このたびアニメ!アニメ!では、万事屋の3人を演じる杉田智和(坂田銀時役)、阪口大助(志村新八役)、釘宮理恵(神楽役)にインタビュー。本作に込めた思いと、また『銀魂』と共に歩んだ20周年を振り返ってもらい、印象的な出来事などを語ってもらった。
[取材・文=米田果織 撮影=You Ishii]
■「吉原炎上篇」が16年の時を経て銀幕デビュー!最初は「信じていない」
――「吉原炎上篇」を完全新作で劇場アニメ化すると聞いた時、どう思われましたか?
杉田:信じてはいませんでした。大掛かりなドッキリを仕掛けられているのだと。ですが、その後に次々と新情報が明らかとなって、新監督、新音響監督、さらにスタッフさんも新しくなるということで、その方々に『銀魂』を好きになってもらうところからスタートしました。「アニメのここを見たほうがいい」「事前にあのゲームをプレイしたほうがいい」「制作会社に向かって1日3回祈ったほうがいい」など座学を行って……。
阪口:最後は明らかなウソですからね。
杉田:そうやって、悪い緊張感のない状態を作ってからのスタートでした。劇場アニメ化がウソでも本当でも、まず『銀魂』を好きな人が増えてくれたら……と思っていました。
阪口:そもそも情報を聞いたのが、かなり前だったんですよ。
釘宮:多分「ジャンプフェスタ」のステージ本番前とか。
阪口:その間にTVアニメ『3年Z組銀八先生』もあったからね。劇場版について考えるのは、その後にしようと。
杉田:僕は、バンダイナムコピクチャーズのプロデューサーさんから「今からお前の会社に行くからな」と通告が来て。
阪口:カチコミじゃねえか!
杉田:あらたまった場で話すということは、これは絶対に何かあるなと思いました。そこで「劇場アニメ化するのですが、スタッフ陣が新しくなります」と伝えられたんです。それならば僕が率先して新スタッフ陣が入りやすい空間を作ることができたらな、と思いました。
――疑ったり、置いといたり……いつ頃から本作を意識したのでしょうか?
阪口:アフレコのスケジュールが押さえられ、台本をもらってからでしょうか。「あ、本当にやるんだ」とぼんやりした状態のままアフレコの日が来て、演じている中でジワジワと実感していった気がします。
釘宮:私も台本が手元に来て、やっと「本当なんだ!」と思いました。
――「吉原炎上篇」がTVシリーズとして放送されたのは2009年でした。あらためて台本を読んで、物語の印象を聞かせてください。
阪口:一度見ているにも関わらず、銀時と月詠のくだりにはプッと吹き出してしまいました。どんなに時間が経っても古さをまったく感じないのがすごいですよね。今回新たに収録されたパートも全然違和感がなく、本当に面白いと思いながら読んでいました。
杉田:追加シーンもあったおかげで、新鮮な感覚にもなりました。
釘宮:本当にそう! ギャグシーンも面白くて、名セリフもたくさんあって、かっこいいシーンも盛りだくさん。物語に新たな要素が加わったおかげで、「あの戦いの裏ではこんなことが起こっていたんだな」と当時は見えなかった部分が見えてきて、新鮮な気持ちで見ることができました。
――その新規エピソードは、ファンがとくに気になっている部分です! ネタバレしない程度に、皆さんから感想をお聞きできたら。
杉田:僕たちが感想を語るよりも、予告映像を見てもらうほうが伝わると思います。かつてはフェイクの映画予告動画を公開したこともありましたが……今回はちゃんと本物なので。
阪口:あったなぁ……。
杉田:むしろそれに倣って、今はいっぱいウソを言っておいたほうがいいんじゃないかと思うくらい。「万事屋の3人がアシュラマンみたいになります!」とか。
阪口:もうウソはやめておこう(笑)。アシュラマンにはなりませんので、安心してくださいね! 新規エピソードについては、“あの人”と“あの人”の共闘が間違いなく見どころになると思います。人気キャラクターの多い真選組の中で“あの人”を使うんだという驚きと、やはり1番動かして面白いキャラクターなんだなと思いました。
釘宮:新規エピソードに登場するキャラクターたちが、普段とは違う衣装を着用するシーンもあるので、そこも見ていて楽しいポイントになると思いました。
■「これからも僕は坂田銀時役です」―『銀魂』とともに歩んだ20年を振り返る
――アフレコは皆さん一緒にできたのでしょうか?
杉田:掛け合いのあるキャラクターとは可能な限り一緒に収録できるように、スケジュールを区切って調整してもらえました。
阪口:万事屋の3人はほぼ一緒に録れたのですが、やっぱり『銀魂』は掛け合って楽しい作品だなと、あらためて感じられたアフレコでした。『銀魂』ならではの、畳みかけるような会話劇。あのテンポ感は1人では絶対に出せませんから。
杉田:掛け合いは相手との呼吸や、その場の空気があって初めて成立するものですからね。だからこそ、現場の空気づくりはすごく大事だと思い、先ほど言ったような「入りやすい(≒掛け合いやすい)空気感」を作れたらと。そのために、自分がどう立ち回れば良いかを、ずっと考えていました。
釘宮:『銀魂 THE FINAL』を迎えてからも、度々コラボやイベントがあり、さらに『銀八先生』も挟んだので、3人で掛け合う機会は多かったんですけどね。
――本作の見どころといえば、大迫力のバトルシーン。銀時は鳳仙、新八と神楽は阿伏兎と激闘を繰り広げます。そのシーンの感想をお聞かせください。
杉田:これもしっかりフィルムに込めたので、劇場で見ていただくのが一番良いかと思います。2009年に一度TVアニメで放送された内容ですが、物語も映像の迫力もまったく古さを感じず、『吉原大炎上』にしかない良さが表れたシーンになりました。今2009年版について触れましたが、当時と比較する必要はありません。人はその日の体調や気分によって感じ方が変わりますし、年齢を重ねたことでまったく違う印象を抱くかもしれない。“今”本作を見て、「良い」と感じてもらえたらうれしいです。
阪口:原作や以前のTVシリーズを見た人はわかっていると思いますが、神楽と阿伏兎のシーンの熱量はとんでもありません。このバトルを止めに入る立場として、覚悟を持ってアフレコに挑みました。本編と同じような緊張感が現場にも漂っていて、僕も気を抜かないように気を付けていたのですが……いざアフレコがスタートすると、2人の全力のバトルに見とれてしまって。
釘宮:私自身も「全力でぶつかるしかない」という気持ちで臨んだアフレコでした。ただ、私も絵のクオリティに見とれてしまう瞬間があって、当時も「バトルシーンのクオリティがすごい!」と話題になっていましたが、今作もものすごいことに。シンプルに一言で言うと「最高にジャンプしてる」という感じ(笑)。「そういえば『銀魂』って週刊少年ジャンプで連載されていた作品なんだ」と思い出しました(笑)。
阪口:実はそうなんだよね(笑)。
釘宮:神楽と阿伏兎ももちろん、銀時と鳳仙、そのほかのバトルシーンもすべて痺れるくらいかっこよくて、ひたすら世界観にのめり込んでしまいました。
――本作は『銀魂』連載開始20周年プロジェクト最後の大トリとなります。プロジェクトを通して過去エピソードを振り返ることがあったと思うのですが、『銀魂』に関わる中で皆さんの一番印象に残っている出来事を教えてください。
釘宮:これまでいろんな媒体でもお話ししているものになるのですが、私はやっぱり『銀魂』のオーディションが忘れられません。銀時、新八、神楽の3人の掛け合いで、それぞれ「〇〇役の〇〇です」と名乗ってから本番に入る流れだったのですが、その時の銀時役の方が「坂田“ぎんじ”役の~」と間違えて言ってしまって。それを私が訂正してあげるつもりだったのですが、銀時と新八が混ざって「銀八ですよ!」と言ってしまうという(笑)。
阪口:ひどい話だけどね、主人公役がキャラクターの名前を間違えるという(笑)。そして、その時の新八役が僕で、「銀時だよ!」とツッコんで僕の『銀魂』の歴史もスタートしました(笑)。
――『銀魂』を象徴するような出来事ですね(笑)。そんな阪口さんは、一番思い出に残っていることは?
阪口:オーディションも忘れられないですが、同じくらい印象に残っているのが「ジャンプフェスタアニメツアー2005」。オーディションでは感じられなかった作品の雰囲気が感じ取れたのですが、「とんでもない作品がアニメ化するな」というインパクトが強すぎて。同時に「これは本当にゴールデンで放送できるのか?」と思ったことを覚えています。そして案の定、左遷されるという(笑)。全体を通して印象的な出来事が多くて、『銀魂』に関わって最初から最後まで「面白かった」という思い出しかありません。
――杉田さんはいかがでしょうか?
杉田:『銀魂』は、ありがたいことに僕にとっての代表作の一つとなりました。どこへ行っても「銀時だ!」と言われるようになり、恋愛ゲームに出たら「銀時が恋愛ゲームに出ている」と言われるようになり……。別にいいんですけどね(笑)。以前、なにかのイベントで「自分は死ぬまで坂田銀時役です。いや、死んでもかな」と言ったことがあります。それは考えて「言おう」としたわけではなく、自然に、スッと発してしまったコメントでした。
釘宮:おぉ!
杉田:いや、『銀魂』って大体イベントの最後に「良いこと言え!」という圧が来るんですけどね(笑)。
阪口:プレッシャーかけられてるんだ(笑)。
杉田:でも、「何か良いことを言おう」と構えずとも、自然と言葉に想いを乗せられるのが『銀魂』なんです。そのおかげで、ほかの番組で「杉田さんは良いコメントをされる方なんでしょ?」なんて言われたこともありましたが(笑)。それは作品が優れていただけで、僕も過大評価されている部分があると思いました。『銀魂』に関わってから、そんな機会が多くなったなって。だから、これからも言い続けると思います。「これからも僕は坂田銀時役です」。
『新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-』
2月13日(金)より大ヒット上映中!
【STAFF】
原作/スーパーアドバイザーゴリラ:空知英秋
監督:安藤尚也
監修:藤田陽一
脚本:岸本 卓
キャラクターデザイン/総作画監督:竹内進二
デザインワークス:中村ユミ
色彩設計:歌川律子
美術監督:和田千帆
CG監督:谷口顕也
撮影監督:五明真利
編集:白石あかね
音響監督:長崎行男
音楽:Audio Highs
主題歌:SUPER BEAVER「燦然」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
アニメーション制作:BN Pictures
配給:ワーナー・ブラザース映画
バンダイナムコピクチャーズ バンダイナムコフィルムワークス アニプレックス
【CAST】
坂田銀時:杉田智和
志村新八:阪口大助
神楽:釘宮理恵
月詠:甲斐田裕子
晴太:三瓶由布子
日輪:井上喜久子
鳳仙:銀河万丈
神威:日野 聡
阿伏兎:大塚芳忠
猿赫:山口勝平
桂 小太郎:石田 彰
近藤 勲:千葉進歩
土方十四郎:中井和哉
沖田総悟:鈴村健一
山崎 退:太田哲治
お登勢:くじら
キャサリン:杉本ゆう
たま:南央美
(C)空知英秋/劇場版銀魂製作委員会
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