新車を買った情報2023、年末年始は「孤独のグルメ」漬けだった私は四本淑三です。
今回の大晦日スペシャルも前回同様プチロードムービー仕立てでした。
まあ野暮なツッコミと申しましょうか、そこはテレ東の番組ですよ。冬ロケともなれば天候や路面状況と相談しながらの撮影となり、経費もかさんでしまいます。草木の緑は白い雪に脳内変換するとか、温暖化の進んだ20年後のつもりで観るとかで、使える限りの想像力を駆使しつつ来年の放送を楽しみにしたい。私はそう思うのであります。
ただ現実の北海道は、これからが冬本番。ロケ地巡礼で大洗からさんふらわあ号でお越しになる方は、必ず冬の用意をしてお出かけください。
今回の話題の中心と致しますのは、その冬の用意。私の場合は昨年夏に買った5年落ちのフォレスターがその筆頭ですが、用意しておいた方がいいものは様々ありましょう。スノーヘルパーを積んでおけ、スコップは鉄製の平型がいいぞ、牽引ロープも忘れるな、その他いろいろ。ただ私が思うにもっと大事ものが他にあります。
もう「こんなに降るとは思わなかった」はナシで
雪が降っても平気で走れるから雪国の人は運転が上手い。なんてことをたまに言われますが、カウンター当てながら角をドリフトで曲がってゆく軽トラのおばちゃんがいる一方、私のようなド下手もおっかなびっくり雪道を走っておりますから、平均すると普通です。
何が違うかといえば、皆がスタッドレスタイヤを履いていること。冬になったら路面が滑るのは当たり前ですから、皆さんその前に履き替えてしまうわけであります。
夏タイヤは気温が7度を下回るあたりからゴムが硬化し性能が落ちると言われております。本当は東京あたりでも冬はスタッドレスの方が良いはずですが、雪が積もるのは年に一度あるかないか。
スキー場へ出かける人、降雪地へ帰省する人などを除けば、皆がスタッドレスタイヤに履き替えるわけではありません。私も東京に住んでいた頃はゴムチェーンで済ませておりました。よっぽど雪がひどければ、コタツで丸くなっていれば良いのであります。東京の雪なんかすぐ消えてしまう幻のようなものですから。
だから雪が降り始めるとうれしくなっちゃうんでしょうか。たまにノーマルタイヤのまま走り始める人がおりますからいけません。沖縄県を除いて積雪路・凍結路をノーマルタイヤで走るのは積雪路・凍結路をノーマルタイヤで走るのは法令違反であります。
ところが駐禁や速度超過には厳しく対応する警察も、普段のノルマにないのかハナから取り締まる気がありません。そして路肩に突っ込みスタックした方は、メディアの取材に対し口を揃えたようにこうおっしゃいます。
「こんなに降るとは思わなかった」
はい、そんなあなたにお勧めのアプリがございます。
降雪量を「積雪深」で表示する神アプリ登場

私がお勧めしたいのは「ウェザーニュース」のアプリです。これで、いつ、どこに、どれくらいの雪が降るのかが分かります。
人気のアプリですから、すでにインストール済みの方も多いでしょう。雨雲をアニメーション表示する機能が便利で、私も年中お世話になっておりますが、その雪バージョンたる「積雪モード」が昨年からこのアプリに追加されています。
このモードで画期的なのが「積雪深」、すなわち降り積もった雪の量の変化を表示すること。
「降水量」で雪が降る量を予報するサービスは他にもあります。しかし、ふわふわに結晶化して体積が爆発的に増えた固体を氷結する前の状態で言われても見当が付きません。それこそ「こんなに降るとは思わなかった」という事になるわけであります。
予想範囲は1kmメッシュ。
気温の上昇や雨で雪が減ってゆく様子が分かるのもいいところ。すぐに消えそうな雪なら家でじっとしている。そこそこ積もりそうならチェーンの用意をするか、雪だるまでも作って遊んじゃう。滅多に雪が降らない地域では、そうした判断の目安にもなりましょう。
ただ、いまのところ1日先、2日先の予想となると、なかなか当たりません。天気予報と併せて最新情報の頻繁なチェックがお勧めです。
ルートマップで目的地までのリスクを知る

去年暮れには「ドライブリスク予報」という新機能がこのアプリに追加されました。予報を面や点でなく「線」で表示するのが斬新です。
カーナビのように目的地と出発時刻を設定すると、ルートマップ上に「積雪」「凍結」といった路面状況を表示します。「札幌から帯広までは全線積雪、途中で凍結箇所もあるぞ」といったことが分かるわけです。
この機能が偉いのは、路面状況の表示が通過予想時刻の予報であるところ。現地に差し掛かった時にあり得る状況だということです。
強風や視界不良も「危険」「警戒」「注意」「リスク低」の4段階で表示します。データは1時間間隔で更新され、1kmメッシュで表示します。
問題は凍結しているかしていないかではない、どう凍結しているかだ

もうひとつ「路面凍結予想」というモードもありまして、これは寒冷地向きのコアな機能かもしれません。
冬になったら積雪や凍結は当たり前ですから、ぶっちゃけ言えばそこは予報の必要がありません。知りたいのはどんな凍結状態なのか。このモードはそれを「アイスバーン」「デコボコ凍結」「シャーベット」「積雪」の4態で示してくれます。
「アイスバーン」はハンドルさばきや加減速に気をつけるしかありませんが、それが「デコボコ凍結」なら「デコボコ凍結」なら気をつけていてもハンドルは取られるでしょう。「積雪」は新雪か降雪中であれば、その下の路面状況が読めません。もし凍結路の上に積もっていると個体潤滑剤のように働きますから大変です。それ以外は除雪されているか圧雪状態でしょう。路面温度が十分に低ければ比較的走りやすいですが、氷点下近くまで上がると滑りやすくなり、表面が削られてデコボコになります。
そしてスタックするのは大体「シャーベット」状態の路面です。圧雪路が砕けたり、融けはじめた雪が再凍結したりで出来上がった砂漠のような路面です。一度ハマると蟻地獄のように抜け出せません。
そこで活躍するのが、スコップやスノーヘルパー、牽引ロープたち。私も積むには積んでいますが、できれば使いたくありません。特に夜は寒くて死ぬ。

やはり冬の北海道をなめてはいけません。ロケ地巡礼は雪が消えてからがお勧めです。春は雪解けでまだ路面がぐちょぐちょだし、夏は暑いし人も多い。おいしいものを食べてのんびり温泉を楽しむなら、やっぱり10月、11月くらいがよろしいんじゃないでしょうか。
さすが賢明と申しますか、番組のロケもそれくらいの時期だったそうです。
皆様、どうぞご無事で。それではまた。