トランクカーゴも積めないクルマなんてキャンピングカーとは言えないんだ! ロードスターのばか!


 そんな捨て台詞を吐き、泣きながら帰ったのはつい先週のことでした。


 新車を買った情報2021、私は四本淑三です。

前回に続きまして今回も話題の中心と致しますのはリス株式会社の「トランクカーゴ」。キャンプ用収納ケースの定番として君臨する、OEMも含めキャンプ場でよく見るやーつであります。


 さあ皆様に朗報です。いままで一個も入らなかったトランクカーゴでしたが、昨年夏から新サイズ・新シリーズが追加され、ついにND型ロードスターにも積載可能なタイプが登場したのであります。


ロードスター、キャンピングカーになる

 上の緑色のやーつが容量22Lの「TC-20S」で、リスさん公式通販価格は1980円。下のグレーの薄いやーつが容量30Lの「TC-50S LOW」で、価格は同じく公式通販で2980円。


ロードスター、キャンピングカーになる

 これらを併せたトランクカーゴのラインナップをまとめてみました。オレンジの背景で示したのが、去年夏以降発売の新型。このうち赤の枠で囲ったのがロードスターに積載可能なモデルです。従来型より奥行きや高さが低く、ロードスターの狭いトランク開口部に無理なく入る寸法です。


 このうち「スタッキング」タイプは従来のトランクカーゴの蓋を改良したもので、使い勝手に優れた点がございます。その違いは後述するとして、まずは無事に収まったところからご覧いただきましょう。


ロードスター、キャンピングカーになる

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 TC-50S LOWは「50」という型番なのに容量30L。これは50Lの幅と奥行きのまま、高さを240mmとしたもので、トランクカーゴ初のサイズ。ゆえに「ロータイプ」と呼ばれます。


 50Lと同様、垂直には入りませんが、全体的に薄いので少し斜めにすれば蓋を外さなくても楽に入ります。積載状態でまだ上に130mmほど空間が。やったね。


ロードスター、キャンピングカーになる

 そしてシリーズ最小奥行き294mmの「TC-20S」。ロードスターのトランク間口より小さいので、そのまま垂直に入ります。おまけにちょっと捻るようにして入れると2個目も収まってしまう。これで合計容量は44L。


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 ロードスターのトランクは真ん中に窪んだ部分があります。高さは370mmでロードスターのトランクとほぼ一緒。TC-20Sを2個入れると底面がこのくぼみにはまって、走行中ガタつきにくいのがいいところ。

こういうのをシンデレラフィットと呼ぶのでしょうか。


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 そして従来は助手席のフロアにすら置けませんでしたが、TC-20Sなら置けます。斜めですが。


ロードスター、キャンピングカーになる

 傾いたりシート前端に触れたりするのが嫌なら、横倒しもオッケー。


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 いずれにしても助手席に1個、トランクに2個で、計66Lの積載量。素晴らしい。


スタンダードタイプとスタッキングタイプの違い

ロードスター、キャンピングカーになる

 左が従来型「スタンダードタイプ」。右が新型「スタッキングタイプ」。違いは蓋だけです。


 新型は天面がフラットになりました。これは蓋を裏返し、板を載せてテーブルとして使っていたユーザーの利用実態を反映したものでしょう、そのままでも十分テーブルとして使えます。


 そして外周を土手のようなガイドが囲っており、6ヵ所に切り欠きが設けられました。前者はトランクカーゴをスタッキングする際のズレを抑止するため、後者はスタッキング時にベルトをかけて固定するためです。

特にスタッキングはしなくても、ルーフキャリアへの固定は便利になったものと思われます。


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 そして名称からして紛らわしいですが、スタンダードタイプでもスタッキングは可能です。同じサイズ同士だけでなく、小さいサイズも載ります。


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 底の足が蓋に設けられたガイドにハマるため、ピッタリ位置決めもできます。ただしスタッキングできるのは1個だけ。寸法的に70Lのハーフサイズとなる30Lも2個は無理。新発売の22Lも50Lのハーフサイズですが、これも無理。


 どう無理なのか試してみたのが以下の画像です。


ロードスター、キャンピングカーになる

 TC-50の上にTC-20Sを2つ載せた状態です。スタンダードタイプの蓋に掘られたガイドの幅が狭いわけです。そこでスタッキングタイプの蓋には幅を拡大したガイドがつき、また外周を固めることでズリ落ちも阻止しているわけです。


ロードスター、キャンピングカーになる

 新登場のロータイプTC-50S LOWの蓋も、このスタッキングタイプ。

そしてロータイプには新たに間仕切り用の溝が3つ設けられ、小分けに便利なように出来ています。間仕切り板は別売で1枚780円。リスさんも商売が上手になりました。


実質的に内容積が減ったのはデメリット

 良いところばかりに見えるスタッキングタイプですが、デメリットもあります。蓋の天面をフラットにしたことで全体の高さは370mmから357mmに。箱自体の高さは変わっていませんから、蓋が薄くなったわけです。比べてみましょう。


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 左がスタンダードタイプの蓋。右がスタッキングタイプ。スタンダードタイプは蓋のに高さがあるため、荷物を少し盛って入れても蓋は閉まってくれます。スタッキングタイプはこの余裕がないので、今までと同じように詰めたら蓋が閉まらん、なんてことがあるかもしれません。


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 逆にスタッキングタイプしかないロータイプは、スタンダードタイプの蓋を使うと内容積を若干増やせます。ロードスターの場合、スタッキングしてトランクに積めはしないのでこっちのほうがいいかも。

蓋だけ別売にして欲しい気もしないではありません。


自作テーブル板もあった方が便利

 そしてスタッキングタイプのメリットは裏返さなくてもテーブルになる点ですが、素材が樹脂ですから、あまり熱いものは置きたくありません。だから自作によるテーブル板も、まだまだ必要です。ちなみに最近は量産品も出ています。


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 ホームセンターのDCMグループは「トランクカーゴ専用テーブル」を製品化。自社でOEM供給を受けている30/50/70L用で、それぞれ980円、1280円、1580円と日本製ながらリーズナブル。スタッキングタイプにも問題なく使え、私はこれの50L用をロータイプに使っています。


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 50L用は二分割式で収納に便利ですが、これでもロータイプの場合は大きい。これを入れると他の荷物が入りません。


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 そこで私は片方だけ使っております。蓋を裏返さずに載せても、スノコの裏板がスタッキング用ガイドにハマって良い感じになります。なお本家リスさんもスタッキングタイプで使うテーブル板の型紙を公開されております。トランクカーゴのテーブルはもはや文化ですな。


トランクカーゴ テーブルを作ろう!|型紙データ公開|トランクカーゴ(TRUNK CARGO)【公式】


ロータイプ30Lと22Lには何が入るのか

 さて、これら新型に一体何が入るのか。トランクカーゴがワクワクするのは、サンダーバード2号のコンテナを想起させるからだと私は考えています。目的別に機材を収納しておき、出動の際にコンテナの積み替えで対応する、あの感じ。てってけてー。


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 というわけでロータイプにはテント、ポール、ベグ、ハンマー、折り畳みの椅子を一緒に入れて、ベースキャンプ設営用コンテナとしました。


 これらは各々袋に入っており、撤収時の袋詰めが面倒。そこで袋から出してまとめてトランクカーゴにぶち込んでおくと、大幅に手間が省けます。雨で濡れた時なら、さらに楽チンなはず。入れているのはバンドックのソロティピー1TCにポール2本、ENOのラウンジャーDL、それにチタンペグ、ハンマー、ペグ抜きです。


 22Lもなかなかの収容力。これは休憩用コンテナーとしました。入っているものを列挙してみましょう。


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 バーナー、アルミテーブル、ウインドスクリーン、1カップ用モカエクスプレス、コーヒー豆3回分、グラインダー、デミタスカップのコーヒーキット。お茶請けに銚子電鉄のぬれ煎餅、煎餅を炙るための岩谷さんのトーチバーナー、煎餅をつかむトング。小腹が空いた時のために、お椀サイズのどん兵衛3食入りと、ゼインアーツのシェラカップ。さらに腹が減った時のために、キャプテンスタッグのラーメンクッカー、エスビー食品のホンコンやきそば、これらを口に運ぶスノーピークのチタン先割スプーン。現場で暇を持て余した時のために、ユニフレームの焚き火ロースターと生豆。虫除けのためのヤブ蚊バリアと、児玉兄弟商会携帯防虫器。そして画像ではお茶ですがミネラルウォーターのつもりで2Lペットボトルと、カセットボンベ。これだけ入れてもまだ隙間がある。


 問題は緊急事態宣言だか何だかでなかなかキャンプ場へ行けない状況が続いていることだけです。我らに光を。


 それではまた。

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