今後の自動運転に役立ちそうな技術を見た
人とくるまのテクノロジー展
5月25~27日の3日間にわたって、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜にて「人とくるまのテクノロジー展2022 YOKOHAMA」が開催された。これはタイトルの通り、自動車関連の技術展示会で、今年の開催が29回目となる。自動車メーカーも出展しているが、展示の主役となるのは、いわゆるサプライヤーと呼ばれる企業たちだ。
そんな展示会に、“最新の自動運転技術”を念頭に取材に赴いたが、残念ながら、今年のトレンドは「電動化」であり、自動運転技術の目新しい展示を見ることはできなかったのだ。
逆に「電動化」関連の展示は、非常に多彩で充実したものであった。自動車メーカーで言えば、トヨタが燃料電池車の「MIRAI」とEV「bZ4X」のベアシャシーを展示。同様にスバルはEVの「ソルテラ」、日産は「アリア」と「サクラ」と2台のEVを並べる。三菱自動車は「アウトランダーPHEV」、ダイハツは「ロッキーHV」のハイブリッド車。多くの自動車メーカーのメインの展示が電動車であったのだ。
さまざまなサプライヤーから登場した「eアクセル」とは
サプライヤーのブースに目を移しても、目立つのは電動化技術だ。特に今回は「eアクセル」の展示が多かった。これはEVなどの電動車に使われる、モーター一体型の車軸だ。「eアクセル」を大きく展示するのは、アイシンを筆頭にジャトコ、ボッシュ、シェフラー、ヴァレオといった大手サプライヤー。
コンチネンタルの次世代LiDARが可能性を感じさせた
そんな中で、個人的にこれは! と思った「自動運転技術」の展示は、コンチネンタルにあった。新世代のライダー(LiDAR)だ。ブースの角の柱の上にライダーを設置し、通路を通る人を検知するというもの。2020年にコンチネタルが出資した、カリフォルニアのAEye社と共同開発している。ポイントは「300m先までセンシングが可能」「2024年に量産を計画」という部分だ。
実は現在、量産されているLiDARのほとんどが300m先をセンシングする能力がない。しかし、100km/hで走行するクルマは、1秒間に約27.8mを進む。
また、自動運転関連としては、トヨタ車体の試みも発表されていた。トヨタ車体が発売する小型EV「コムス」を使った自動運転の実証実験を、ここ1年ほど実施しているという。「コムス」に取り付けたLiDARだけでなく、インフラ側のカメラと組み合わせることで、簡便に自動運転システムを構築するという。走行環境は、自社工場内という限られた場所となるが、今後の商品化も検討中だという。工場内の資材運搬などに利用できそうな技術だ。
それ以外で、個人的に気になったのが市光工業による「e-Grille」という技術だ。これはクルマのグリル部分をライティングのためのスペースに使おうという提案だ。クルマの電動化が進むほどに、エンジン冷却のためのフロントのグリルの必要性が低下する。そこで空いたスペース(グリル)に明かりの機能だけでなく、コミュニケーションの機能も持たせるというアイデアだ。自動運転中に、ドライバーに代わって周囲に意思表示することもできるし、EVの充電状況を知らせることもできる。電動車や自動運転技術が普及するほど、このアイデアを採用する車両が増えることだろう。
自動運転技術は残念ながら足踏み状態だが、電動化の進化は着実で力強い。今後2~3年は、新型EVの登場の話題が多くなることを予感させる展示会であった。
筆者紹介:鈴木ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。
最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。











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