ソニー・ホンダモビリティの第1弾は
「AFEELA(アフィーラ)」
このクルマを見るために米国・ラスベガスを訪れた人も数多いと聞く。そのクルマがついにお披露目された。ソニー・ホンダモビリティは1月4日(現地時間)、アメリカのネバダ州ラスベガスで開催された「CES2023」のプレスカンファレンスにおいて、新ブランド「AFEELA(アフィーラ)」を発表し、同時に新たなプロトタイプも披露した。
例年、CES2023におけるソニーのプレスカンファレンスは、その日の一番最後、つまり“トリ”として開催される。それは2023年の今年も同じだった。その期待の先にあったのは、昨年6月、家電ITメーカーであるソニーと、自動車メーカーであるホンダが合弁で設立したソニー・ホンダモビリティが発表する新たなEVである。
発表されるEVはどんなクルマなのか。期待に胸を膨らませて会場を訪れると、開場時間の午後5時まで1時間半もあるというのにすでに50名ほどのメディア関係者が入口で列を作っていた。ソニーのプレスカンファレンスは常に多くのメディア関係者を集めることで知られるが、今までない動きの速さだ。
そして開場。そこは500席があるかと思われる椅子が並べられていたが、関係者は競い合うようにしてステージ前へと急いで移動する。用意された席はあっという間に満席状態となり、プレスカンファレンスがスタートする前には大勢の人が立ち見するまでになっていた。そのクルマへの期待値がいかに高いかが伝わってくる。
ソニーのプレスカンファレンスでは、ソニーグループの代表執行役会長兼社長CEOである吉田憲一郎氏が登壇。そこではまず、同社が展開するエンタテイメントの世界観が紹介された。そして、カンファレンスがスタートして25分後、ついにその時は訪れた。吉田氏がソニーが目指すモビリティについて紹介し、ここでソニー・ホンダモビリティの代表取締役会長 兼 CEOの水野泰秀氏にここでバトンタッチ。ここからは水野氏による説明がスタートした。
水野氏が語ったのは、ソニー・ホンダモビリティが目指す企業パーパス「多様な知で革新を追求し、人を動かす」こと。それは両社の合弁によって生まれた新たな知見であり、最先端の技術と感性を掛け合わせた、“Mobility Tech Company”として成長していくことにつながるというものだ。
そうして生み出されたクルマのブランドは「AFEELA(アフィーラ)」であることが発表された。会場の興奮はこの時、頂点に達した。
ソニーとホンダは知られているが
ソニー・ホンダモビリティは知られていない
水野氏は昨年暮れに「ソニーやホンダは誰でも知っているが、ソニー・ホンダモビリティと言っても誰も“何の会社?”となる。クルマを多くの人に知ってもらうためにも、ブランド名はできるだけ早い時期に披露しなければならない」と語っていたが、それがさっそく披露されたことになる。そのブランド名は、披露された新しいコンセプトカーのフロントグリルとリアエンドにしっかりと反映されていた。
ただ、AFEELAのロゴマークは特徴を感じるものはなく、どこかホンダが北米で展開するスペシャルブランド“ACULA(アキュラ)”の語感にも似ている。これは意外になじみやすいかも? とも感じた。ほかにシンボルマーク的なものは発表されず、これは2025年春に予定する先行受注までに決めようという段取りなのかもしれない。
一方で披露された車両は、これまでの「VISION-S」をベースに新たなコンセプトに合わせた仕様変更したものにも見えた。ステアリングが自動運転を意識した形状に変更されていたが、インテリアは「まるで繭に包まれたような、無垢でやさしいラウンド基調のデザイン」で、「人が求める機能と体験の実現を目指す」と表現されていた(リリースより)。これはまさにVISION-Sが目指していたエンタテイメントの世界と共通のものだ。
ただ、ルーフにはLiDARが収まりそうなセンサーボックスも見え、Bピラーにはカメラが備えられるなど、ソニーが提供する車載センサーが装備されたこともうかがえる。発表内容によれば「車内外には計45個のカメラ、センサーなどを搭載し、室内のインキャビンカメラやToFセンサーによって、ドライバーの運転状況や走行状態をモニタリングし、不慮の交通事故防止へ貢献する」としている。
また、「特定条件下での自動運転機能、レベル3搭載を目指すと同時に、市街地等、より広い運転条件下での運転支援機能、レベル2+の開発にも取り組む」とし、つまり、ここからは限りなく自動運転に近い状態で走りながらソニーが提供するエンタテイメントを楽しむ、そんな新たなモビリティの世界観を示したと言えるだろう。
それを実現するための新たなコミュニケーションツールの搭載も明らかにされた。それが「Media Bar」だ。「モビリティと人がインタラクティブなコミュニケーションをするため、知性を持ったモビリティがその意思を光で語りかける」仕組みだそうで、今後は「さまざまなパートナー、クリエイターと共に、可能性を幅広く模索していく」としている。
チップセットはクアルコムと協業
こうした機能は、「最大 800TOPSの演算性能を持つハードウェア」の搭載によって実現され、そこには「Qualcomm Snapdragon Digital ChassisのSoCを採用」することも明らかにされた。次世代のモビリティ体験の実現に向けて、戦略的な技術パートナーシップを築いていくというわけだ。特に新たなサービスの取り組みには、常に最新の状態になるアップデートは欠かせず、そこに必要なのは紛れもなく5Gネットワークだ。この分野でのクアルコムとの協業は自然の流れだったと言えるだろう。
会場ではクアルコムテクノロジーズの社長 兼 CEOのクリスティアーノ・アモン氏が登壇。「自動車はますますコネクテッド化とインテリジェント化が進んでおり、自動車における体験も変化している。Snapdragon Digital Chassis は、次世代のソフトウェアデファインドな車両の基盤として、新しいモビリティ体験とサービスを実現する」と述べ、自動車の将来に対する共通のビジョンとして実現できることへの期待感を示した。
さらにモビリティサービスおよびエンタテインメントの新たな価値創出に向けて、Epic Gamesと協業についても明らかにされた。ここでは、Epic GamesのCTOを努めるキム・レブレリ氏が登壇し、「ソニーとソニー・ホンダモビリティとともに、この革新的な新ジャンルで、新たなエンタテインメントをお届けすることを楽しみにしている」と述べた。まさにソニーが目指す、新たなモビリティの世界観がここに凝縮されているのは間違いない。
ソニー・ホンダモビリティは、このプロトタイプをベースに開発を進めていくとしており、2025年前半に先行受注を開始。同年中には発売を予定する。
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