2021年に登場した数多あるバイクの中で、Honda「GB350」は異色の存在。それゆえに売れまくっているのだとか。
人気モデルのGB350とは
どんなバイクなのか?

GB350は、その名の通り排気量348ccの空冷単気筒SOHCエンジンを搭載した、クラシカルスタイルのバイク。気になる最高出力はたったの20馬力しかありません。参考までも申し上げますと、売れに売れまくっているというアメリカンスタイルのレブル250が26馬力、スポーツバイクのCBR250RRに至っては41馬力と、イマドキの排気量250ccのバイクよりも劣るエンジンを搭載しているのです。これが独特の魅力を放つのですが、それはのちほど。



Hondaバイクの型番には、「CB」は4サイクルエンジン搭載した新鋭機、「R」の数が多ければ多いほどスポーツ濃度が高まるといった具合にネーミングに法則性があります。ではGBは何かというと、GB250 CLUBMANのネーミングを決める時「見た目がクラシカルだから、最新鋭を表すCBを名乗るのはおこがましい」からGBになったというウワサがあります。とりあえずレトロスタイルのバイクはGBというわけで、レトロで350ccエンジンだからGB350というわけ。わかりやすいですね。

フルカウル好きの美環さん的に、このレトロスタイルがどのように映ったかというと、「カッコイイ」と高評価。なかでも「エンジンが地面に対して直立なのがイイ」のだそう。一般的にバイクのエンジンは、カムヘッドがハンドル側に傾いていますからね。


さっそくバイクに乗車する美環さん。身長150㎝前後の彼女的には「シート高は800mmとちょっと高めなうえに、タンクの幅が広いので女性には厳しいかもです」と、厚底っぽい靴じゃないと足つきは悪い模様。一方、185㎝の不肖は足がベッタリ。自動二輪は自転車と違ってシートの高さが変更できません。ですのでバイクにとって足つき性はとても大事だったりします。それにしても、写真を並べてみると、体格の違いというか、不肖太っているなぁと……、バイクに乗るならダイエットしないとですね。



操作系のボタン配置はHondaではおなじみの配置。つまり左手のウインカーの上にホーンボタンが置かれ、うっかり鳴らしてしまうアレだったりします。美環さんは鳴らすことはありませんでしたが、不肖はうっかり……。手の大きさ(指の太さ)や慣れもあるんでしょうね。とはいえ、美環さんも不肖もHonda乗りなのですが。

メーターはタコメーターがないシンプルなもの。

そんなギアですが、トランスミッションは5速リターン式で、シーソー式ペダルを採用。1速はかなりのローギヤードで、2速がハイギアード。そして2~4速はクロス気味というセッティングです。スポーツバイクに慣れている美環さんや不肖は、かかとでシフトチェンジすることはそうありませんでした。


ブレーキは前後油圧式のシングルディスクブレーキで制動は十分。ABSもついていますから安心です。ということで試乗に移りましょう。
低馬力ゆえに初心者でも乗りやすい

適度に調律された単気筒らしい音と振動を感じながら都内を走行する美環さん。「端的に言えば、速さとか無縁の、味わいに極振りしているバイクですね。
「じゃぁ遅いのかというと、エンジンが結構上まで回せるんですよ。低回転域でのトルクもちゃんとありますから、信号の多い都心部では2速ホールドで走れますね」と、ほぼオートマ感覚で走行可能なのだとか。さらに「ニュートラルに入りやすいんですよ。ですから停止直前にNに入れて、空走しながら停止という走り方もカンタンにできますね」。バイクによってはニュートラルの位置がわかりづらかったりしますから、特に初心者の方には優しいかもしれません。

「クラッチレバーが私の手には少し遠い感じがします。足つきは最初不安でしたが、だんだん慣れてきました。このバイクは体の大きな人にピッタリなのかなと思いました」とも。となると、初心者にも好適かと思いきや「回転計がなく、そしてクラッチのつながりやレバーの遠さから、最初は苦労されるかもしれませんね」なのだとか。

「シートがふかふかということもあって、体に伝わる振動はとても少ないです。アップハンドルに800mmというシート高もあって、視野が広くて長時間のライディングでも疲れにくいと思います。

基本構成やスタイリングが似ていることから、ヤマハの「SR400」と比較されがちですが「まったくの別物ですね」と美環さんは断言。「あちらは電子制御がほとんどないどころか、セルスターターすらありませんからね。でもGB350は電子制御によってスムーズに走行できますし、セルスターターだってありますから。それに振動だって、ヤマハの方が大きいですよ。扱いやすさ、乗りやすさの面でも、GB350の方が誰にでも受け入れられるんじゃないかな? それにSR400は販売終了していますからね。400cc以下でこういうバイクは他にないので、選択肢はGB350だけなんですよね。大ヒットしているというので、他社からもクラシカルスタイルのバイクが出ればいいなと思います」とコメントしました。

「ホント楽しかった。バイクってやっぱりイイナと改めて思いました」と美環さん。「2022年の3月25~27日の3日間、東京モーターサイクルショー2022が東京ビッグサイトで開催されるので、GB350をはじめとして、お気に入りのバイクを見つけて街に出てほしいですね」といきなり告知が。実は美環さんは、一般社団法人「全国二輪車用品連合会」(JMCA)のブースに出演される予定なのだとか。

55万円というプライスで味わい深い世界が楽しめるGB350。今、売れに売れまくっている理由が何となくわかりました。車体も軽く、取り回ししやすかったことも最後にご報告したいと思います。速く走るのもバイクの魅力ですが、のんびり走るのもまた魅力ですよ。何より速く走れば走るほど、事故のリスクは高まりますからね。痛いのは嫌なので、味わいに極振りした1台、ぜひチェックしてみてください。
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筆者紹介:美環(みかん)
原型師として美少女フィギュアを作る傍ら雑誌のモデルやコスプレイヤーとしても活躍中。
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