皆さんこんにちは! 普段はレースでレースクイーンとして活動している、荏崎ろあです。


 これまでも「現役レースクイーンがラリーメカニックに挑戦」ということで、全日本ラリーやWRCでの体験記事を掲載していただいてます(全日本ラリーで現役レースクイーン・荏崎ろあがメカニックとして大活躍!)。


 そして、今回はラリードライバーとして奮闘した様子を皆さんにお届けしたいと思います!


現役RQの荏崎ろあが2回目のラリードライバーに挑戦もクラッシュを初体験
メカニックの荏崎ろあ
現役RQの荏崎ろあが2回目のラリードライバーに挑戦もクラッシュを初体験
レースクイーンの荏崎ろあ

今回はメカニックではなく
人生2度目のドライバー体験

 私は、5月27~28日、に群馬県で行なわれた「群馬ラリーシリーズ第3戦あさま隠山岳ラリー2024」にドライバーとして参戦しました。JAF公認の準国内競技で、群馬ラリーシリーズのひとつです。


 昨年の「TGRラリーチャレンジ豊田」で初めてドライバーデビューしたので、2度目のドライバー挑戦でした(現役RQコンビがラリーチャレンジ出場! ラリージャパン2023のスーパーSSで現役JKと激突!)。


 参戦チームは、いつもメカニックとしてお手伝いしているウェルパインモータースポーツ。コドライバーはベテランの蔭山 恵選手で、車両は2021年の全日本ラリーでウェルパインモータースポーツが使用していたGRヤリスRSです。ですが、カラーリングは大きく変更されていましたが(笑)。


 メカニックで参加したときに少しだけこの車両も触ったことがありましたが、運転は初めてだったので、ラリーの2週間前から慣れるために本庄サーキットで練習しました。


現役RQの荏崎ろあが2回目のラリードライバーに挑戦もクラッシュを初体験
ラリー
本庄サーキット

 「どれくらいアクセルを踏むと、どのくらいスピードが出るか。ブレーキの利き加減。このくらいハンドルを切ると、このコーナーはちょうど良く曲がれる」など、GRヤリスRSの特徴を身体に覚えさせていきます。


 そして感じたことは、GRヤリスRSって曲がりやすい! ということ。1.5L NAで確かにパワーは非力かもしれないけど、頑丈なボディーはステアリング操作に対して素早く素直に反応してくれます。これなら狭い林道を走っても楽しそうです。


 車両によってこういった特徴は大きく変わるので、事前に本番通りの全開走行が経験できて良かったです。


自分たちでレッキ&車検に挑戦

 そうこうしているうちに、気がつけばラリー本番です。東吾妻町民体育館の駐車場がサービス会場で、土曜は私と蔭山選手のみ集合。レッキ(下見走行)と車検を自分たちで行ないました。


 日曜の本番で走るSSはこの5本です。


  • SS1 Sakakura-Rev 11.05km
  • SS2 Kazuma 6.60km
  • SS3 Sakakura-Rev 11.05km
  • SS4 Kazuma 6.60km
  • SS5 Sakakura-Rev 11.05km

 使用する林道は2コースのみで、それをそれぞれ2回走ります。前回走ったTGRラリーチャレンジ豊田は、比較的初心者向けのラリーだったのでSS総距離も短く当日1回のみのレッキでしたが、今回は各コース2回ずつレッキ走行ができました。


 1本のSS距離が10km超えるのは初めてで、レッキで実際走ってみるとかなり長いと感じました。


 TGRラリーチャレンジ豊田では、豊田スタジアムや公園がSSになっていましたが、今回は5本すべてが林道で、リエゾン区間もかなり長く、総走行距離は200kmを超えました。TGRラリーチャレンジと比較すると、大幅に難易度が上がり、少し不安です。


 ドライバーデビューのときは、レッキ時のペースノートの指示も非常に簡単なものでしたが、今回は蔭山さんの指導もあり、よりラリードライバーらしいペースノート作りを目標にしました。前日の雨の影響や、コケがあるため林道は滑りやすく、そういったところも本番走行時にイメージしやすい表現でコドラに伝えないといけないため、レッキ自体も難しかったです。


現役RQの荏崎ろあが2回目のラリードライバーに挑戦もクラッシュを初体験
ラリー
レッキ前の記念撮影

 その後、いつも通り車検を行ない土曜日は終了。

今夜はチームのみんなと焼肉です。あらかたのお肉を平らげ、ほろ酔いが進むチームメンバーを尻目に、私と蔭山選手は一足先にホテルに戻りペースノートチェック。レッキで録画した映像を見て最終確認を行いました。


 私、ちゃんとラリードライバーしてない?(笑)


現役RQの荏崎ろあが2回目のラリードライバーに挑戦もクラッシュを初体験
ラリー
車検の様子

ブリーフィングに出ていよいよ本番!
林道を全開で走るのはキモチイイ!

 翌日の本番日は早朝からドライバーズブリーフィングに参加しました。ドラミに出ると何だか「私はドライバーなんだ!」と改めて実感できます。


現役RQの荏崎ろあが2回目のラリードライバーに挑戦もクラッシュを初体験
ラリー
ドライバーズミーティング中

 その後は、監督やレースクイーンのねぎしおちゃん(根岸しおりちゃん@negishio_lv)、遠方からファンの方々も駆けつけてくださって、みんなに見送られながらスタートしました。


 いよいよラリーが始まります!


 午前中はSS1 Sakakura-Rev(11.05km)、SS2 Kazuma(6.60km)の2コースです。


現役RQの荏崎ろあが2回目のラリードライバーに挑戦もクラッシュを初体験
ラリー

 最初のSS1でいきなり10km超の林道に挑戦です。レッキはもちろんゆっくり走るので、10km超の林道を思いっきり全力で走るのは初めて。さらに初めてのGRヤリスRSでこの距離に挑むのはかなり緊張しました。


 だって昨年参戦したTGRラリーチャレンジは、すべてのSS距離で4kmくらいしかなかったのに、その倍以上をひとつのSSで走るんですよ! 突然ハードルが上がりました(笑)。


 でも、なんやかんやで思いっきり走るのが楽しくて、意外とすんなり11.05kmを走り終えました。もしかしたら私、ラリードライバーの才能があるかも!


 そして続くSS2です。


 群馬県戦ラリーでは「スピードガンチャレンジ」というパフォーマンスの企画があり、それがこのSS2とそのリピートであるSS4に設定してあります。そのゾーンをいかにオフィシャルにアピールした走りで魅了するか、が問われるのです。


 タイム以外にも、そーゆーところを見てもらえるなんて面白いですよね!


 SS2の途中で、スピードガンチャレンジの看板が出てくるので、本気で走りながらも私はクラクションをリズムよく鳴らしました。


 走りに集中していたので、隣の蔭山さんがどんなパフォーマンスをしていたのかは見えなかったですが、前日からサイリウムを車内に入れているのを見ていたので、それを使ってオタ芸とかしてたのかも知れません……。


 ということで、午前中のSS2本を無事に走り終わました。


 サービスに戻ると、私たちクルーのためにソースカツ丼が用意されていました。さらにシュークリーム付きです。聞けば主催者さんがクルー分は用意してくれているのだとか。


 いつもならお昼はお腹ぺこぺこでたくさん食べるのですが、やはり残り3本のSSが不安で、休憩中はシュークリームだけいただいて、ペースノートの確認をしていました。


 でも蔭山さんのぶんのシュークリームもいただいちゃいました(笑)


・SS1 タイム:13分36秒2
・SS2 タイム:7分20秒5


午後は最終SSでまさかのクラッシュ!

 午後はSS3 Sakakura-Rev(10.80km)、SS4 Kazuma(6.60km)、SS5 Sakakura-Rev(10.80km)の3本を走ります。


 まだまだ長いSS距離が残ってます。


現役RQの荏崎ろあが2回目のラリードライバーに挑戦もクラッシュを初体験
ラリー
スタート直前

 SS3、SS4と順調に走行し、さらにタイムも午前中より縮んでいて、自分でもびっくりしました。

SS3は1分ほど、SS4は30秒ほど速く走ることができました。


 しかし、蔭山さんにも褒められて、調子に乗ってきたのがいけなかったのかもしれません。


 SS5でついに人生初クラッシュ(泣)


 スタートから6km地点の右コーナーでミスをしてしまい、ガードレールの方にフロントは流れてしまいました。その瞬間って、本当にスローモーションみたいに見えるんですね……。なんとかブレーキを踏んだのですが、フロントバンパーの左側を少し擦ってしまいました。


 初めてのクラッシュで、一瞬頭が真っ白に……。でも走ることに支障はなかったので、そのまますぐに走り続けました。


 私は結構動揺していたのですが、蔭山さんがこれまでと変わらず淡々とペースノートを読み上げていくので「まだこのクルマは走れるし、今まで通り頑張ろう!」と気持ちを切り替えることができました。


 SS5をなんとか走り終えた後も、私がクルマの心配ばかりしていたのに対し、蔭山さんは「完走だよ~、お疲れさま」と変わらずマイペース。実は蔭山さんは今ぶつけてしまったこのGRヤリスRSのオーナーさんなんです。もっと愛車の心配や、ぶつけた私を責めてもいいはずなのに……。


 蔭山さんて、なんて不思議で面白い方なんだろうと再認識しました。


現役RQの荏崎ろあが2回目のラリードライバーに挑戦もクラッシュを初体験
ラリー

・SS3 タイム:12分41秒5
・SS4 タイム:6分57秒8
・SS5 タイム:12分23秒2


 今回はSSのタイムが少しずつ速くなってきたので、もっと頑張ってタイムを縮めたいと欲張った結果、自分の技量を超えてしまいクルマをぶつけしまいました。ラリー初心者にはよくあることみたいです。


 その後も監督や蔭山さん、ラリーの先輩の方々に「最初はこんなもんだから気にしない!」と声掛けていただき、私も「ミスを引きずるよりも原因を探して次に活かそう」と思うようになりました。


現役RQの荏崎ろあが2回目のラリードライバーに挑戦もクラッシュを初体験
ラリー

 ゴールした後はメカニックさんたちにクルマの損傷具合を確認してもらったりで、私は表彰式に行けなかったので後から知ったのですが、なんと私たちが「スピードガンチャレンジ」は1位だったそうです。ますます蔭山さんがどんなパフォーマンスをしていたか気になりました。


 私は表彰式の場にいなかったため、2位のクルーさんが繰り上げになったみたいです。賞品や賞金もあって、表彰式に参加してなかったことがとても悔やまれるので、次戦も狙いに行きます!


 ひとまず、2回目のラリーも完走ができて本当に良かったです。やっぱりラリードライバーは楽しいです。私のチームもオフィシャルさんたちも、みんな優しいので大好きです。


 「ミスしたからもうラリーはやりたくない」じゃなくて、「次は今回よりも良い走りがしたい!」と思える性格なので、やはりもしかしたらドライバーに向いてるかもしれませんね(笑)。


現役RQの荏崎ろあが2回目のラリードライバーに挑戦もクラッシュを初体験
ラリー

 次戦は9月14~15日に開催される群馬ラリーシリーズの第4戦プレステージラリー。初のナイトラリーで不安ですが、これからまた練習を重ねて頑張ります。

引き続き応援よろしくお願いしますね。


 荏崎ろあでした!


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