■1期との鮮やかな対比で幕を開ける「旅の継続」
待望の第2期第1話は、制作陣の“原作理解度”の高さが光る素晴らしい仕上がりとなった。物語の幕開けは、馬車の上で繰り広げられる会話シーン。これは第1期第1話の冒頭を意識的にオマージュした構成であり、画面の構図を重ね合わせながらも、そこで語られる意味合いを180度転換させている。
第1期における馬車のシーンは、勇者一行の魔王討伐後の凱旋という「長く続いた旅の終わり」を象徴する寂しさをはらんでいた。しかし、今期の冒頭で描かれたのは「旅の継続」だ。資金不足を心配して次の仕事を探そうとするやり取りは、かつてのヒンメルたちの言葉をなぞりながらも、同じ未来を見据えて共に歩み続ける現在のパーティーの絆をより温かく描き出していた。今回はフリーレンもしっかり起きていて、未来を見つめている。たったそれだけの描写に、彼女が旅で得た「変化」が凝縮されており、胸を打たれた視聴者も多かったことだろう。
■アニメオリジナルで描かれた絶妙な「シュタルクいじり」
さらにファンの心を掴んだのが、アニオリ要素を交えて描かれた「シュタルクいじり」だ。第2期第1話の冒頭では、原作では何の変哲もない1コマだったシュタルクの魚釣りシーンだが、アニメで苦戦の末に釣り上げたのは期待を裏切るような「しょぼい魚」。それに対しフェルンが冷たい視線を送るのだが、シュタルクの“しょんぼり顔”がさっそく見られ、視聴者の笑いを誘う絶妙な開幕となった。
その後のシーンでも、アニメ独自の補足が光る。珍しく早起きしたフリーレンに対し、シュタルクがフェルンへ「ちゃんと褒めた?」と問いかけるセリフが追加されているのだ。以前、フリーレンが早起きした場面では、フェルンが「こういうときはしっかり褒めないと」と言い、2人でフリーレンを“接待”。この時シュタルクは「何これ……」と困惑していたが、今やこの日常を完全に受け入れて馴染んでいる。この何気ないやり取りに、彼らが過ごしてきた時間の積み重ねが感じられ、非常に感慨深い。
■洞窟での「受難」に見えた仲間の距離感
魔法を無力化する特殊な鉱物「封魔鉱」が充満する洞窟でのエピソードでも、制作陣の愛ある「いじり」は止まらない。魔法という力を奪われたからこそ、戦士シュタルクの頼もしさが際立つはずの場面だが、洞窟へ転落した際、魔法が使えないフリーレンとフェルンの下敷きになり、シュタルクが悶絶する表情は必見だ。
特筆すべきは原作からの意図的な変更点である。マンガではフリーレンが立ったままで状況説明をしていたが、アニメではシュタルクの上に座ったまま長々と話を続ける演出に変わっている。シュタルクが「早くどいて……」と苦しそうに懇願しているにもかかわらず、平然と解説を続けるフリーレン。このシュールな対比は、仲間への遠慮のない距離感を完璧に表現していた。
■「雑な逃走劇」から見えるヒンメル一行との違い
もちろん、シュタルクはいじられるだけの存在ではない。
また、魔物からの逃走シーンの演出も実に見事だった。ヒンメルがフリーレンを「雑」にかついだ過去回想に対し、シュタルクはフェルンを肩にかつぎつつ、フリーレンのほうは首根っこを掴みながら走るという「さらに雑」な逃げ方。この対比からは、今のパーティーがヒンメル一行よりも“泥臭くも温かい”感じが読み取れる。
■原作リスペクトを感じる「神アニオリ」
過去の記憶を繊細に重ね合わせ、フェルンがシュタルクからもらったブレスレットに触れて表情を緩ませるような細やかな所作に至るまで、アニメならではの補完が全編にわたって徹底されている。これら「神アニオリ」とも呼べる演出の積み重ねは、原作への深いリスペクトなしには成し得ないだろう。
勇者一行から受け継いだ精神が、今の仲間との旅でどう上書きされていくのか。第2期は始まったばかりだが、制作陣の溢れんばかりの「キャラ愛」を見る限り、その期待値は高まるばかりだ。
(C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
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