昨年、めでたく普通二輪免許(MT)を取得したモデルでタレントの新 唯(あらた・ゆい)さん。免許を持っていても乗らなければ、ただの身分証明書です。
街乗りからスポーツ走行までこなせる
「CBR400R」はCBRの名の通りフルカウルモデルで、400という型番の通り排気量は400cc。そしてRが一つということで、レーシングというよりツアラー的な性格に寄せた1台です。誕生したのは2013年。2016年にフルモデルチェンジし、その後もマイナーチェンジを重ねてきた400ccフルカウルスポーツの人気車種です。
今回のモデルチェンジで改良された部分は主に足まわり。これまでは正立フォークを採用してきましたが、SHOWA製の高性能倒立フォーク「SFF-BP」(セパレート・ファンクション・フロントフォーク・ビッグピストン)に変更。フロントブレーキはシングルディスクからダブルディスクとなり、ラジアルマウントキャリパーも採用。またスイングアームの剛性最適化やフロントホイールの軽量化を図るなど、各部が見直されています。ちなみに車体重量192kgはマイナーチェンジ前と変わりありません。
パワートレインはモデルチェンジ前と同様で、エンジンは400cc水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒型。最高出力は46馬力(9000回転)、最大トルク3.9kgf・m(7500rpm)を発生します。
カラーリングは「グランプリレッド」・「マットバリスティックブラックメタリック」・「マットジーンズブルーメタリック」の3色。パールグレアホワイトはなくなり、新たにマットジーンズブルーメタリックが加わりました。今回お借りしたのは、新色のマットジーンズブルーメタリックです。唯さん的にこの色はかなりお気に入りのようでした。
CBR250RRとCBR400Rの違いはどこ?
取材したのは真冬の朝。しかも雨という最悪最低のコンディション。「本当に走らないとダメですか?」とガクガクブルブル。さっそく試乗しましょう! といいたいところですが、久しぶりのバイクということもあり、まずは練習。用意したのは不肖のCBR250RRです。
「この2台、何が違うんですか?」と唯さん。色は違いますけれどパッと見た感じCBR250RRとCBR400R結構似ています。
そして一番異なるのは税制面。CBR250RRは軽二輪ですので、自動車税は1年3600円。いっぽうCBR400Rは二輪小型自動車という区分になりますので1年6000円。
自賠責はCBR250RRは1年8650円、CBR400Rは1年8290円と、こちらは軽二輪の方がちょっと高め。任意保険は250ccでも400ccでも変わらないようですが、最大の違いは車検。CBR250RRには車検がありませんが、CBR400Rには2年に1度の車検を受けなければなりません。車検の費用は場所によって異なりますが、法定費用も含めて、およそ5~9万円ほど。この金額はリッターバイクでも400ccでも、さらに言えば軽自動車でも、大きく変わらないような。
まずはまたがってもらいましょう。身長164㎝(公称)の唯さん的に、どちらもつま先立ち状態ですが、CBR250RRの方がつま先立ち度は低いような。その上で「CBR250RRの方が車体の幅が狭くて乗りやすいようです。CBR400Rの方はハンドルがちょっと遠いようですが、上にあがっているようで、あまり前傾にならない感じがします」とのこと。写真で見ても、この違いはよくわかるかと思います。
続いて両方の車体を押し引きしてみることに。唯さんは「CBR250RRの方が全然軽いですね。CBR400Rは教習バイクみたい」と、ちょっとだけ音を上げます。ちなみに「でもどちらも倒したら起こす自信がありません……」と少し心配そうな顔に。大丈夫です。
CBR400Rは安定感があって乗りやすい
まずはCBR250RRで練習。倒すことなく、エンストすることなく走らせることができて、スタッフはひと安心。続いてHonda本社近くの外苑周回路をグルグル。最初はクラッチを使っての変速動作をしてもらい、次にCBR250RRのオプションであるクイックシフターを使っての走行をしてもらいました。
「クラッチレバーを握らないで変速できるのって、とてもラクでいいですね! シフトダウンした際に回転数を合わせてバンバン音が出るのが楽しい!」と、ブリッピングしながらのシフトダウンにハマった様子。この機能はCBR400Rにはありません。
ということでCBR400Rにチェンジ。唯さんを後ろから見て偉いなぁと思うのは、停止時に右足でリアブレーキのペダルを踏んでいること。慣れてくると両足でペタっとしがちなんですよね。そして慣れてきたのか、徐々に様になってきたような。
「なんとなくですが、CBR400Rの方が安定感ある感じがします。あとあまりアクセルを捻らなくても発進するような。
「2台で最も違うと感じたのは音と振動ですね。CBR250RRの方が甲高くて音が大きいですし、振動も結構伝わってきます。一方、CBR400RはCBR250RRと比べて低めで、振動も少ない印象です」と五感の伝わり方を重視されている模様。その上で「買うならCBR400Rかな。見た目が好みですし、音と振動が気に入りました」というわけで、扱いやすさよりも見た目とサウンド重視でCBR400Rを選択するというではありませんか。扱いにくいとしても好きなバイクに乗るのが一番ですからね。
「クルマはライトウェイトスポーツが好きですけれど、バイクは大きい方が好みかもしれません。まだ2台しか乗ったことがないですけれど」というわけで、大型自動二輪免許を取得するしかないんじゃないの? と思ったスタッフ一同。
「排気量が150cc違うだけで、こんなに差があるんですね」と不思議そうに2台を見る唯さん。そして「バイクに乗ることが、こんなに寒いとは思いませんでした。夏は滅茶苦茶暑かったし。この乗り物は、バイクじゃなくて「倍苦」ですよ。想像を超えて辛かったです。でも久しぶりに乗車できて楽しかった! バイク欲しいなぁ」というと、暖かい紅茶で冷え切った体を温めながら、電車で帰路に向かいました。
【まとめ】CBR400Rは優等生だがツマラナイわけではない
取り残されたCBR250RR乗りの不肖は、ひとりCBR400Rと比較を始めてみました。街中を走ってみて両車の違いを一言で言い表すなら「ヤンチャなCBR250RR、優等生のCBR400R」といったところ。と書いてしまうと「CBR250RRはマトモじゃないのか!?」「CBR400Rはツマラナイのか!?」と思われるかもしれませんが、どちらもマトモで面白いバイクです。個人的には所有者ということもありCBR250RRを推したいところですが、CBR400Rの素直な性格も魅力的。
あとCBR400RにはHonda Ignition security systemというイモビライザーが標準搭載されていますが、CBR250RRには用意されていません(オプション設定あり)。出先でチェーンをかけられない時などに、イモビライザーがあると安心できます。ですのでバイクの性格も含めて遠出のツーリングをするならCBR400Rがイイんだろうなと思いましたし、街乗りがメインならCBR250RRの方がイイかなと。CBR250RRで高速道路を巡航すると、6速8000回転を維持しつづけないといけなくて、結構大変なんですよ。やっぱりバイクは倍苦と書きますね。
ということで、CBR400Rが気に入った唯さん。次は何に乗りましょうか? 今度は暖かくなってから取材をしましょう。
■関連サイト
モデル紹介――新 唯(あらた ゆい)
10月5日栃木県生まれ。ファッションモデルとしての活動のほか、マルチタレントを目指し演技を勉強中。また2022年はSUPER GTに参戦するModulo Nakajima Racingのレースクイーン「2022 Moduloスマイル」として、グリッドに華を添える。











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