Hondaは8月3日、2023年秋発売予定の軽自動車「N-BOX」を特設サイトにて先行公開。併せて先行予約の受付を8月に開始すると発表しました。

N-BOXは、2011年に「New NEXT NIPPON NORIMONO」のコンセプトのもとに誕生。軽スーパーハイトワゴンという人気のカテゴリーにおいて、センターレイアウトを活かした高効率パッケージで広い室内空間を提供し一躍を集めました。2017年には「N for LIFE」をメッセージとして、全モデルに「Honda SENSING」を搭載。現在、軽自動車市場で45%近い軽スーパーハイトワゴン市場において、2代目は常に3割を超えるシェアを獲得。8年連続で軽四輪車販売台数第1位を獲得しているほか、2年連続新車販売台数第1位! 「日本で最も売れているクルマ」として不動の地位を築いています。
3代目では、従来の美質はそのままに、より上質感を向上。「家族のクルマ」そして「国民車」としての満足度を大きく高めています。早速エクステリアからチェックしてみましょう。
【エクステリア】上質感が向上し
CUSTOMは「オラオラ感」からプレミアムなモデルに


今回もN-BOX、N-BOX CUSTOMの2モデルをラインアップ。いずれもキュービックな形はそのままに、ボディー下部にボリュームをもたせて安定感を、バックドア近くのピラーにもボリュームを持たせて包み込むような安心感をアップ。どこかSTEP WGN Airに似た雰囲気を感じさせます。



上下2分割丸目ヘッドライトのN-BOXは、フロントグリルも丸穴にするなど、優しさや清潔感を印象付けます。

リアもSTEP WGNに似たスッキリとした印象に。ライセンスランプを含めてフルLED化されていました。

カラーバリエーションはシンプルなベーシックカラー7色と、個性的なファッションスタイル3色の10色。ベーシックカラーはすべて無彩色で白系だけで3種類を用意。ファッションスタイルは、Honda初となるオータムイエロー・パールのほか、アイボリー、そしてFREEDやSTEP WGNで人気のフィヨルドミスト・パールの3色展開。


さらにファッションスタイルでは、足元はオシャレから、ということかホイールキャップが付属します。




一方、CUSTOMは威張りの効いた前作から変わり、初代に戻ったような印象。グリルには縦長穴が施され、フォーマル感がアップしています。また、フロントに一文字ライトを配置して、ワイド感と特別感の演出がなされています。そして、ヘッドライトにはHondaとしては初のダイレクトプロジェクション式LED(集光レンズと投射レンズのみで反射面が不要なもの)が採用されました。もちろんウィンカーはシーケンシャル(イン側からアウト側に流れるように光るもの)です。
ちなみにCUSTOMはターボモデルと自然吸気モデルが用意されているのですが、ホイールサイズとデザインが異なるとのことです。




後ろを回ると、テールゲートスポイラーのほか、テールランプにはCUSTOM伝統のクリアレンズが備えられています。また、CUSTOMのエンブレムがイマドキのフォントに変更されています。

カラーバリエーションは、5色の無彩色にミッドナイトブルービーム・メタリックを加えたベーシックカラーと、2トーンとモノトーンが選べる3色のコーディネートスタイルの2展開。コーディネートスタイルでは、人気のスレートグレー・パールも設定されています。
【インテリア】FITやSTEP WGNの流れを組むカジュアルさ






今回のフルモデルチェンジで大きく変わったのはインテリア。車内に入ると、フラットなダッシュボードが印象的。水平基調を高めたデザインで、広さを感じます。そして実際に広くなっており、運転席側では5mm、後席では55mmのワイド化に成功しているとのこと。ボディーサイズが法律で決まっている軽自動車ですので、わずか数mmでも広げるのは大変です。





軽自動車って安っぽい、という話は過去の話。今回はシボのデザインを変更するなど、プラスチック感が減っています。特に印象的なダッシュボード上のトレイはコルク調の樹脂パーツを採用し、質感を高めています。


メーターパネルもFITやSTEP WGNと同様にTFT表示へと変更。N-BOXの液晶パネル化は、本作が初めて。運転支援使用時が、よりグラフィカルでわかりやすくなりました。





室内は、N-BOXが明るい色調、CUSTOMはブラック調とすみ分けがキッチリしています。シート表皮は、N-BOXとCUSTOMの自然吸気エンジン搭載車がファブリック、ターボエンジン搭載車はスエード調で、さらにカーボン調のアクセントを入れたシートもラインアップ。スポーティーな雰囲気を好む方にはピッタリでしょう。
USBはTYPE-Cが標準だがTYPE-Aもあり
収納も普段使いには十分


スーパーハイトワゴン系の軽自動車で求められるのが収納です。今回のN-BOXは、その点では少なめの印象を受けました。一方で使い勝手は大幅にアップ。中でもグローブボックスにはケーブルを挟んでもキレイに閉じられる工夫は、「なぜ今までなかったのか」と思えるもの。




USBはTYPE-Cがメイン。







お子さんやお年寄りの方が乗ることの多い2列目シート。その使い勝手は前作の美質をそのままに、さらにアップしています。シートは前後に動くほか、チルトアップにも対応という点はそのままに、室内幅は55mmアップ。さらにドリンクホルダーのほかにボックスティッシュが縦に入るスペースが設けられています。






荷室も広々。リアシートのそのものが前後に移動するほか、背もたれを倒せば広大なスペースが出現。前席を動かせば自転車(シティーサイクル)を載せることもできます(座面の間に自転車の前輪を差し込むようにして固定する)。
電動化(EV)は見送りになったが
福祉車両も用意
最後にパワートレインですが、取材時点では非公開。おそらく自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類をラインアップするようで、残念ながらBEV(電気自動車)は見送りに。まだ時期尚早という判断なのでしょう。ちなみにHondaの軽BEVは、商用バンからスタートすると言われております。


クルマ椅子の介助向け車両も用意され、多くの方にピッタリのN-BOX。軽自動車の新型が登場する度に「これで十分では?」と思うのですが、3代目のN-BOXほど、この思いを強く感じたことはなかったことを、正直に申し上げます。ASCII.jpでは試乗車を借りられるようになったら、すぐにレポートする予定です!
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