、ストップモーション・アニメーションやマルチプレーン・カメラを使った特殊シーンなど手仕事による伝統的な手法を用いた異色の表現が自在に入り混じる、唯一無二の映像表現にも注目だ。

この度公開されたのは、本作の大きな見どころのひとつであるストップモーション・アニメーションシーンと特殊シーンのメイキング写真。

ストップモーション・アニメーションとは、「ピングー」や「ひつじのショーン」などで知られる、モチーフを少しずつ動かし、ストップモーション(コマ撮り)技術を用いて撮影する技法。帯刀煙火店の立ち退き前夜に幻の花火<シュハリ>を打ち上げるための作戦会議をするシーンで効果的に使われている。物語の舞台である帯刀家周辺をダンボールで再現したミニチュアセットや人間に見立てた麻雀牌がストップモーションで生き生きと動き出し、アニメと実写の映像が入り混じることで、現実と虚構の境界を軽やかに行き来する世界が展開する。


ストップモーション・ディレクターのヴィクトル・アジュランは、 麻雀牌を用いたキャラクター表現について「そもそも麻雀牌という四角い物体を、生き物のように見せるというミッションは大きな挑戦でした」と振り返る。

また、作中で印象的に描かれる“酒”の表現についても、透明な瓶やグラスの中で歪んで見える液体を表現するため、実際の液体ではなく透明な粘土を使って微細な動きをコントロールするという独自のアプローチを明かした。

さらに、水中・宇宙・花火シーンの特殊映像を手がけた SUKIMAKI ANIMATION の鋤柄真希子は、マルチプレーン・ カメラという特殊な撮影手法を使うアーティスト。宇宙の表現について「深海を舞台にした過去作で直接光やブラックライトなどを試した応用で、丸い穴を空けた素材を重ねて動かすことでモヤモヤした光を表現したり、スポンジに粉状のパステルをつけて黒い紙に塗っています」とコメント。

また、先日公開された本予告映像冒頭のカオルが水中に飛び込むシーンについては「透明なジェルを使って反立体の泡などを作成し、撮影しています。四宮監督からはディズニーアニメ『ピノキオ』の水中シーンでの画面全体が揺らめくような表現をやりたい、と リクエストをいただき、樹脂で波ガラスのようなフィルターを作ってカメラの前に置きました」と四宮監督とのやりとりについて振り返った。

本作で監督・脚本を務めた、日本画家出身の四宮監督は、こうした多層的な表現について「まったく異なる素材が生のまま並んでいる“異物感”の ある組み合わせが昔から好きなんです」と明かす。岩から削り出した粒子 などの無機物を、膠(ニカワ)という動物性の有機物で無理やり固めている日本画の構造から影響を受け、過去に手掛けた映像作品でもあえて実写とアニメーションが入り混じった映像作りを行ってきた。

異なる技法、異なる質感をあえて混ぜ合わせることで生まれる、他に類を見ない映像体験をぜひ映画館で新鮮な驚きとともに味わっていただきたい。

『花緑青が明ける日に』は3月6日全国公開。

<作品情報>
タイトル:『花緑青が明ける日に』(英題:『A NEW DAWN』)
公開表記:3 月 6 日全国公開
<CREDIT>
萩原利久 古川琴音
入野自由 岡部たかし
原作・脚本・監督:四宮義俊
主題歌:imase「青葉」(ユニバーサル ミュージック/Virgin Music)
キャラクターデザイン:うつした(南方研究所) 四宮義俊
作画監督:四宮義俊 浜口頌平 美術監督:四宮義俊 馬島亮子 音楽:蓮沼執太
色彩設計:四宮義俊 水野愛子 齋藤友子 岡崎菜々子 撮影監督:富崎杏奈 特殊映像:SUKIMAKI ANIMATION
ストップモーション映像:Victor Haegelin CG ディレクター:佐々木康太郎
編集:内田 恵 音響監督:清水洋史 録音・調整:太田泰明
音響効果:中野勝博 音響制作:東北新社 アニメーションプロデューサー:藤尾 勉
製作:A NEW DAWN Film Partners
制作:アスミック・エース/スタジオアウトリガー/Miyu Productions 配給:アスミック・エース
(c)2025 A NEW DAWN Film Partners
編集部おすすめ