「Hondaは走り。だろ?」と自らうたう本田技研工業のCM

 Hondaの赤いバッジが付いたクルマ(TYPE-R)だけが走りが楽しめるクルマではありません。

同社のRSグレードも楽しいクルマです。そこで今回は「こんな人にはこのRSがオススメ」をご紹介したいと思います!



RSとは「ロードセーリング」の意味
レーンシュポルトではない

 他社でRSが付くグレードは、スポーツグレードの中でも最上位に付けられることがほとんど。しかし、Hondaは「ロードセーリング」として「走りの質を楽しむクルマ」に与えられています。


「Hondaは走り。だろ?」が味わえるHondaの「RS」モデル3種をタイプ別に紹介
ホンダ

 最初にRSグレードを設けたのは、1974年の初代シビック。シビックは世界で初めてマスキー法などの厳しい排ガス規制に対応したクルマとして知られていますが、その中でも走りを忘れなかったのがHondaらしいですね。一説によると大々的にスポーツモデルと謳うと批判を受ける時代だったから「ロードセーリング」としたとも言われています。


 その後、RSの名は30年間使われることはなかったのですが、2007年にFITで復活。その後、2015年にジェイド、2016年にヴェゼル、2017年にN-ONE、2022年に再びFIT、そして2024年に50年ぶりにシビックに復活しました。


【FIT RSがオススメ】家族が運転することが多い人

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 まずはFIT RSから。車両価格はハイブリッド(e:HEV)が254万1000円、ガソリンエンジン車が215万3800円です。このガソリン車の価格は軽自動車の最上位グレードとほぼ同じ! 実にお買い得です。


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 e:HEVのパワーユニットは、最高出力106PSのガソリンエンジンと123PSの走行用モーター、そして106PSの発電モーターの組合せ。動力はエンジンとモーターを適宜切り替えます。


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 ガソリンエンジンは最高出力118PS。

ミッションはどちらもCVTで、e:HEVのみステアリングホイールにパドルを搭載。このパドルは回生レベルの減速セレクターになります。


「Hondaは走り。だろ?」が味わえるHondaの「RS」モデル3種をタイプ別に紹介
ホンダ
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ホンダ
「Hondaは走り。だろ?」が味わえるHondaの「RS」モデル3種をタイプ別に紹介
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 インテリアはグレーを基調とした、やや明るめの印象。黄色のステッチが入ってオシャレだったりします。


 その走りはというと、FITグレードの中では最も乗り心地が上質。スポーティーだから頑張って走らせるのではなく、意のままにクルマが動き、それが楽しいと改めて思わせるものがあります。


 RSグレードで唯一のAT設定のみであること、そして乗り心地が上質であること、何よりクルマの取り回しがしやすいことから、家族の誰もが運転するコンパクトカーとしてオススメ。ガソリンとハイブリッドのどっちが良いか? というと、燃費の良さでハイブリッド。だけどガソリン車の方が回生ブレーキがないぶん、自然なドライバビリティーが楽しめる印象を受けました。


【N-ONE RSがオススメ】分かっている人の通勤車

「Hondaは走り。だろ?」が味わえるHondaの「RS」モデル3種をタイプ別に紹介
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 続いて軽自動車の「N-ONE RS」。価格はCVT/6MTともに216万400円です。専用のインテリアにホイール、そしてこのグレードのみ6MTを設定していることがトピックでしょう。ちなみにCVTも専用プログラミングなのだとか。

ここでは6MTで話を進めます。


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 エンジンは0.66L 直3ターボエンジンで最高出力64PS、最大トルク104N.mを発生します。トランスミッションは2~5速までクロス(加速重視)にしたセッティングで、2速は30~60km/hまでカバー。つまり、街乗りがラクラクだったりします。


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 初めてのマニュアルが不安という人にも、電子パーキングブレーキ+オートブレーキ機能で街乗りもラクラク。オートブレーキホールド機能(一度ブレーキを踏めば、足を離してもブレーキがかかった状態になる)は電源オフの度にリセットされてしまうのが難点ですが、それでも初めての人には心強い機能です。


 ちなみにシビックRSにも同機能を搭載していますが、あちらはリセット機能はありません。


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 インテリアはオレンジを差し色にしたもの。これは初代シビックRSに用意された専用ボディーカラーの「サンセットオレンジ」から来るものでしょう。


 乗り心地はFITに比べると硬め。エンジンが結構早く吹け上がるのですが、シートポジションやエンジンそのもののパワー、そして細いタイヤゆえに、頑張ろうというのはちょっと違うような。つまりクルマというものを「わかっている人」に向けたクルマだったりします。


 でも街中で3ペダルを駆使しながら走るのは、とても楽しいのです。MTグレードだと家族みんなが運転する車としてはハードルが高いので、2台持ちができる方の通勤車が最適かも。その点も「わかっている人」が乗るのにベストな選択かなと思います。


【シビックRSがオススメ】さまざまなシーンでクルマを使いたい人

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 シビックとしては50年ぶりに復活したRSグレード。価格は439万8900円と、ハイブリッドモデルよりも高い値付けに驚かされます。イマドキ、マニュアル車はぜいたく品です。


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 エンジンは1.5L 直4ターボで、最高出力は182PSを発生。専用の軽量フライホイールによって、エンジンの吹け上がりなどがアップしているとのこと。


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 サスペンション、フロントバンパーだけでなく、インテリアにも専用品が奢られています。一方でRSのロゴを配置し……という点がないのは好印象。


「Hondaは走り。だろ?」が味わえるHondaの「RS」モデル3種をタイプ別に紹介
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 荷室が広く使い勝手がよいのもシビックの特徴。セダンと違いバックドアが大きく開くのはとても便利です。


 その走りはというと、FIT RSとは対照的な良い意味で古典的な乗り味。

一般道の荒れた道では突き上げがドライバーを襲います。「スポーツグレードって、こういう乗り味だよなぁ」と懐かしい気持ちになったりも。


 さらに重ためのステアフィールに3ペダルのマニュアル車。これが嫌いなクルマ好きはいないのでは? それもあってか、発売から約1ヵ月での累計受注台数は、シビック全体で約3000台のうち7割弱の2000台がRSというから驚きとともに納得。想定を超える受注だったそうです。


 たとえば家族を乗せる、大きな荷物を運ぶなど、自動車は買う前には想定もしていない使い方が求められることが多くあります。その時、2シーターのスポーツカーでは対応できないことも……。運転を楽しみたい、けれど実用的な方がいいという人に、シビックRSはピッタリの選択肢となるでしょう。


【RSグレードがオススメ】Hondaらしさを求める人

「Hondaは走り。だろ?」が味わえるHondaの「RS」モデル3種をタイプ別に紹介
ホンダ

 軽自動車、SUV、ミニバン、セダン、ハッチバックと、Hondaには多種多様なクルマがあります。その中でRSが付くグレードは、最もHondaらしさに溢れているクルマのように感じます。もしHondaを買うならRSグレードを買えば楽しいカーライフが送れること間違いなさそう。


 あとは何を選ぶか、です。

筆者なら……小さなエンジンをMTを駆使して走らせるN-ONE RSかな。


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