2023年のSUPER GT第2戦「FUJIMAKI GROUP FUJI GT450km RACE」が5月3~4日に富士スピードウェイで行なわれ、ASCII.jpが応援する冨林勇佑選手が駆る「マッハ車検エアバスター MC86 マッハ号」は、ポイント圏内を目指すも、終盤のアクシデントが響き、GT300クラス22位でレースを終えた。
前回の岡山大会では、ウエットコンディションで大苦戦を強いられてしまい、決勝も最後尾からのスタートとなったが、着実にポジションを上げて15位でフィニッシュした。

今回の富士は、サクセスウェイトを積んでいない分、ひとつでも上位に食い込みたいところだったが、そう簡単にいかないのがSUPER GT。予選日から試行錯誤の展開が続いた。
大型連休の合間のレース
晴れの予選はQ2進出と幸先も良く
岡山大会とはうって変わり、予選日から晴天に恵まれた富士スピードウェイ。午前の公式練習では、各車が積極的に周回を重ね、予選と決勝に向けた準備を進めていった。もちろん、5号車もセッション序盤からコースインしたのだが、その2周目にマシントラブルが発生し、コース脇にマシンを止めた。原因は昨年からも時より見られたハーネス関係のトラブルで、マシンがピットに戻されると、メカニックが急いで作業をし、セッション後半には走行を再開。最終的に1分38秒641で25番手タイムとなった。

少し流れに乗れないまま午後の公式予選を迎えることとなったが、Q1担当の松井孝允選手が、渾身のアタックを披露。1分36秒384をマークし、A組7番手を獲得。最近はドライコンディションになると、かなりの激戦となるGT300クラスのQ1なのだが、それを見事に突破し、Q2進出を果たした。
続いてマシンに乗り込んだのは第1ドライバーを務める冨林。実は、SUPER GTにデビューした昨シーズンから、常にQ1を担当してきていたため、意外にもポールポジションをかけたQ2でアタックをするのは、これが初めてだった。

万全の状態でタイムアタックに臨みたいところだったが、今回5号車が予選アタックで使おうと思っていたタイヤが、事前のマーキングの都合上2セットしかなく、そのうちの1セットはQ1で使用。
さらに時刻は16時を過ぎ、気温と路面温度が下がり始めている中でのタイムアタックとなったが、冨林は与えられた状況下で、ベストを尽くす走りを披露。1分36秒187のベストタイムで、14番手となった。

「フロントがユーズドだったのは少し厳しかったです。仮に4本ともニュータイヤであれば、7~8番手あたりには行けていたと思います。でも、ユーズドタイヤの割には良かったと思います」と冨林。それでも、今季はマザーシャシー勢は劣勢な雰囲気があるなかで、Q1を突破できたことについては、ひと安心という様子だった。
「昨年ここで履いたタイヤに合わせて、持ち込みのタイヤとかも選択していたので、今回使ったスペックをもう少し重視した戦略にしていれば、もっと良い結果になったのかなと思います。でも、決勝に向けても、このタイヤの方が良いので、決勝ペースを上げていければ、良いところはいけるのではないかなと思います」と語った。
予選でポールポジションを獲得したのは56号車「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」。ベテランドライバーのJ.P.デ・オリベイラ選手が「1'35.114」を叩き出し、文句ナシのトップタイムを飾った。なお、オリベイラ選手はGT300でポールを獲得したのは初とのこと。


サーキットは満員御礼!
450kmの長距離レースの決勝を制したのは!?
迎えた5月4日の決勝日。コロナ禍の制限も緩和され、ゴールデンウィーク中の開催ということもあり、この日は4万8600人ものファンがサーキットに駆けつけ、大盛り上がりとなった。

GT300クラス14番手からスタートする5号車は、冨林がスタートを担当。今回は450kmレースで、途中に2度の給油を伴うピットストップを行なわなければいけないというルールがある。今年も5号車陣営は“超変則作戦”で臨んだ。

1周目を終えたところで、1回目のピットストップを行ない、残り99周(GT500の周回)を1ストップで乗り切るという作戦に出た。これは昨年も行なったのだが、レース展開に恵まれず、うまく機能しなかったのだが、今年も上位進出のために再トライした。

ほかにも同じ作戦をとった車両が数台いたが、周りにGT300の車両が何台もいない状況下で、自分のペースで走れるというメリットは大きい。冨林は“450km先の逆転”を目指し、ひたすら周回を重ねた。
これで、フルコースイエローやセーフティカーが出て、レースが荒れれば逆転のチャンスも大きくなったのだが、今回は珍しく波乱の起きないクリーンな展開となった。5号車としてはベストな展開とはならず、冨林も思うようにペースを上げられず苦戦。64周を走りを得たところで2度目のピットストップを行ない、松井にドライバー交代した。

後半も劣勢の展開になったが、なんとか順位を上げようとプッシュした松井。

これで、ディフューザー付近を破損し緊急ピットイン。応急処置をしてコースに復帰するも、大きくポジションを落としてしまい、22位でレースを終えた。
最後は不運もあって仕方がないところではあったが、レースを終えた冨林はいつになく落胆気味だった。
「僕の前半スティントで、本当は38秒台で回れそうな感じはあったんですけど、決勝日の路面温度が(予選日より)上がったことで、タイヤ的はキツいところがあって……実質的に39秒5くらいのアベレージになってしまいました。燃料が軽くなってきたところで、38秒台にいけるようにプッシュしたんですけど、最後はタイヤがブローしてしまって、ペースが落ちてしまいました。予選日より路面温度が2~3度上がってしまったんですけど、それでタイヤの温度レンジが外れてしまいました。後半の松井選手も、同じような状況が起きていました」



次回の舞台である第3戦鈴鹿は、冨林がSUPER GT初表彰台を経験したレースでもあるのだが、現状では前向きな要素が少ない模様。「このままではまずいですね」と表情も雲りぎみだった。
「今のままだと、鈴鹿も同じようにダメになりそうなので……。昨年からシャーシも変わっているので、そこの部分で何かあるのかもしれないですし、昨年のデータとかセッティングをかも参考にして、とにかく何かきっかけを見つけないといけないですね」
昨年にはなかった課題が浮き彫りとなってしまっている感がある5号車だが、チームを引っ張る立場にもある冨林としては、持ち前のガッツで、この状況を脱してほしいところだ。
なお、GT300全体を見ると、ポールスタートの56号車「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」が終始レースを支配し、そのままチェッカー受けた。2位は2号車「muta Racing GR86 GT」、3位は52号車「埼玉トヨペットGB GR Supra GT」という結果で、国産車が表彰台を独占する形になった。






たくさんのファンに囲まれたレースクイーンたち
















ピットウォークとグリッドウォークで撮影した
レースクイーンたち
ここからの写真は、記事担当のスピーディー末岡が最近購入した「Galaxy S23 Ultra」で撮影したレースクイーンのみなさんをお届けする。






















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