メルセデス・ベンツ/G 580 with EQテクノロジー エディション1(2635万円/試乗車はオプション込みで2635万円)

 メルセデス・ベンツの人気オフローダー「Gクラス」がフルモデルチェンジ。その中で注目は、かつてEQGと呼ばれた電気自動車「メルセデス・ベンツ G 580 with EQテクノロジー」でしょう! というのも「EVで四輪個別にモーターを搭載」しているから。

最強といってもよい本機をオフロードコースで試乗したので、その4つの魅力をご紹介しましょう。


【G 580の魅力 その1】
自分が強くなった気になる視界の高さと剛性感

オフロードも得意なベンツのEV・「Gクラス G 580」を悪路で乗ったらみんなに人気のワケがわかった
Gクラス
オフロードも得意なベンツのEV・「Gクラス G 580」を悪路で乗ったらみんなに人気のワケがわかった
Gクラス
オフロードも得意なベンツのEV・「Gクラス G 580」を悪路で乗ったらみんなに人気のワケがわかった
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 G 580のボディーサイズは全長4730×全幅1985×全高1990mmと立派な躯体。全長、全幅だけでいえば、BMWのX5なども同じような大きさなのですが、いかんせん全高約2mはなかなかのもの。運転席に座ると大抵のクルマは見下ろす高さで「コレは運転できるのか?」と思わず尻込みするほど。


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 ですが、フロントフェンダーの上部にウインカーランプが置かれているため、車幅感覚はつかみやすかったりします。


オフロードも得意なベンツのEV・「Gクラス G 580」を悪路で乗ったらみんなに人気のワケがわかった
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 驚いたのは高いボディー剛性。今回悪路を走ったのですが、ビクともしない、とはこのこと。さらに言えばドアを閉めるのにも、普通のクルマと同じ力で閉めようとすると半ドア確定。かなり力を入れないといけません。それが逆にGクラスらしさなのだとか。これら剛性の高さは、万が一の時にドライバーを守ることに有用でしょう。


 目線の高さと剛性の高さ、そして下世話ですが金額面も含め、自分が強くなった気になります。この世界はGクラスでしか味わうことはできず、どこか愛好者の気持ちがわかった気がしました。


【G 580の魅力 その2】
EVならではの高い走行性能

オフロードも得意なベンツのEV・「Gクラス G 580」を悪路で乗ったらみんなに人気のワケがわかった
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 G 580は4輪それぞれに低速ギア付きのモーターが1基割り当てられています。モーターの最高出力と最大トルクは147PSと291N・mで、システムトータルの最高出力は587PS、最大トルクは1164N・m! 最新のGクラスのなかでは最強のスペックで、車重3トン越えながら0-100km/h加速は4.7秒と、ポルシェ「718 ボクスター」と同値なのがスゴい!


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 底面に配置される駆動用バッテリー容量は116.0kWhで一充電の走行距離(WLTCモード)は530km。バッテリーパックの下には26mm厚のCFRP製アンダーガードが備わり、床面がフラットになったことで地上高も250mm(G450dは230mm)とアップし、悪路の走破性も向上。


 しかも、エンジンを搭載するオフローダーの多くは、悪路走行前にセンターデフロックをはじめ、さまざまな設定をしなければなりませんが、G 580はモード切替のみ。実にラクです。


オフロードも得意なベンツのEV・「Gクラス G 580」を悪路で乗ったらみんなに人気のワケがわかった
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 さらにG 580では左右のタイヤを逆回転させて超信地旋回をする「G-TURN」が可能です。ローレンジと「ロック(岩場)」モードを選び、ダッシュボード中央のG-TURNスイッチを押し、ステアリングホイールを真っすぐ保持したまま、回転したい方向のパドルを引きながらスロットルペダルを踏むと、クルマがコマのように回転し、最大2回転(720度)で停止するのです。


 何に使うのかというと、Uターンしづらい場所で使うといいますが、平たんな場所でなければ起動しなかったり、回転中はソナーが働かないようで、障害物に近づいても回転は止まらない模様。さらにメルセデス・ベンツによると公道での使用は不可とのこと。どうやら砂漠や雪道などで道を引き返したい時に、安全が確保されている場所に限りお使いください、とのこと。日本に住んでいればなかなかそんなところに行く機会はありませんが、世の中何があるかわかりませんからね。


【G 580の魅力 その3】
質実剛健で実用的な室内

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 室内は適度にラグジーで、華美な装飾はなく実用本位。でありながらイイモノ感が漂います。


オフロードも得意なベンツのEV・「Gクラス G 580」を悪路で乗ったらみんなに人気のワケがわかった
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 ディスプレイはほかのメルセデス車と同様の2画面が連結したタイプ。

高精細で見やすいです。


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 ディスプレイの操作はタッチパネルかトラックパッドを利用。レクサスもですが、個人的にトラックパッドは使いづらいのですが、それは自分が高級車を所有していないがゆえなのでしょう。


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 G 580 with EQテクノロジー Edition 1のみ、助手席ハンドル部にEdition 1のバッジとカーボン加飾がされています。


オフロードも得意なベンツのEV・「Gクラス G 580」を悪路で乗ったらみんなに人気のワケがわかった
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 2列目シートは見た目と違い、足元が狭かったりします。感覚としては国産コンパクト程度といったところ。一方でアメニティは充実しており、なかでもシートヒーターを用意しているのはうれしいですね。


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 グラスルーフも用意され、開けると解放感が得られます。


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 バックドアにはスペアタイヤカバーの代わりにAC充電ケーブルを納めるケースに変わっています。


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 荷室はとても広く、大抵の荷物は入りそうです。12Vアクセサリーソケットも用意され、ポータブルバッテリーの充電などもできます。


【G 580の魅力 その4】
巨大で重いボディーでも高い走行性能

 2本のメインフレームと複数の部材(クロスメンバー)で構成するラダーフレーム車種は、丈夫で耐衝撃性に優れるものの、過去、さまざまなラダーフレーム採用車種を試乗してきた経験上、一般道での乗り心地は通常のモノコック構造に劣るというイメージがあります。


オフロードも得意なベンツのEV・「Gクラス G 580」を悪路で乗ったらみんなに人気のワケがわかった
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 ワインディングを走ってみましたが、確かに車重による振動の収束などで厳しさはあるものの、ラダーフレーム車としては屈指の出来栄え。

さらに電動車らしい静粛性と相まって、快適そのものでした。


 静かすぎて運転した気にならない、という方には疑似的にV8サウンドを奏でる設定も用意されています。こちらは同ユニットを搭載するAMGバージョンのG63と比べると、ちょっと大人しい印象。


オフロードも得意なベンツのEV・「Gクラス G 580」を悪路で乗ったらみんなに人気のワケがわかった
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 Gクラスの魅力である高い走破性も見逃せないポイント。まるで急降下するような坂道もブレーキを使わずに安全に降りることができます。


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 バッテリーパックを密閉してフレーム内に収めたことで最大渡河水深は850mm(ディーゼルエンジンモデルのG450dは700mm)と向上。「水につかったら感電するんじゃないか?」とドキドキしましたが、もちろんそのようなことはありませんでした。


【まとめ】新型GクラスはG 580がベストバイ

オフロードも得意なベンツのEV・「Gクラス G 580」を悪路で乗ったらみんなに人気のワケがわかった
Gクラス

 エンジン車を上回る走破性と静粛性を手に入れたG 580。普段乗りでオフローダーの実力を発揮することは、ほぼありません。ですが、トルクフルで静かなクルマは、街乗りで魅力的に映るでしょう。


 筆者は同日にハイパフォーマンスモデルのAMG G63も試乗したのですが、前述の魅力から「買えるならG 580の方が素敵だな」と思いました。


オフロードも得意なベンツのEV・「Gクラス G 580」を悪路で乗ったらみんなに人気のワケがわかった
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