映画第1作目が公開された1980年から45作目を迎える『映画ドラえもん』シリーズ。代表作のひとつとして長く愛され、感動の嵐を巻き起こした『映画ドラえもん のび太の海底鬼岩城』(83年公開)が40年以上の時を経て新たに生まれ変わり、『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』として全国の映画館で大ヒット上映中。


このたび、ドラえもん役の水田わさび、のび太役の大原めぐみ、しずか役のかかずゆみ、ジャイアン役の木村昴、スネ夫役の関智一にインタビューし、生まれ変わった本作の見どころのほか、『映画ドラえもん』シリーズ史上初の4Dでも上映されているということで、その楽しみを語ってもらった。

[取材・文・撮影=米田果織]

■受け継がれる名作の魂と、進化した映像体験
――1983年に公開された『映画ドラえもん のび太の海底鬼岩城』が40年以上の時を経て、新たに生まれ変わって上映されます。以前の作品を見ていたら、その印象をお聞かせください。

関:『のび太の恐竜』(80年公開)に次ぐ正統派の冒険物語という感じで、僕はすごく好きでした。

木村:名作として長きにわたっていろんな人に愛されてきた作品ですからね。僕らとしてもずっと「いつかやってみたいね」と話していたんですよ。だから知らせを聞いたときは「ついに!」という感じで、うれしかったのを覚えています。

かかず:海のことや地球のことなど、いろんな情報が詰まっていて、藤子先生の下調べがすごいなと。未知の部分も多かった40年以上前にこの作品を作り上げたことが、本当にすごいなとあらためて思いました。

木村:めちゃくちゃ勉強にもなりますよね!

かかず:そうなの! ちゃんと事実に基づいていて、知識の詰まった物語だと思いました。

関:「バミューダトライアングル」のような都市伝説の要素も入っていましたよね。40年以上が経ち、新たにわかってきたこともたくさんあるので、F先生が今この作品を作ったらどんな物語になるんだろうと考えると、違うワクワクが生まれますね!

大原:昴くんの言った通り、深海やそこに住む生き物に興味を持つきっかけになりました。
未知の部分が多くて恐怖心もあるのですが、その怖さに飛び込んでいく冒険のスリルが味わえて、「行ってみたい、でも怖い、だけど楽しみたい!」というような気持ちになりました。

木村:すごくわかります。僕は海がめちゃくちゃ怖くて、沖まで行けないタイプなんですよ(笑)。のび太たちが恐怖心なく飛び込めたことに驚きました。

関:僕にとっても“3大怖いもの”の1つが海だから、同じ気持ちになりました。

木村:あとの2つは?

関:スズメバチとゴキブリ!

木村:なんかかわいいなぁ(笑)。

大原:そんな未知に飛び込んでいくワクワクだけでなく、しずかちゃんと水中バギーが心を通わせていくシーンの切なさも感じられるところも見どころになっていましたよね。

関:そうだよね。まさか最後に……。

木村:ちょちょちょ! 結末まで言わなくていいですからね(笑)。

水田:私は今回発表されたときの周りの反応の大きさに驚きました。会う人会う人に「(海底鬼岩城)やるんですね!」と言われて。
多くの方に望まれていた作品だと知って、身が引き締まる思いになりましたね。

――40年以上経って新たな映像となった本作を見ての感想もお聞かせください。

関:波の表現がすごくリアルで驚きました。

木村:40年以上が経ったことで、アニメの表現の幅も広がりましたからね。CGや色、動きのなめらかさが進化していました。関さんの言ったように、水の表現がすごくクリアで、本当に水の中にいるかのような感覚が味わえると思います。

かかず:海の中から見る太陽の光の表現も本当に美しくて、映像を見ながらうっとりしてしまいました。もちろん海の怖さも描いているのですが、全体としてはとても楽しく明るい物語になっています。頼もしいドラちゃんが一緒にいてくれるから(笑)。一緒に冒険している気分にもなれると思いました。

――本作は『映画ドラえもん』シリーズ史上初となるMX4D®・4DXで同時上映されます。4D上映で楽しみなシーンはどこですか?

木村:僕たちもまだ4D上映を体験できていないので、すごく楽しみにしているんですよね。
水中バギーに乗っているシーンとかは、一緒に揺れたりするんでしょうか?

関:一緒にバギーに乗っている体験ができると熱いですよね! 海底のゴツゴツ感とか。

大原:4Dといえば、匂いも体験できるんですよね。劇場が潮の香りに包まれていたりするんでしょうか(笑)。

木村:イカが出てくるシーンなんかは、水しぶきじゃなくてイカ墨が飛んできたりして(笑)。

関:黒い服着ていかなきゃね(笑)。

かかず:絶対にそれはありえません(笑)!

関:磯の香りがしたら、食欲が刺激されちゃうかも。売店でエビ味のポップコーンを販売するのはどうでしょうか?

大原:それ、めちゃめちゃ良い……!

木村:いっそのこと、魚の塩焼きなども売ってみても良いかも!

水田:まだ未体験なので、妄想が止まりません(笑)。でも、普通に見ただけでも体が動くぐらい迫力があったので、4Dはかなりすごいことになると思います! 『映画ドラえもん』シリーズの長い歴史の中で、今回初めての挑戦ができたこともうれしかったですね。

関:さすが! まとめてくれてありがとう!

木村:アフレコでは声を張るシーンが多かったので、だんだん頭が痛くなってきたんですよね。それが劇中での気圧の変化を感じるシーンと重なって、臨場感のある演技ができたように思います。なので、劇場内の気圧も変化させるなんてどうですか?よりリアルな体験ができるように(笑)。

関:確かに。
劇場を出たときには、海から上がったあとのような爽快感が味わえるという(笑)。

■AIの時代に問いかける“心”の物語
――そんなアフレコについても聞かせてください。どのような雰囲気で進められたのでしょうか?

木村:劇場版は2日間に分けて収録することが多いのですが、今回は1日で集中して録ったというのも、初の試みとなりました。

かかず:そうだったね。

水田:皆一緒に録れたことも、物語の一体感に繋がっていると思います。お互いの演技が相乗効果となり、最後まで集中力が途切れることなくアフレコできました。

――83年の作品を知っている方も多いと思いますが、『新・のび太の海底鬼岩城』として特に大事にした部分はどこですか?

関:それはもう「全部」です。それに尽きますね。

木村:オリジナルだから、リメイクだからと特別に変えることはなく、常にそのシーンに向き合う。ただそれだけです。

大原:その中でも、思いやりや優しさが人の信念を覆す力を持つというメッセージは大切にしました。

かかず:そうですね。
作品に込められたメッセージは83年の作品と変わっていませんから。

水田:その通りです。ただ、のび太くんたちと水中バギーとの関わりがよりしっかりと描かれているので、そこはちゃんと表現しなければいけないと思いました。

かかず:水中バギー役の広橋涼さんとも一緒に掛け合いができたので、心を通わせるまでの流れや温かいやり取りには、臨場感を持たせられたような気がします。機械も人間のように滑らかに話す、AIが進化した今の時代にあった水中バギーになっているので、そこにも注目してほしいですね。

――最後に、今年の『映画ドラえもん』を待ち望んでいるファンの皆さんに、メッセージをお願いします。

関:今作は、僕が3番目に好きな『映画ドラえもん』作品になりました。もう御託は並べません。とにかく見ていただければ、その素晴らしさをわかってもらえると思います。春公開となりますが、夏に見ても楽しめると思います。

木村:前提として『映画ドラえもん』シリーズは子供たちに見て楽しんでほしいと思っているのですが、今作は83年に公開された作品を再映画化したものです。なので、前作を見て知っている親御さん世代にも懐かしく思ってもらえて、また新しい発見もできて、2度おいしい体験になると思います。
子供にも大人にも、この『のび太の海底鬼岩城』という物語を楽しんでもらえたらうれしいです。

かかず:令和の今だからこそ見てほしい、受け取ってほしいメッセージが詰まっているとも思います。時代と共に機械やAIも進化していますが、人の心は変わっていません。その比較をぜひ感じてほしいですね。

大原:「本当の優しさとは何か」「本当の強さとは何か」「心を大切にするとは何か」を考えるきっかけとなる作品になったと思います。そして、物語を最後まで見届けたときに、その答えがわかるかもしれないよ……ということをお伝えしたいです。

水田:皆が言ってくれた通りです。83年公開の作品を見て怖い印象を持っている方もいるかもしれませんが、令和版として優しく生まれ変わっています。安心して劇場に見に来てくださいね!

『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』

■公開日:2026年2月27日(金)
■原作:藤子・F・不二雄
■監督:矢嶋哲生
■脚本:村山 功
■キャスト:ドラえもん:水田わさび のび太:大原めぐみ
しずか:かかずゆみ ジャイアン:木村 昴 スネ夫:関 智一
エル:千葉翔也 水中バギー:広橋 涼
兵士:平子祐希(アルコ&ピース) 兵士:酒井健太(アルコ&ピース)
兵士:平 愛梨
■主題歌:sumika「Honto」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 202
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