まさかのビール化!

 サントリーは9月29日に開催したビール事業マーケティング説明会で、「金麦」を2026年10月以降に、“ビール”区分として改めて発売すると発表した。


 対象となるのは「金麦」「金麦〈ザ・ラガー〉」「金麦〈糖質75%オフ〉」。

現在は“発泡酒(新ジャンル)”の区分で販売されているが、麦芽比率を50%以上に引き上げ、ビールとしてリニューアルする。税区分は変わるものの、価格帯は据え置くとしている。


 背景には、2020年10月から段階的に進められてきた酒税改正がある。ビールは減税される一方、発泡酒や新ジャンル※は増税されてきた。最終段階となる2026年10月の改正では、350ml缶でビールが約9円値下げ、発泡酒は約7円増税となる。
(※新ジャンルは2023年10月に発泡酒に統合された)


 サントリーによると、この影響で従来発泡酒を中心に購入してきた、いわゆる“エコノミー層”は半減し、ビール類市場全体が縮小する見通しだという。金麦の“ビール化”は、従来の価格帯を維持しながらビールへ移行することで、この層へアプローチし、ひいては市場全体の活性化を目指すもの。


 具体的には、ビール要件である麦芽比率50%以上使用に変更。麦芽比率の引き上げによる旨味の向上が期待できる。一方で、厚みが増すと後味が残りやすくなる懸念もあるため、醸造条件を適正化することで、金麦らしいすっきりとした後味を保ち、麦の旨味と飲み応えを両立させたという。「金麦〈糖質75%オフ〉」も同様に、麦の旨味を高めながら飲み応えとすっきり感を兼ね備える設計。


 「金麦」は2007年の発売以来、2026年で発売20年目となる。

節目の年にむけて、ブランドにとって大きな転機となる。


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