日産/エクストレイル(319万8800円~)

 今季待望のTVアニメ「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います」の第2期OPを歌うアイドルユニット「純情のアフィリア」のメンバーにして、ASCII.jp自動車部のゆみちぃ部長でもある寺坂ユミさん。今回試乗するのは、日産自動車の本格SUV「エクストレイル」です。かなり大きなクルマなのですが、ゆみちぃ部長は傷をつけることなく運転できるでしょうか?


エクストレイルはアリアの対抗馬になるか?

SUV大好きアイドルは日産「エクストレイル」にアウトドアの夢を見るか?
ゆみちぃ部長が2022年で最もお気に入りクルマとして選んだ日産アリア

 昨年試乗したクルマの中で、最も気に入っているクルマは何? と尋ねると秒で「日産アリア」と即答する、我らのゆみちぃ部長。「静かで乗り心地がよくて、インテリアもよくて、荷物がいっぱい載せられて……」というように、SUV+BEVというパッケージに魅力を感じているようです。


 「あと日産サクラもよかったですね」と、2022年のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞した軽EVの名も。知多半島で生まれたゆみちぃ部長は、朝は「喫茶店で小倉トースト」を、給食は「きしめん」、おやつの時間は「ういろう」、夕飯のごちそうは「エビフライ」、日々T社のクルマに乗って育ち、流れる血の色は八丁味噌といっても過言でないほどの濃厚愛知県民であるにも関わらず、上京して〇年。気づけば横浜と書いてハマと読む女になってしまったのでした(一部誇張があります)。


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エクストレイルのパワーポイントとゆみちぃ部長

 そんな日産党員のゆみちぃ部長が、同社の新型SUVを見逃さないワケがありません。そしたら、これまたタイミングよく日産自動車広報部から「ちょっと乗ってみませんか?」と試乗会のお誘いをいただきましたので、お邪魔する運びとなりました。早く試乗したいところですが、まずは広報さん謹製のパワーポイントで新型エクストレイルについてお勉強することにしましょう。


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エクストレイルの歴史

 エクストレイルはミドルサイズの本格SUVとして2000年に誕生しました。開発コンセプトはズバリ「タフギア」。家族4人でキャンプ場やスキー場などのアウトドアを楽しむクルマとして生まれたのです。ゆえにFFのほか4WDも用意されました。その後、2007年、2013年にモデルチェンジ。今回「タフギア」のコンセプトを継承しながら、上質感をプラスして生まれ変わりました。


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4代目エクストレイルのコンセプト

 4代目エクストレイルの商品コンセプトは「新次元の4WDで悪路からシティーまで余裕をもって楽しむことができる上質な本格SUV」というもの。タフギアというコンセプトはそのままに、3代目に加わった日産の先進技術、そして上質さをプラス。日産だからこそできるSUVとして誕生したのです。


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広報さんの推しポイント3つ

 ということで、広報さんが考えるエクストレイルの推しポイントを教えてもらうことにしましょう。ポイントは3つ「内装」「新開発エンジンとe-POWER」「e-4ORCE」です。「なんかeが多いですね。つまりイイクルマということですね!」と、ゆみちぃ部長は目を輝かせます。


エクストレイル 推しポイント「インテリア」

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エクストレイルの室内
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エクストレイルの室内
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ヘッドアップディスプレイやフルTFTメーターで使いやすさをアピール
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12.3インチメーターパネル

 室内は広がりを覚えるデザイン。そして大型のナビ画面やヘッドアップディスプレー、そして12.3インチのTFTディスプレーなどにより、必要な情報がスグにわかるよう工夫がなされています。「パッと見てわかるって、すごく重要ですよね」と気に入られたご様子。


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 室内はテイラーフィットと呼ぶ合成革の新素材を採用。シボの間隔を指紋に近づけることで、手触りのよさを追求したのだとか。実際に触れてみると、これが実に心地よく。「スベスベして手触りがいいのですけれど、滑り過ぎないんですね。ハンドルはずーっと触っている部分なので、これはとてもイイです。あとシートのクッションも形もイイ感じです」と、ゆみちぃ部長はたいそうお気に入りのご様子です。


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 ついでにハンドルやセンターコンソールまわりをチェックしてみましょう。ハンドル形状はD型でスポーティーさを演出。右手のステアリングリモコンには、ゆみちぃ部長お気に入りのプロパイロットボタンがついています。スマホトレイは横置きでQi充電に対応しているのですが、「横置きか……」と撮影係で書記の部員Kはちょっと残念な気分。というのもスマホは縦に持つモノで、横に置く際は手を捻らないといけないから。「幅は十分あるから、深さを持たせて2台並べて置けるようにすればいいのに」と、複数台持ちの部員Kは不満タラタラです。USBソケットはType-AとType-Cの2系統用意。ですが、ちょっと置くにあるため差し込みずらそう。両方ともType-Cにしたらラクなのに、と思いました。


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 シフトレバーはプレイスティック式。ドリンクホルダーは2つ用意されています。パーキングブレーキは電子式で、その近くにはオートブレーキホールドのボタンがあります。大きなダイアルは走行モード切替です。「センターコンソールが結構高い位置にあって、コクピット感が強いですね。NOTEやAURAもそうでしたけれど、こういうタイプの方が好きかも」と、ゆみちぃ部長は軽自動車のような足元広々タイプより、スポーティーな印象を受けるコクピットタイプが好ましいようです。


エクストレイル 推しポイント「VCターボ」

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 広報さんの推しポイント2つ目は、世界初のVCターボ(可変圧縮比エンジン)にe-POWERを組み合わせた新型パワーユニット。なんだか難しい言葉が出てきたので、少し詳しく教えてもらいましょう。まずはe-POWERについて。


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 e-POWERは、日産自動車が2016年に先代ノートで初めて採用したハイブリッドシステムのこと。エンジンが駆動も行なうパラレルハイブリッドとは異なり、エンジンは発電のみに徹し、駆動はモーターのみというシリーズハイブリッドです。エンジンを最も効率のよいポイントで発電するため燃費向上が期待できますし、電気自動車のような加速フィールや静粛性が得られると、よいところどりのシステムなのです。


 電気自動車に魅力を感じているゆみちぃ部長。ですが「長距離を走る時、どうしても充電が怖いですよね。いまだ数が少ないでしょうし」というように、インフラに不安を覚える方は多いかと思います。実際、日本全国のEV充電スタンドが検索できる情報共有サイト「GoGoEV」によると、2022年12月時点で充電スタンド登録拠点数は1万9487拠点。そのうちCHAdeMO(急速)は8114拠点なのだとか。残りは満充電まで十何時間もかかる普通充電……。結果、ガソリンエンジン搭載車が現実的選択肢となるわけですが、BEVの魅力には逆らえないという揺れる乙女心を、e-POWERは満たしてくれるというわけです。


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VCターボのメリットは3つ
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静粛性に心をときめかせるゆみちぃ部長
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e-POWERパワーユニットを見るゆみちぃ部長
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VCターボユニットはかなりコンパクト

 続いてVCターボについて。これはピストンのストローク量を任意に変化させることで圧縮比を変えるというスゴいシステム。つまり排気量を任意に変更できるのです。結果、1つのエンジンで、燃費とパフォーマンスを両立させることができるのだそう。どうやらジェネレーターを始動する時には大トルクが必要になるのですが、その時、排気量をあげる方向に動かせば、振動を抑えて静粛性が確保できるというわけ。


 一方、回転し続ける時は大きなトルクは必要がない=大排気量は必要ないので、圧縮比を高め(排気量を下げ)て燃費効率をよくする、という考えのようです。ちなみに、日産自動車では2025年までにVCターボエンジンの熱効率を現在の40~50%へと引き上げることを目標にしているのだとか。4割でも凄いのに5割って……。


エクストレイル 推しポイント「e-4ORCE」

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広報の推しポイント3つめはモーターによる四輪駆動システムe-4ORCE
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前後のモーターとブレーキを統合制御し、タイヤを緻密にコントロールするという
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駆動時や静止時で快適性を実現するという

 最後の広報さん推しポイントは、モーターとブレーキを連携させた先進の4輪制御技術e-4ORCEです。コーナーリング時に生まれる内輪・外輪のなどを細かく制御することで、快適かつ意のままに走れるのだとか。さらに停止時にガックンとなりづらいとか。「うーん?」と可愛く首をかしげるゆみちぃ部長。そこで動画でわかりやすくイメージしてもらいましょう、と出てきたのはカウンターでラーメンを運ぶクルマ。



 動画を見たゆみちぃ部長は「ラーメンが食べたい」、部員Kのお目付け役で会計担当の部員Sは「紙コップに入れた水をこぼさないで峠を走れるんですか?」と言い出し、部員Kも広報さんに「エクストレイルでラーメンを配達したらこぼさないんですか?」と質問する始末。広報さんは「あくまでイメージとして」と笑いながら答えられました。ということで、ラーメン食べたい部長を連れて、クルマを触りに行きましょう。


ミドルサイズならではの収納能力

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エクストレイル
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エクストレイルとゆみちぃ部長。(モデル身長は161cm)

 4代目エクストレイルを見たゆみちぃ部長は、その大きさに「でかっ!」というと、「こんな大きなクルマ、運転できるかしら?」と不安げに。サイズは全長4660×全幅1840×全高1720mmと立派にミドルサイズ。「これでミドルサイズなんですか?」と驚きながら、さらに不安な表情を浮かべます。


 大丈夫です。昨年アウディのe-TRONという車幅2m近い、もっと大きくてエクストレイルが2台買えるクルマを運転したのですから。


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オシャレは足元から

 これカッコいい! とオシャレ部長が目をつけたのはホイール。サイズは19インチで、ツートーンがイイ感じ。ハンコック製のタイヤを履いていました。「ホイールがカッコいいクルマっていいですよね」とニコニコです。


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エクストレイルのリアビュー
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バックドアを開けた様子
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 ラゲッジスペースをチェックしましょう。さすがの広さで文句なし! さらに12Vアクセサリーソケットのほか、100VのACアウトレットも用意されています。部員Kの記憶なので曖昧なのですが、日産車で100Vコンセントをつけてきたのは初では? ゆみちぃ部長もニッコリです。


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 さらにウレシイのは、後席を倒すとフルフラットのスペースが現れるところ! つまり車中泊ができそうなのです。となると、お待たせしました。荷室でゴロリンのお時間がやってきました。部員Kが「部長、フルフラットになりますよ!」と言った瞬間、ゆみちぃ部長は「はいはい」と荷室に入るようになりました。


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 今回のエクストレイルは上質がテーマ。その極みは運転席よりも後席にあります。とにかく広い! さらにアメニティも充実しています。まず、後席はシートヒーターに対応し、さらにUSBもAとCの2タイプを用意。さらにプライバシーシェードも用意されています。


 「このクルマ、運転するより後席に乗るためのクルマですね」と言って、動こうとしないゆみちぃ部長。「だって大きいし……」という部長を運転席に乗せ、いざ出発です。


都内の道でもスイスイ走れるe-4ORCE

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 以前のフェアレディZと同様、今回も乗れる時間はわずか。しかもフェアレディZの時は、都内の道がワカラナイ、つまりナビにもならない部員Sが助手席座ったため、見事に渋滞にハマって時間に遅れ、次の媒体を待たせてしまう展開になりました。ですので今回は生まれも育ちもシティボーイの部員Kが助手席に。「はい右曲がって。2つ目の信号を右ね。速めに車線変更して」と、まるで路上教習状態です。


 「結構静かですね。さすがに電気自動車ほどではないですけれど」という部長。エンジンが動いている時はハッキリとわかるのですが、それでもミドルサイズSUVとしては、相当静か。「走りもパワフルですね。あまりアクセルを踏まなくてもイイみたい」といいながら、楽しそうに街をかけぬける部長。「e-Pedal(ワンペダル)動作もあるんですね。すぐに信号の街乗りだと、これは便利ですね」とご満悦です。


 e-4ORCEの効果は、街中では停止時に「ほかのクルマと比べれば滑らかかな」という感じ。残念ながらラーメンはこぼさずに停止するのは無理っぽいです。e-Pedalを使っている時の方がスムーズになるのですが、新型ノートのあたりから完全停止時はブレーキペダルを踏む必要があるため、ブレーキペダルの踏み方によってはガックンとなったり。これはほかのクルマでも同じですが。


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 ということで、ちょっと触っただけでお時間は来てしまい試乗終了。「もっと長距離とか乗ってみたいですね」というわけで、こちらも近日、再取材決定に。「なんかすごくイイクルマなんだろうな、というのはわかりました」というわけで、最後に車庫入れ。「できるかなぁ」と挑戦。


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 アラウンドビューモニターやバックカメラがあるので問題ありません。最初は大きなクルマだからと怯んだ部長ですが、試乗後はたいそう気に入った様子。「エクストレイルにキャンプ用品をいっぱい乗せてお出かけしたいです!」と夢を見るゆみちぃ部長でした。


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寺坂ユミ(てらさかゆみ)プロフィール

SUV大好きアイドルは日産「エクストレイル」にアウトドアの夢を見るか?

 1月29日愛知県名古屋市生まれ。趣味は映画鑑賞。志倉千代丸と桃井はるこがプロデュースする学院型ガールズ・ボーカルユニット「純情のアフィリア」に10期生として加入。また「カードファイト!! ヴァンガード」の大規模大会におけるアシスタント「VANGIRLS」としても活躍する。運転免許取得してから上京後は一切運転していなかったが、最近ペーパードライバーを脱出。こだわりが強く興味を抱くとのめりこむタイプであることから、お気に入りの1台を探す予定。


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