会社員兼レースクイーンが
ラリードライバーに挑戦する!
みなさん、初めまして! 月金サラリーマン、土日レースクイーンの赤城ありさと申します! 週末のひとときこそ華やかですが、平日は地味なスーツでバリバリ営業職で日本各地を飛び回っております。ちなみに、昨年はSUPER GTで5号車マッハ号のレースクイーンをしていたので、冨林選手の記事で毎回ASCII.jpにも載っていました(eSportsからリアルレースへ! SUPER GT マッハ号、冨林勇佑選手密着レポ)。
そんな私ですが、ひょんなことから夢だったモータースポーツに挑戦することになりました。
以前、ASCII.jpさんでも掲載していただいたとおり、私は突然ラリーデビューすることになったのです(ラリーで痛車を走らせたCJRTが女性チームとして復活ッッッ! TGRラリーにスポット参戦)。
きっかけになったのは、Formula Drift Japan(FDJ)に参戦するCUSCO Racingのレースクイーン「高崎くす子ちゃん」に応募したことでした。高崎くす子ちゃんとは、自動車アフターパーツメーカーCUSCOのイメージキャラクターで、巫女風衣装が可愛いなーと以前から思っていました。その高崎くす子ちゃんの募集があることをTwitterで知って、即エントリーしたのです。無事に書類選考を通過し、面接に漕ぎ着けることができました。
そこで出会ったのがCJRT(CUSCO Junior Rally Team)の松井監督。この人が高崎くす子ちゃんの生みの親で、CUSCO Racingレースクイーンのキャスティングも担当しているのだとか。
ありがたいことに、私のことは昨年のSUEPR GTで披露した「トリケラトプス拳」のポーズの写真を見て興味を持ってくれていたみたいです。……あら、皆さんはトリケラトプス拳をご存じないですか? みなさん、格闘漫画の「バキ」シリーズは絶対読んだ方がいいですよ! 普通のポージングに飽きた私は、この作中に出てくるトリケラトプス拳の構えをしまったのです。こともあろうに、神聖なSUPER GTのピットで!
バキという共通の話題から、話がどんどん漫画トークへよ脱線していき、クルマ好きなら誰もが知っている漫画「湾岸ミットナイト」に。
今回の面接はドリフト参戦チームのはずなのに、いつの間にか深いラリートークへと突き進みます。そこで松井監督は「ラリーやってみる? うちのチームは女性ドライバーの実績がたくさんあるよ」と。
実は私、モータースポーツをやってみたくて、レースクイーンになる前に女性ドライバーが主役のレース「KYOJO CUP」のオーディションに応募したことがあるのです。残念ながら箸にも棒にもかからなかったのですが……。そんな過去があったので、つい「やります!」と即答しました。「じゃあネタ枠として採用ね(笑)」と高崎くす子ちゃんも無事やらせていただけることになりました。
あのときに「ラリーやらない」と答えていたら、果たしてオーディションに合格していたのかは今でも謎です。
目標は大きくラリージャパン出場!
でもその前にラリー経験を積まなければならない
このように高崎くす子ちゃん兼ラリードライバーデビューが決まったのが今年の2月。その後、さまざまな調整を重ねて、初めて出場するラリーは7月2日の「TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge Rd.5 渋川伊香保」に決まりました。そして最終的な目標が、日本で開催される最高峰のラリーである、FIA世界ラリー選手権(WRC)のラリージャパンとなりました(しれっと書いてますが、これもかなりヤバいです。後日触れます)。
とにかくもう最初のラリーまで時間がありません! まず初めに、JAFの国内Bライセンスを取得することからスタートです。JAFライセンスがないと、JAF公認ラリーであるTOYOTA GAZOO Racing Rally Challengeに参加できません。この通称Bライは、JAFモータースポーツのHPからオンラインで講習を受けることができ、動画でモータースポーツの基礎知識を学んだ後、○×テストを受けると誰でも取得することができます。
ちなみにBライがあれば、ラリーだけでなくジムカーナやダートトライアルといった1台ずつ走る自動車競技に出場することができるようになります。
さて、通常であればBライ取得→ラリー参戦となるわけですが、私の場合はそう簡単ではありません。企画の目標が2025年のラリージャパンに設定されたため、早急に国際ライセンスまで上げないといけません。JAFライセンスは、国内B→国内A→国際C-R→国際C-C→国際B→国際A……といったヒエラルキーがあり、WRCラリージャパンに参加するためには国際C-R以上のライセンスが必要なのです。国際C-Rの取得条件は、国内Aを持った状態で24ヵ月以内にJAF公認競技で10回以上完走すること。その10回のうち5回は、ラリーでの完走が必要です。
つまり、私、赤城ありさはこれからAライを取得して、2年間のうちに10回競技に参加し完走しなければならないのです。デビュー戦である渋川伊香保もその1回にカウントしたいので、7月までにAライも取得することになりました。Bライを取得した直後に、筑波サーキットで開催されるAライの講習会を申し込む私……。
国内Aライセンスの取得方法は、Bライと大きく違う部分が1つございます。勘の良い皆さんはお気づきでしょう。そうです、実技試験があるのです。国内Aライセンスは、全国のサーキットにて行なわれている講習会を受講することによって取得することができます。もちろん各種規則に関する講義を受け、走行試験、筆記試験において合格しないと取得できません! すなわち、落ちる(不合格)可能性があるということです!
初めての筑波、初めてのラリーカー
Aライセンスのテストに合格できるのか!?
講習会当日は、CJRTからお借りしたヘルメット、ハンス、グローブ、シューズとBライを持って筑波サーキットに向かいました。車両もCJRTで用意してくれたトヨタ・ヤリスCVTで、何から何まで用意してくれたチームに感謝です(この車両についても後日触れます)。
しかしながら、Bライ取り立てホヤホヤ、さらに初めての筑波サーキットでひとり孤独といった状況にかなり緊張です。普段の会社員生活における営業出張で地方に行った際には、レンタカーのヤリスに乗る機会は多いのですが、ラリー車になると全然別モノです。バケットシートは初めてでしたが、事前にシートの高さや角度もチームが私の体格に合わせて調整してくれたので、とても運転しやすかったです。
筑波サーキット内の会場に到着したらまずは受付を済ませ、その日の走行試験にて使用するゼッケンと計測器を受け取りました。ビニールテープでフロント、サイドドアにゼッケンを3ヵ所貼ります。計測器は運転席のドアポケットに入れ、ビニールテープで固定。これでタイムを測定するそうです。
9時からは座学でみっちり知識を頭に叩き込みます。お昼までしっかりお勉強すると空腹感でいっぱい。朝が早くて何も食べていなかった私は、サーキットの食堂でガッツリ麻婆茄子定食をいただきました。
午後はサーキット走行経験のない参加者向けにまずサーキットトライアルで走行体験。この日の参加者の皆さんは私と同じくサーキット走行経験がなく、みんなでサーキットトライアルからスタートです。サーキットで走る上で気をつけることは、まず旗信号の意味を理解すること。事故やトラブルが起きた際に旗信号を見て正しく対応できなければ、レースはおろか、サーキットを走る資格がないと見なされてしまいます。
ラリーカーとはいえノーマルパワーのヤリスに乗る私は、サーキットを全開で走る速い車両の邪魔にならないよう、スローペースで走る車両の後ろについてゆっくりサーキットを周回することに。速い車両が後ろから迫ってきたら、ハザード点滅でコース端に寄って避けることに徹しました。実際に初めてサーキットを走ってみると、正直ものすごく恐怖を感じました……。同じコース上にものすごいスピードの車両がギャンギャン横を走り抜けていくのですから。
私もレースクイーンをさせていただいているスーパー耐久みたいにクラス分けの多いレースでは、後方から迫るクラス上の速い車両を上手く抜かすこともひとつのテクニックと言われるのですが、そのすごさ、大変さを実感しました。
サーキットトライアルが終わると、次はいよいよ走行試験です。試験では走る速さではなく、走行時のマナーや、旗信号を理解しているかをチェックされます。特別なことをする必要はなく、走行試験でも速い車両の邪魔にならないよう注意を払って走ります。参加者の皆さんの車はレーシーなものからオフロード車、軽自動車など様々、走り方も速さも全然違います。サーキット走行自体には少しずつ慣れてきたものの、恐怖心は残ります。
試験で不合格になりやすいのが、コース上に危険があり、追い越し禁止を意味する黄旗が表示されているときに、前車を追い越してしまうことみたいです。そこで私は、速く走ることよりも各ポストの旗と背後に注意し、余程遅い車両が前にいない限り追い越しをしないよう心がけました。これならよっぽどのことがない限り合格するはず。
コースに出ると、私のように試験合格に徹して慎重に走る車両とタイムアタックを目的とする車両に分かれます。そんな状態で10周くらいしたかな……と、気づけばチェッカーフラッグが振られて無事完走することができました。
無事に走行を終えて安心したのも束の間、次は筆記試験です。座学の内容を振り返りながら、丁寧に問題を解いていきます。試験を終えるとその場で採点され、合否が発表されます。今回の講習会では、私を含めて参加者全員が合格できました! 会場ではみんなで拍手。ひとりぼっちでの参加でしたが、それを感じないほど主催者さんも他の参加者さんも優しくて、本当に楽しい講習会となりました。
Aライ取得でホッとしながらチームにヤリスを返却すると、松井さんから「次はTGRラリーチャレンジの公式練習会だから」と告げられました。またしても展開が早い……。レースクイーン以外の土日スケジュールがどんどんラリー関係で埋まっていきます。そして年頃なのに、プライベートの浮かれた予定もなく、すんなり埋まる私。 街で幸せそうなカップル(死語?)を見るたびに「でも私の方が絶対幸せだッ!」と自分に言い聞かせて頑張ります。
今度は渋川伊香保の練習走行会に参加
サイドブレーキターンを学ぶ
Aライ取得から数週間後の土曜日。TGRラリーチャレンジ公式練習会の開催前日に、CJRTを運営するウェルパインモータースポーツさんの群馬ファクトリーに車両を受け取りに行った私。この日、カラーリング作業を終えたくす子ちゃんヤリスと初対面しました。か、かっこいい……。痛車なんだけど痛くない、くす子ちゃんのかわいさと赤白ベースのスタイリッシュなベースカラーが見事に融合しています。
このくす子ちゃんの笑顔は「私が守護らねばならぬ」と心に誓いつつ、キーとチームウェアを受け取りました。 チームウェアのブルゾンやTシャツは一般販売中なので、私とお揃いになりたい奇特な方はチームの公式ウェブサイト(記事の最後にあります)からぜひ購入を!
そしていざエンジンをかけようとした時でした。キュルキュルキュル……キュルキュルキュル……。あれ? セルは回るのに。
「エ ン ジ ン が か か ら な い」(絶望)
ファクトリー内を物色して、ブースターケーブルと競技用軽量バッテリーを発見してジャンプスタート。肝を冷やしながらも、無事に前日入りができました。
練習会当日のスケジュールは、午前グラベルコース、午後ターマック林道コースです。グラベルコースはS字コーナーやスラロームのある基本的なパイロンコース。そして、初グラベルで無謀にもアクセルをブラジルまで踏み抜いた私。S字コーナーで走行ラインが膨らんでしまいます。そして電子制御がかかり車体が大失速。
くす子ちゃん号は改造範囲の狭いRPN車両という車両規則に従って製作されており、純正の安全制御がいきたままなのです。悪戦苦闘する私に、今回のコドラ兼指導役を務めるベテランコドライバー蔭山 恵選手がお手本を見せていただくことに。すると新たな発見がありました。
私は必死にステアリング操作のみでS字コーナーを曲がろうとしていたのですが、蔭山選手はサイドブレーキを引いて車体の角度を調整しながら効率よくコーナーを抜けていきます。これがラリーの常識だったみたいです。私もサイドブレーキでの調整に挑戦してみましたが上手くいかず、結局ステアリングで曲がる練習をしました。グラベルのコツは、滑るから早め早めにハンドルを切ること。これだけでも学べてよかったです。
午前のグラベル練習後はお昼休み。お弁当を食べ終えると、空き時間にタイヤ交換のやり方を和田裕憲メカニックに教わります。手順は覚えられそうですが、タイヤが想像以上に重い。外すのは簡単ですが、装着がかなり大変でした。あと、ラリーの練習会に白いエアフォースワンを履いてきてはいけないことを知りました。
林道デビューでラリードライバーらしく!
さて、気を取り直して午後はターマック林道です。ちょっとした峠道は普段のお仕事中に営業車で走ったことはあるのですが、本格的な林道を走るのは今回が初です。
1本目の走行はレッキ。テンパって左右を言い間違える私。様子を見るために後ろに乗っていた松井さんに「赤城さん、お箸持つ手わかる?」と聞かれてしまう始末でした。2本目もレッキスピードで、コドライバーの蔭山さんがノートを完璧に修正。3本目で伸び伸びと走ってみることに。比較的広めの林道コースですがコースアウトした先には断崖絶壁。緊張が走ります。
上りコースのためブレーキは極力使用せず、アクセル操作メインでフロントタイヤの荷重を調整します。「メリハリのある走りを」と、蔭山さんから助言をいただきましたが、アクセルもブレーキもステアリング操作もすべて遅く、ドライビングはスポーツなんだな……と改めて実感します。自身の成長を感じられずにいると、松井監督の計らいで講師の石田雅之先生の横乗りをさせていただくことになりました。
本当にあっという間のSSでした。ストレートは速く、ヘアピンは滑らかに、スピードがかなり出ているはずなのですが、危ういと思う瞬間がありませんでした。なんなのこの安心感。すべてにおいて無駄のない動きでぐいぐい登っていきます。
あまりに滑らかに走るので、思わず「ブレーキは使っているのですが?」と聞いてしまいました。さすが元トヨタセミワークス、C-ONEセリカのレジェンドドライバー様でした。
そんなこんなで無事、くす子ちゃん号も無傷で帰還することができました。初めて尽くしで不安もたくさんありましたが、ラリーの走り方やマナー、雰囲気など学べて、ようやくラリードライバーとしてのスタートラインに立てたのではないかと思いました。チームスタッフの皆さま、主催者の皆さま、本当にありがとうございました!
今週末(明日!)はもうTGRラリーチャレンジ渋川伊香保です! まだまだ知らないことばかりだけど、一生懸命勉強して本番に臨みます! 梅本まどか監督の元、頑張りますので応援よろしくお願いします。
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