昨年、誕生30周年を迎えたHondaの赤バッジ「TYPE R」シリーズ。その記念すべき年に、6代目シビック TYPE Rが誕生したのは、誰もが知るところでしょう。
壮観さを増したデザイン
取材日の朝。シビック TYPE Rとともに、ドライビング好きのタレントである新 唯(あらた・ゆい)さんと指定の場所で待ち合わせ。定刻になり登場した唯さんは、開口一番「やっぱりカッコいいですね。遠くから見てもスグにわかりましたよ。ほかのクルマとオーラが違う」と言葉を弾ませます。
唯さんが6代目シビック TYPE Rを見るのは、今回が初めてではないどころか4回目。最初はメディア向けのお披露目会。5代目シビック TYPE Rの外観がお気に入りだった唯さんは当初、6代目を見るまであまり乗り気ではなかったのですが、見た瞬間「こっちの方がカッコいい!」と大絶賛。近くにいらした開発責任者の柿沼さんが、その様子を見てニコニコされていました。
2回目は三栄書房刊「シビック TYPE Rのすべて」内でのモデルお仕事。この撮影は、シビック TYPE Rのメディア向け事前撮影会で実施したようで、不肖は三栄さんの取材の翌日にお邪魔。そうしたら多くのHonda関係者から「唯さん、昨日来ていましたよ」とか「今日も唯さんとお会いできると思ったのですが」とか。
一般道でも快適で楽しい新型シビック TYPE R
ということで、4回目は一般道での体験取材になりました。取材先までは不肖が運転。唯さんは後席などで乗り心地のチェックです。「初めて街乗りしましたが、快適ですね。CIVIC e:HEVと比べたら足は硬めですけれど、不満はまったくありません。実にイイですね。あとエンジン音は聴こえますけれど、会話を妨げるほどではありませんね」と、スポーツ系モデルゆえに助手席は苦痛を覚えると思ったのですが、文句ナシといったご様子。先代のTYPE Rにも乗っている唯さん。
スポーツグレードなのに快適? その理由について柿沼さんは先代から「第2世代TYPE R」と銘打って、従来のレーシング(R)要素にロングツーリング(GT)を兼ね備えることをコンセプトとしているのだとか。今回も、そのコンセプトは継承されています。さらにご本人はHonda R&D Challengeの一員として、スーパー耐久シリーズに参戦。「クルマのデキに期待するな」という方が無理でしょう。
スポーティー過ぎないインテリア
今一度、収納をチェックしましょう。CIVIC e:HEVよりも軽いバックドアを開けると、十分な容積。プライバシーシェードが巻取り式で、大きな荷物を収納する際にとても便利。もちろんリアシートを倒せばより多くの収納スペースが得られます。
次は室内をチェックします。「インテリアがスポーティー過ぎないのもイイですね」と、インテリアも気に入られたよう。それに暗い場所になると、運転席と助手席のドア内張が赤く光り「オシャレですね」とニッコリ。運転席まわりで唯さん的に気になったのは、パーキングブレーキが電子式であること。
その近くには走行モード切替ボタンがあり「コンフォート」「スポーツ」「+R」「インディビジュアル」」の4つから選択可能。それに伴い、LCDメーターパネルの表示が変わり、+Rモードはレーシングを強烈にイメージさせるもの。それは走りにも当然現れます。
ナビ周りに目を向けると、基本的にはシビックのそれと一緒。ですがLogRというアプリが追加されています。これはGPSを用いてサーキット走行などでラップタイムの計測や、車両のGセンサーを表示、そして記録するもの。こうしたアプリで機能拡張できる設計は、実にイマドキであり、また他車ではあまり見かけないものです。
エンジンは2リットル直4ターボ。先代に比べて10PSアップの330PS、最大トルクも400N・mから420N・mと増やしながら、発生回転数帯が500回転下がりました。「赤いトップカバーに、TYPE Rのロゴ。特別感がありますね」と唯さんは笑顔です。
ボディーサイズは全長4595×全幅1890×全高1405mm、ホイールベース2735mm。先代に比べて全長で35mm、全幅で15mm、ホイールベースで35mm伸長した一方、全高は30mmダウン。標準車に比べてワイド化されたフェンダーと相まって、ワイド&ローの印象がかなり強くなりました。車重は40kgアップの1430kgです。
リアにはウイングが取り付けられています。クローズドボディのスポーツカーにはウイングが必要と公言する唯さんのハートをガッチリキャッチ。「形状が面白いんですよね」と観察しきり。こちらに関しても、前述の過去記事をご参照ください。
普段乗りを快適にさせる三種の神器
「前のモデルより楽しいかも」と唯さん。「エンジンのレスポンスが明らかにアップしています。前はパワーで楽しむ感じでしたが、今回は走り全体で楽しむクルマに仕上がっているように思います」と声を弾ませます。レスポンスアップはフライホイールの軽量化によるもの。「街乗りもすごくラクなんです」というように、とても粘るエンジンに仕上がっているではありませんか。
「街乗りで4速で走っている時、車速が落ちて、また上がるということがありますよね。その時、1000回転以下にまで下がっちゃうので、普通ならシフトダウンなどをするのですが、そういう動作がイラナイんですよ。ずーっと4速ホールドで行けちゃいます。しかも4速1000回転以下からアクセルを踏めば、一気に加速するんです」。これは渋滞ノロノロの多い街中では実に有利。トルクの太さも相まって「MTだと街乗りが大変」という人にこそ、今回のシビック TYPE Rは乗ってもらいたいクルマです。
シフトダウン時に自動的にエンジン回転数を合わせる「レブマチックコントロール」も進化。クラッチワークさえ気を付ければ、シフトダウン時にガクガクさせることがありません。実に滑らかに街乗りが楽しめるのです。
唯さんは坂道発進の時、パーキングブレーキを多用されます。これが電子式なので、実に器用に指を動かしながら発進させるのですが、ちょっと大変そう。そこで「オートブレーキホールド機能を使ったら?」と進言。
「これ、メチャクチャラクですね!」と、さらに笑顔。ただし、このブレーキホールド機能は、エンジンを切る度にリセットされるので、いちいちオンにするのは面倒だったりします。
エンジンレスポンス、レブマチックコントロール、オートブレーキホールドの3種の神器により、普段乗りがすこぶる快適。「とってもラクなクルマですよ!」と言う唯さんの言葉に嘘偽りありません。
昔ながらのクルマ乗りの人は「なんだ、電子制御で面白くないクルマなのか」と思うかもしれませんが、そんなわけありません。「このクルマ、街乗りが楽しいんですよ。クルマがシッカリと地に足が着いている安定感があって、クイックに曲がれるんです。視界が広いから怖くないんですよ」と絶賛。街乗りで楽しめる、というのは、この手の「速い」クルマにしては珍しいところ。
「いつまでも運転していたくなりますね」と満面の笑みです。とにかく生理的にとても心地のよい1台。500万円というプライス、納車まで長期間待たされるとしても「ひょっとしたら最後の純ガソリンエンジンのTYPE R」を買わない理由はない、と言いたくなります。
もちろん+Rモードなども試しました。ですが、CONFORTで十分に楽しい! 先代では+Rモードでずーっと走らせていたのに、いつしかCONFORTに戻している。そこにこのクルマのすごさを感じました。
「速くて、快適で、使い勝手がよくて、運転していて楽しい」。それは誰もが求めますし、新車発表会などでメーカーがよく口にする言葉です。確かに速いクルマはいくらでもあります。速さはともかく、運転が楽しいクルマもあります。ですが、すべてを満たすクルマは、そう多くありません。第2世代TYPE Rと銘打った6代目シビック TYPE Rは、その狙いが見事に実現した1台といえそう。
「そう考えると500万円というプライスは、お買い得かもしれませんね」。物欲しそうな眼でシビック TYPE Rを見ていた不肖に、唯さんは笑顔で悪魔の一言を放ったのでした。
■関連サイト
モデル紹介――新 唯(あらた ゆい)
10月5日栃木県生まれ。ファッションモデルとしての活動のほか、マルチタレントを目指し演技を勉強中。また2022年はSUPER GTに参戦するModulo NAKAJIMA RACINGのレースクイーン「2022 Moduloスマイル」として、グリッドに華を添えた。











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