三菱自動車/eKクロスEV(239万8000円~)

 「実質189万円で買える軽EV」として話題を集める三菱自動車のeKクロスEV。電気自動車大好きのアイドル・寺坂ユミ、またの名をASCII.jp自動車部のゆみちぃ部長が見逃すハズはありません。

ということで、そんな軽EVを体験しました!


電気自動車のノウハウを
蓄積している三菱だからこそできた軽EV

実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台
三菱自動車/ i-MiEV(アイ・ミーブ)

 三菱自動車がEV車を開発・販売するのは今回が初めてではありません。その歴史は意外と古く2009年に登場したi-MiEV(アイ・ミーブ)までさかのぼります。このi-MiEV、今では当たり前となったリチウムイオン蓄電池を世界で初めて使った車で、いわばイマドキの電気自動車のパイオニアだったりします。i-MiEVは法人を中心に販売されたこと、そして当時は(今もですが)充電インフラの問題、そして電池の生産能力にボトルネックなどがあったため、普及するには至りませんでしたが、三菱自は他社より早くノウハウを積み上げることができたことは想像に難しくありません。


実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台
三菱自動車/eKクロス

 「三菱自動車のクルマに乗るのって初めてです」とゆみちぃ部長。ですが実は1年前に乗っていたりします。しかも今回試乗するeKクロスEVのベースモデルに。あの時は「私には軽自動車で十分です」と言っていたのに……、と思う配車担当兼書記の部員Kは思いながら、とりあえず黙っておくことにしました。でも1年前の写真を見つけたので、証拠写真としてペタリと貼っておきます


実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台
三菱自動車/eKクロスEV

 「電気自動車ということはお高いんでしょ?」と、お財布には厳しいゆみちぃ部長。eKクロスEVの「G」グレードは239万8000円からで、軽自動車としては高いけれど、電気自動車としてはお求めやすい価格になっています。これは軽自動車を求めるユーザーは、コスト意識が強いから。ゆみちぃ部長も「安っ!」と驚きを隠せません。さらに国の補助金が55万円が出ますので184万8000円に。

そのうえ自治体の支援制度も充実していて、東京都の場合は45万円の助成金が支給されます。ということは、100万円引きの139万8000円!


 「激安じゃないですか!」と驚くゆみちぃ部長。さらにすごいのは、税制面でも優遇されていること。一般的に自動車を購入する際は、軽自動車税やら環境性能割といった税金を納めなければなりません。ですが電気自動車は一切免除されます。よって納める税金は消費税のみで、税込約150万円で電気自動車が購入できてしまうのです。想像以上にお求めやすい金額に、ゆみちぃ部長の大きな目が、もっと大きく目を見開いたのは言うまでもありません。


実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台
急速充電をしている様子
実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台
急速充電と通常充電の2系統のコネクタを用意する

 次に気になるのが、航続距離と充電時間。eKクロスEVの航続距離はボディーサイズゆえに搭載できるバッテリー容量が少なく180km(WLTCモード)。ですが三菱の調査によれば、軽自動車およびコンパクトカーのユーザーの約8割は、1日の走行距離が50km以下だとか。そして200Vの普通充電だと約8時間で満充電となるほか、40分の急速充電で8割まで充電できるとのこと。さらにV2Hにも対応しており、専用の機械を設置すれば自宅の電気をeKクロスEVから給電することもできます。

「自宅で充電できるなら、絶対にコレじゃないですか! 最近ガソリン高いし」と、心の声がダダ漏れするゆみちぃ部長。


どことなくアウトドアテイストを感じるデザイン

実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台
ミストブルーパール/カッパーメタリック仕上げのeKクロスEV

 車のまわりをぐるりと一周するゆみちぃ部長。今回ご用意したのは、本業であるアイドルのメンバーカラーに近いアクアです。これならゆみちぃ部長のテンション爆上がりかと思いきや「なんか、天井の色が……」とポツリ。どうやらミストブルーパール/カッパーメタリックという2トーンがお気に召さないのです。「一言で言えば、このカッパーが微妙……」とバッサリ。試乗後、このカッパーメタリックの採用に関して三菱自動車の偉い人に尋ねたところ「電気自動車らしく、モーターのコイルをイメージして採用しました」というお話を聞いたのですが、「私なら全部水色を注文する」というわけで、偉い人は「デザイナーに伝えておきます」という言質をとったのでした。


実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台

 一方、「見た目はどことなくSUVっぽいですね。アウトドアテイストを感じます。これはほかの軽自動車にはない特徴ですね」と、こちらはデザイナーの意図をくみ取った様子。ですが、まるっこいクルマが好きな部長的には「他のデザインはないですか?」とポツリ。ガソリンエンジン車のeKワゴンのカタログを見て「優しい印象を受ける、こっちの方がいいです」とのこと。どうやらゆみちぃ部長の好みは「小さいクルマは可愛く、大きなクルマはドヤっている」ようで、残念ながらeKクロスEVのエクステリアは「男性が乗るにはいいけれど、私は……」との評価。

誰もが受け入れられるデザインというのは難しいものですね。


実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台
運転席に座るゆみちぃ部長
実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台
実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台
実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台
実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台
実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台

 インテリアはというと、これが高評価。「明るめの色使いがイイですね。それに安っぽさがないのも◎」とご機嫌です。さらに「収納が結構多いですね! すごいすごい!」というわけで、軽自動車を作り続けて40年の使い勝手のよさに感心しきり。「USBはType-AとType-Cの両方を用意するのはわかっている証拠ですよ。ナビ画面もイマドキの大きさですね。視界がとても開けているし、ETCは中央にあるのね」と、自動車評論家なのか主婦なのかよくわからない目線ですが、細かいところまでチェックしました。


実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台

 ガソリン車ではレバー式だったシフトレバーはスティック式へとチェンジ。電子パーキングブレーキはそのままですが、ワンペダル動作に対応したのがEVらしいところ。その一方、オートブレーキホールドボタンは電子パーキングブレーキの近くではなく右手側へ。部員K的には「オートブレーキホールドボタンは電子パーキングブレーキのすぐ近くにあるもの」という認識なので、そこには違和感を覚えた次第です。


実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台
後席シートを運転席側に近づけた状態
実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台
後席シートを最後端まで下げた状態

 後席は軽自動車というサイズからは想像できない広さ。「床面がフルフラットなんですね」「足元も広いですし、これは快適ですよ」と満点笑顔。この後席がミニバンのように前後に動くことができ、さらにスペースは拡大!「マジか! 大型SUVよりも足元が広々して快適ですよ。これは良すぎ!」と、ふたたび大きな目を大きく見開くゆみちぃ部長。


実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台
実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台

 荷室も立派です。「片手で後席が簡単に移動できるんですね。荷室も後席を前に出せば十分な容積がありますし、イイかもです」というように、シートアレンジでいかようにもできるのがeKの魅力。「バックドアも開口面積が大きいですし、使いやすそう」というわけで、大きなお買い物にもピッタリ。使い勝手は十二分です。


実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台

スポーツモードはゴーカートのよう
スイスイ走ってストレスなし

実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台

 クルマは走ってナンボ、ということで試乗です。「ECO」「NORMAL」「SPORT」と3種類あるモード切替のうち、まずはNORMALを選択。ワンペダル動作なしで走行を開始しました。「EVらしく、めっちゃ静かですね!」と感嘆の声をあげるゆみちぃ部長。

「この静かさを一度体験すると、もうガソリン車には戻れませんね」というように、ゆみちぃ部長はEV車が大好き。「しかもすごく滑らかですよね。なによりパワフル。あまり踏まなくてもクルマがスルスルっと進みますね」というわけで、トルクは軽自動車随一の20kgf台に突入。つまり、少し前の2リットルの自然吸気エンジンとほぼ同等のトルクを有しているのです。


実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台

 スポーツモードにすると、走りは一層闊達に。言い換えればゴーカートフィーリングで「楽しい」の一言です。軽自動車ですので電気自動車でも64馬力の壁はあるのですが、トルクの壁はないので、加速がすごい! それゆえeKクロスEVが発するトルクに対して、時々キュキュッとエコタイヤから悲鳴があがりますし、もう少し接地感があればとは思いましたが、スポーティーな走りが楽しめちゃうのです。これにワンペダル動作も加わると、面白さアップ。やや回生が強いのか、過敏に反応しすぎるのか、慣れるまではガクガクしがちですが、「ワンペダルは街乗りで便利ですよね」とニッコリ部長。


実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台

 乗り心地はちょっと硬め。「でも、全然気にならないですね」ということで、シートの良さも相まって大満足といったところ。

「まったく不満ないですよ。このクルマ。いいじゃないですか!」と、ゆみちぃ部長はeKクロスEVに大絶賛です。


実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台

 運転支援も充実。ガソリン車でも高速道路の巡行に便利な車線監視付きのアダプティブ・クルーズコントロール(Mi-PILOT)を搭載していたのですが、eKクロスEVでは自動車庫入れのMi-PILOT PARKINGまで搭載! 以前、日産自動車のそれを試して驚いたゆみちぃ部長でしたが「軽自動車でもついてくるんですか!」というわけで、再び試してみたり。石突側からかなり離れたところで停車したのですが(=前合わせで止まることがある)、「逆にバックドアが開きやすくていいかもですね」。


【まとめ】軽自動車&電気自動車の価格破壊!
真のEV時代が到来か!?

実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台

 「実は最近、ママが軽自動車を買ったんですよ。それが200万円くらいしたらしいんですけれど、今買うなら絶対にコレですよね」とゆみちぃ部長。自宅で充電でき、遠出をしないのでしたらeKクロスEVは良い選択であると感じられたようです。


 「軽自動車の概念が変わる1台ですね。静かだし、快適だし、走りだっていいです。イマドキの機能は、ほぼ全部載せで100万円代で手に入る。よい意味で価格崩壊ですよ」。電気自動車のパイオニアである2社が作り上げた1台は、真の意味でEV時代が来たことを感じさせるものでした


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寺坂ユミ(てらさかゆみ)プロフィール

実質189万円の軽EV「eKクロスEV」は電気自動車デビューに最適の1台

 1月29日愛知県名古屋市生まれ。趣味は映画鑑賞。志倉千代丸と桃井はるこがプロデュースする学院型ガールズ・ボーカルユニット「純情のアフィリア」に10期生として加入。また「カードファイト!! ヴァンガード」の大規模大会におけるアシスタント「VANGIRLS」としても活躍する。運転免許取得してから上京後は一切運転していないが、最近ペーパードライバーを脱出。こだわりが強く興味を抱くとのめりこむタイプであることから、お気に入りの1台を探す予定。


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