韓国産電気自動車「IONIQ 5」の衝撃から3年。ヒョンデから5ナンバーサイズのBEV(バッテリーEV)「インスター」が上陸しました。
輸入車では珍しいコンパクトEV

インスタ―のセールスポイントは主に3つ。1つはユニークでコンパクトなボディー、2つはEV性能と先進の運転支援システムを搭載したこと、3つ目にオールマイティーに使える室内空間です。



ボディーサイズは全長3830×全幅1610×全高1615mmと5ナンバーサイズ。ヒョンデらしい四角を多用したライト周りにイカリングのようなライトが、可愛い人の顔のように見えます。

それゆえか、リアドアノブあたりにインスタ―のマスコットキャラクターの姿がありました。

ちなみに今後、クロスカントリー風のバリエーションモデルも導入する予定だそうです。



続いて走行性能。インスターは、最高出力97馬力/バッテリー容量42kWhのベーシックグレード「Casual」のほか、最高出力115馬力/バッテリー容量49kWhの「Voyage」と「Lounge」が用意されています。そのうちVoyageとLoungeは1回の充電で458kmの走行が可能とのこと。また150kWhの充電器を使えば30分で8割程度まで充電できます。


運転支援がシッカリしているのもヒョンデの特徴。
荷室はやや狭いが運転席は広く作られている


それでは使い勝手について見ていきましょう。まずドア類を開いたところ、かなりの角度まで開くことに驚かされます。








まずは荷室から。ボディーサイズが小さいゆえか、荷室はかなり狭め。それを補うべく後席は前後に動かすことができます。これは日本の軽自動車に似ているのですが、プライバシートレイがある都合、かなり小さい印象を受けます。後席は倒せますが、背もたれの綿かスポンジがたっぷりで、フラットにはならないようです。というのも、上に荷物が載れば少しへこむから。荷室は二重床で、底面に充電ケーブルがありました。





後席は広く、そして床面は電気自動車らしくフラット。「+」のアクセントが目新しかったりします。

後席のサービスUSBアウトレットはセンターコンソール近くに配置。Type-Cが搭載されていました。


室内空間はさまざまにレイアウト可能とのこと。後席はリクライニング機構もついているので、運転席と助手席側の背もたれを倒せば足を伸ばしてリラックスできそうです。



運転席側は広々空間。どこか軽自動車はコンパクトミニバンの雰囲気があります。
シートヒーターも付いている快適性







インフォテインメントは10.25インチと大型。最近、すべて画面操作する傾向のクルマが多いですが、エアコンなどはボタン式で使い勝手は上々。さらにLoungeではシートベンチレーション、シートヒーターも用意されており、高級車と変わらない装備に驚かされます。
USBは充電用がType-Cですが、車両と接続する方はType-A。また、AC100Vアウトレットが用意されていました。



3種類のグレードのうち、最上位であるLoungeにはサンルーフも用意。
日本の道に合わせた乗り心地が快適すぎる


驚いたことに、日本の道に合わせた「日本仕様」に仕立てているとのこと。たとえば加速などでも、緩やかな加速感にしているほか、足回りも日本の道に合わせているという。その効果は確かに感じとれ、柔らかめの乗り味は広く受け入れられそう。また、回生ブレーキの動きも緩やかに仕立てられていました。

回生量はステアリング裏側にあるパドルスイッチで調整可能。アクセルペダルだけで加減速できるワンペダル動作に対応しており、パワーメーターでレベル量が確認できます。驚いたことに、前走車がいた場合には回生量を強め、いない時は緩くするAUTOモードも搭載されていました。

街乗りなどで便利なのが、ウインカーを出すとメーターパネルに後方カメラの映像が出るところ。ヒョンデ特有の機能で、これは安全面でもとても有用です。クルマに慣れていない人はもちろんのこと、慣れた人でも死角が減るのは意義があります。


高速道路では運転支援がバッチリ効きます。
【まとめ】コンパクトEVは日本で激戦区になるか?
ヒョンデ・インスターはその中で一歩先を行った存在

300万円代の電気自動車というと、日本ではBYDドルフィン、日産SAKURAがあります。いずれもコンパクトで日本の道にあったクルマ。ヒョンデのインスタ―は後発ながらも、それらに対して一歩先を行く出来栄えであったことをご報告いたします。