BMWのパフォーマンスモデルを手掛けるBMW M社が設立50周年を記念して、世界限定50台で「3.0 CSL」を発売。そのお値段75万ユーロ! 2023年10月時点の為替レートで約1億1000万円という、とんでもないクルマが日本に上陸したので、オーナーであるBMW専門店「Studie」創業者で会長の鈴木康昭さんに取材させてもらいました。
◆BMW 3.0 CSLは歴史的名車
3.0 CSLは、1973年に登場し、当時のツーリングカーレースで数々の勝利を挙げたオリジナルの「3.0 CSL」をオマージュしたスペシャルカー。CSLとはCoupé Sport Lightweightの略といわれており、オリジナルは1973年シーズンにヨーロッパ・ツーリングカー選手権で初優勝。1975~1979年に5連覇を達成したほか、1975年にはアメリカのサーキットでも初優勝を飾った、BMW史に燦然と輝く名車中の名車です。
今回の3.0 CSLは一説によるとM4 CSLがベースと言われていますが、詳細は不明。寸法も明らかにされておりませんが、車幅は限りなく2メートルに近く、迫力十分。さらに迫力を与えているのが、独自のボディーパーツや空力デバイスなどで、“バットモービル”と呼ばれたオリジナルのイメージを彷彿とさせるスタイリングです。
◆最新の中にも伝統を取り入れたデザイン
ボディー外装のほとんどはカーボンFPR製なのですが、IMSA参戦時のオリジナルをオマージュしたカラーリングにより、パッと見た感じでは素材がわかりません。ボディーサイドにはカーナンバーの代わりに50がレタリングされ、記念モデルであるところを誇示。驚いたのは、これがデカールではなくハンドペイントであること。それゆえ塗装面に段差がなく高級感いっぱい!
そのほか、CピラーにBMWのエンブレムを配置するなど“当時を再現”する心憎い演出がなされています。LEDヘッドライトの色はGTマシンを彷彿させるイエロー。レーシングな雰囲気を漂わせます。
センターロック式のホイールは、Y字スポークデザインの鍛造軽合金製で、カラーは1970年代風のゴールド。サイズはフロントが20インチでリアが21インチと大型で、タイヤは専用に開発されたミシュラン「パイロット スポーツ 4 S」。サイドウォールにはBMW50周年記念の数字「50」が刻まれていました。
足回りは、M専用設計のダブル・ジョイント・スプリング・ストラット式フロントアクスルと、5リンク式リアアクスル、電子制御式ショックアブソーバーのアダプティブMサスペンションを採用。ブレーキはMカーボンセラミック・ブレーキシステムが装備されています。
ラゲッジスペースも用意されてるので、実用性は十分。ゴルフバッグ2つは入りそうです。アクセサリーソケットなど便利アイテムは取り付けられていませんでした。ラゲッジのドアは軽いのですが、ペナペナというわけではなく、思いっきり閉めても大丈夫そう。とはいえ怖いので、ゆっくり閉めました……。
エンジンは、3リッター直列6気筒ツインターボと、Mシリーズではおなじみのユニット。
インテリアはレーシングと最近のBMWが融合した見事な空間。運転席と助手席はMカーボン製フルバケットシートを採用し、シートの高さと角度はネジによって3段のみ調整可能。また、ヘッドレストは取り外し式の様子。シフトノブには50周年のロゴが刻まれていました。リアスペースにはシートの代わりに2つのヘルメットを収納できるストレージコンパートメントが用意されています。
こんなスペシャルなマシンは選ばれた職人によるほぼ手作りで、完成までのリードタイムはなんと3ヵ月! そして公道とサーキットの走行は可であるものの、レース参戦は不可なのだとか。そして改造も不可なのだそうです。
◆オーナーに聞く納車までの長く険しい道のり
この3.0 CSLを所有されるのは、前述のとおりBMW専門店Studieの創業者で現・会長の鈴木康昭さん。
約2年半前に50周年記念の限定車が出るという話を聞いた鈴木さんは、迷わず注文されたのだとか。50台という限定枠に対して500名近く応募があったようですが、「レース枠ということで(笑)、受け取ることができました」とのこと。
ですが、ここからが大変。まず車両を購入するにあたり、あくまでもドイツ国内でしか購入できないという話だったようで、そこで知り合いの会社に頼んでドイツ国内で購入し、ナンバープレートを取得。ですが、その段階で19%のヨーロッパの消費税(付加価値税)を納めなければならず。さらに日本に持ち込んだ時に、今度は輸入税として10%を納めなければなりません。都合29%の税金を支払うことになり、結果1億3000万円くらいになってしまったのだそう。1台のBMWを買う税金で、BMW何台分のお金が消えるって……。そんな話を笑顔で語る鈴木さん。
それでも手に入れたかったのは、ここまでの規模のアニバーサリーモデルはなかったから。「M1でも、ここまでの規模ではなかったと思います。確か生産台数は700台ぐらいだったと思いますし。だから50台というのは初めてですし、この破格の金額も初めてですよね」とのこと。ちなみに3.0CSLの隣には鈴木さんが代表を務め、SUPER GTに参戦している「M4 GT3」を並べて展示されていましたが「コレの2倍ですよ、このクルマ」と大笑い。
驚いたのは、車検を通しているので公道走行可能であること。ちなみに車両保険の加入は断られてしまったそうです……。すでに300km程度走らせたのだそうですが、「今までのBMWとは全然違う! とにかく動きが軽い! 楽しい!」と大絶賛。鈴木さんは普段M4に乗っていらっしゃるそうですが「それと比べても200kgくらい軽いですし、あとトレッド(左右のタイヤ間の距離)が200mmほど広がっているので、すごい踏ん張ってくれる感じが強いですね」とのこと。
何に近いかと尋ねると「運転しながら、ふと思い出したのはE30型のM3スポーツエボリューションというホモロゲーションモデルですね。あとは一番近いのはM4 CSLでしょうか。
ちなみに「慣らし運転は2000kmまでで、そこからディーラーに持ち込み解除コードを入力するとフルパワーが出るようになります。その後、BMWは1ヵ月100km以内の走行を推奨しています」と、驚きのコメント。これは1年間で1200kmしか走れないクルマというわけではなく、あくまで推奨、という話です。もっとも1億3千万円のクルマは、大抵車庫で大切に保管されるわけで、機械的なコンディションを維持するために月100kmの走行を推奨しているのでしょう。
そんな3.0 CSLですが、お店で展示したりするのでしょうか? 「いや、イベントの時とかに持ってこようとは思うんですよ。実際、注目を集めますしね。でも普段は倉庫に大切に保管しようかなと(笑)」というわけで、我々が姿を目にする機会は、そう多くはなさそうです。気になる方は、StudieのHPやSNSで出展情報をチェックされてはいかがでしょう。
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