ストロングハイブリッドモデル(高出力なモーターを搭載することで、状況に応じてエンジンとモーターを使い分けて走れるシステム)の追加や、大きく変わったデザイン、新たな安全装備など話題満載となっているスバルのSUV、新型「フォレスター」。
そんなフォレスターに、オフロードを含めて試乗する機会を得ました。
実質的に歴代スバル車トップの売れ行き!?
新型フォレスター最大のポイントは、何といっても前述したストロングハイブリッド(Premise S:HEV EX、459万8000円~/X-BREAK S:HEV EX 447万7000円~)の追加です。これまで燃費が理由でフォレスターが選択肢から外れていた……といった事例もあったそうですが、WLTCモードで18.8㎞/L(X-BREAK)という燃費性能を実現し、ライバルとなる同クラスのSUVに肩を並べる燃費性能を手に入れました。


燃費性能の進化とハイブリッド、この2つのキーワードがユーザーにとって大きかったのか、新型フォレスターはスバルの歴史に残る大ヒットを記録しています。月販販売計画2400台のところ、初月受注台数が1万1466台となっていて、これは歴代フォレスター最多の売れ行きです。
スバルとしてもスマッシュヒットを記録した2~3代目レガシィの単月最多台数(2代目レガシィ、1997年3月1万4509台)に迫る勢いとなっています。ただ、1997年3月のレガシィの記録は、年度末の決算期で登録車を多く出したという背景もあり、実質的にスバル歴代トップは新型フォレスターなのでは? という声もあります。
ストロングハイブリッドはオフロードでも恩恵アリ!

まずは話題のストロングハイブリッドからリポート。まず乗って驚くのがそのシームレスさです。ストロングハイブリッド化の恩恵がかなり大きいと思いますが、トルクがシームレスに立ち上がり、静かに加速していきます。ワインディングの上りや高速道路の合流など、あらゆる場面でこのクラスのSUVトップクラスの静粛性を見せます。

しかしながら、ストロングハイブリッド化による進化がハッキリと見えたのがオフロードでの試乗でした。ここでは先代のマイルドハイブリッドモデル(モーターがエンジンをアシストするシステム)との比較試乗でしたが、低速からのトルクが違うのと、駆動にモーターを採用したことによりトルク制御が緻密になっていて、トラクション性能が圧倒的に違います。スロットル操作に対して反応よく前に進んでくれて、オフロードでのダッシュ力がまったく違うクルマになっています。
また、オフロードでは新型の方が、圧倒的に乗り心地が良くなっているのが実感できました。
軽快でスポーティーな1.8Lターボもアリな選択

ここまではストロングハイブリッドが優勢な印象かもしれませんが、実際に乗ってみると1.8Lターボモデル(SPORT EX、419万1000円~)も違った方向性で良さが感じられます。まず、1.8Lターボのほうが軽量で、ワインディングでの一体感があります。また、回生ブレーキの機構がないためブレーキのタッチもコチラの方が自然です。
そして、ターボの方が伸びやかな加速を見せてくれます。実は0-100km/h加速はターボの方が速いのです。軽快でスポーティーな乗り心地を求めるならば、1.8Lターボという選択肢も多いにアリです。

そして、ボディー剛性の強化をはじめとした車体側の進化が大きいため、静粛性は1.8Lターボでも満足度が高いレベルとなっています。ハイブリッドに乗るとややトルクが細いと感じてしまうシーンはありますが、乗り心地、静粛性ともに1.8Lターボも良好な印象でした。
フォレスターの購入を検討している人で燃費が気にならないのであれば、ぜひ1.8Lターボも試乗してみてください。

ストロングハイブリッド化によりオンロードを走るSUVとしてはもちろん、フォレスターらしくオフロード性能も進化している新型フォレスター。1.8Lターボもあわせて乗ってみると、クルマそのものが全方位で進化しているのが実感できました。


現在ストロングハイブリッドは1年以上の納車待ちとなっていますが、日本向けの増産体制も検討しているとのこと。まだまだ快進撃を続けていきそうだと確信した試乗会となりました。








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