日産/スカイライン・ハイブリッド(販売終了)

 アイドルユニット「純情のアフィリア」の10期生・寺坂ユミさん(以下、ASCII.jp自動車部のゆみちぃ部長)に自動車取材をお願いした時、高速道路で運転支援を体験してもらうことがあるのですが、いまだに「本当に大丈夫ですか?」と言われるわけで、ちょっと疑心暗鬼。そこで、この手の技術では最も進んでいると思われる、ハンズオフを可能とした世界初の運転支援技術、日産の「プロパイロット2.0」を体験してもらいましょう。


ハンズオフできるのはプロパイロット 2.0のみ!

ハンズオフでドライブできたら最高! 日産のプロパイロット 2.0で高速道路を走る
スカイライン・ハイブリッド

 記事を始める前に1点、お断りしなければなりません。それは今回取材で試乗しているスカイライン・ハイブリッドは既に販売を終了しているということ。つまり、この記事を呼んで「日産すげー! 俺もスカイライン・ハイブリッドを買うぜ」といっても、中古車でしか購入できないのです。ちなみにプロパイロット 2.0を搭載するスカイラインは、このハイブリッドモデルのみで、400Rなど他のモデルが搭載するプロパイロットは、ハンズオフはできません。現行モデルでもプロパイロット 2.0を搭載した車種がありますが、それはのちほど。


ハンズオフでドライブできたら最高! 日産のプロパイロット 2.0で高速道路を走る
新東名の120km/h区間を走っているイメージ(車両はスカイライン・ハイブリッドではありません)

 オフの日はカーシェアで車を借りて、遠出をすることが多いというゆみちぃ部長。「この前、初めて新東名高速の120km/h区間を走ったんですよ」というように、高速道路を頻繁に利用しているようです。ですが「高速道路って退屈なんですよね。それに長時間乗っているから疲れちゃうんです」と、苦痛を感じている様子。そんなあなたにプロパイロット 2.0、というわけです。


ハンズオフでドライブできたら最高! 日産のプロパイロット 2.0で高速道路を走る
フロントウィンドウにつくカメラ
ハンズオフでドライブできたら最高! 日産のプロパイロット 2.0で高速道路を走る
フロントグリルもよく見ると、センサー類がついていたりする

 まず、プロパイロットとプロパイロット 2.0の違いについて。どちらも「ハンドルとアクセルを支援する」ということは変わりありません。ですが、システム的には相当違っており、その違いが「ハンズオフ」運転ができるか否かの違い。具体的にはプロパイロットがフロントカメラで前方の車両と車線を認識、フロントレーダーで前走車の車速と車間距離を計測。その情報をもとにハンドルとアクセル/ブレーキの支援をすることに対して、プロパイロット 2.0は、7個の光学式カメラ、5個のミリ波レーダー、12個の超音波ソナー、さらに3D高精度地図データ(とGPS)を用いて、格段に正確なステアリング操作を実現。その精度は前後方向で1m、左右方向に至っては5cm程度の誤差なのだとか。


ハンズオフでドライブできたら最高! 日産のプロパイロット 2.0で高速道路を走る
ステアリングを握るゆみちぃ部長

 よって、プロパイロットが行き先がわからず前方だけを見ながら走るのに対し、プロパイロット 2.0は地図の上を走っているようなもの。ゆえに使う際は事前にルート設定をしなければなりません。といっても、普通に行き先をナビに入力するだけ。ちなみに利用する場合は、NissanConnectサービスに加入する必要があり、その年間費は2万5200円です。


マスクをしていると作動しないので注意
使いこなせば安全に快適に長距離ドライブができる!

ハンズオフでドライブできたら最高! 日産のプロパイロット 2.0で高速道路を走る
プロパイロットボタン

 プロパイロット 2.0の使い方はカンタンで、高速道路に乗ってたらクルーズコントロールを使うだけ。表示が青くなればハンズオフ可能となります。というわけで、実際に試してもらおうとしたのですが……なりません。


ハンズオフでドライブできたら最高! 日産のプロパイロット 2.0で高速道路を走る
プロパイロットを試そうとするゆみちぃ部長
ハンズオフでドライブできたら最高! 日産のプロパイロット 2.0で高速道路を走る
プロパイロット2.0が作動している様子

 というのも、プロパイロット2.0には、運転手の様子を監視するカメラがついているから。これは運転支援中、ドライバーに不測の事態が発生した際にクルマを安全な場所で停止し、しかるべき場所へ連絡するためのもの。そのため「顔認識」の技術が用いられているのですが、取材時はコロナ禍ということもあり、マスクをしている都合上、クルマが顔を認識しなかったのです。そこでマスクをずらすと、サクッと表示は青になってプロパイロット 2.0が動作しました。


 「本当に大丈夫ですか? 手を離していいんですか? 足をアクセルから離していいんですか? 本当に離しますよ!」と半信半疑のゆみちぃ部長。一応、ブレーキペダルに足をおいておいてくださいね。後席に座るお目付け役のマネージャー氏も「本当に事故は起きないですよね? 大丈夫なんですよね?」と日産の技術に対して半信半疑。


ハンズオフでドライブできたら最高! 日産のプロパイロット 2.0で高速道路を走る
ハンズオフ運転中の様子。ハンドルから手を放して顔をこわばらせるゆみちぃ部長

 恐る恐る手を離すゆみちぃ部長。「うぉ! マジ!? クルマが勝手に走っている!」と、まさに手放しで驚きっぱなし。「これ、俺より運転うまくね?」などと某CMのような事を口走ります。一方、マネージャー氏は身を乗り出して「本当に? 本当に大丈夫なんですよね?」と、目の前で起きていることに恐怖を覚えている様子。


 目の前にクルマが現れても、自動的に減速。「おぉ、ブレーキ踏んでいないのに、速度が落ちました」と感嘆の声。ここまでは手を放しているとはいえ、普通のアダプティブクルーズコントロールと代わりはありません。ですが、プロパイロット 2.0はここからが違います。


ハンズオフでドライブできたら最高! 日産のプロパイロット 2.0で高速道路を走る
自動的にクルマが曲がっていく!

 高速道路にはコーナー(カーブ)があります。当然、曲がらないと車線をはみ出すばかりか、壁にぶつかります。「大丈夫なんですか? コーナーが近いですよ!」というゆみちぃ部長。アイドルゆえか、肝は座っているようですが、ちょっと怖がっているようです。するとハンドルを触れていないのに勝手に曲がっていくスカイライン。「なんじゃこれ!」と驚くのは無理もありません。


 しばらく走るとメーターに何やら表示が。なんとクルマが車線変更を勧めてくるのです。そこで「ウインカーを出してみてください」と部員から指示が。「あ、はい」というわけで、ウインカーを出すと、なんと自動的に車線変更をするではありませんか! なお、車線変更中はハンドルを握らないといけません。


 もはや言葉にならないゆみちぃ部長。ちなみにクルマが車線変更を指示しても、運転の主体はあくまで人間。ちゃんと後方確認をして行ないましょう。「車線変更しようとしたとき、後ろからものすごく速いクルマがやってきたらどうなるんですか?」と不思議に思う部長。その時は、クルマ側が危険と判断し、車線変更をやめようとします。そのために大量のセンサーがあるのです。


ハンズオフでドライブできたら最高! 日産のプロパイロット 2.0で高速道路を走る

 「これなら、高速道路も快適ですね」と満面の笑み。「それに、このクルマがとてもいいんですよ。乗り心地も良いですし、クルマの中がとっても静か。それに安定感というか安心感がとても高いですね」と大絶賛! その一方で「これでSUVだったら……、電気自動車だったら……」とも。なお、プロパイロット 2.0でドライブ中の様子が動画でお届けしますので、記事を最後までお読みください。


ハンズオフでドライブできたら最高! 日産のプロパイロット 2.0で高速道路を走る

 実は、プロパイロット 2.0が搭載された電気自動車のSUV、あるんです。それが日産ARIYA! ということで、次回は日産アリアを試乗します。



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寺坂ユミ(てらさかゆみ)プロフィール

ハンズオフでドライブできたら最高! 日産のプロパイロット 2.0で高速道路を走る

 1月29日愛知県名古屋市生まれ。趣味は映画鑑賞。志倉千代丸と桃井はるこがプロデュースする学院型ガールズ・ボーカルユニット「純情のアフィリア」に10期生として加入。また「カードファイト!! ヴァンガード」の大規模大会におけるアシスタント「VANGIRLS」としても活躍する。運転免許取得してから上京後は一切運転していないが、最近ペーパードライバーを脱出。こだわりが強く興味を抱くとのめりこむタイプであることから、お気に入りの1台を探す予定。


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