2020年に登場するや人気沸騰! 2023年まで輸入SUV登録台数ナンバーワンに輝いたフォルクスワーゲンのコンパクトSUV「Tクロス(T-Cross)」が昨年マイナーチェンジしました。さらに魅力度が増した本機の魅力を、徹底的にご紹介したいと思います!
扱いやすいボディサイズと改良された内外装
フォルクスワーゲンといえばゴルフやポロといったコンパクトハッチが広く知られるところ。ですが時代はSUVが人気。



ボディーサイズは全長4135×全幅1785×全高1580mm、ホイールベースは2550mm。今回取材の車両はRラインという最上位グレードで、車幅は他グレードに比べて25mm広くなっています。全高があと30mm低かったら、高さ制限のある機械式駐車場に入庫できたのに……と、少し残念に思うところ。

残念ついでに話をすると、アンテナがバータイプなのがションボリ。というのも、抜こうと思えば抜けるので、イタズラされるし、個人的に一度へし折ったことがあるから……。ここはシャークフィンタイプにしてほしかったなと。
ワイヤレス接続と実用的な装備



さて、今回のマイナーチェンジでは、インテリアの大幅変更に力を入れた様子。なかでもセンターディスプレイが普通のナビから9.2インチの横型タッチディスプレイにチェンジしたのは見逃せないポイント。従来はセンターコンソールに埋め込む形でしたが、こちらも流行りの独立した形へと変わりました。



感心したのはワイヤレスCarplay対応であること。Appleはもちろんのこと、Androidともワイヤレスで車両とつながります。

エアコン周りはボタン式。最近は何でもタッチで操作しようという風潮で、一見便利と思いきや、使っているとそうでもないと感じていたので、これはうれしい配慮かも。

パーキングブレーキがレバー式なのは予想外。ですのでオートブレーキホールド機能はありません。シフトセレクターもレバー式。イマドキのクルマにしてはコンサバティブで、それゆえ誰もが使いやすい、そんな印象を受けました。

一方、シフトモードセレクターがレバー式ゆえ、Pに入れるとスマホが取り出しづらくなることも。USBはType-Cでした。だいぶType-Aが減った気がします。

ステアリングホイールはコンサバティブな円形。メーターパネルはLCDでナビ画面が表示されるのは便利ですね。
広々とした後席と工夫された荷室空間




後席は前後140mmスライド可能で、一番後ろまで下げれば足元はかなり広い印象を受けます。USB Type-Cのサービスレセプタクルも用意されています。






荷室は後席をたたまない状態で455リットルと大容量。背もたれを倒せば1281リットルに増えます。床面の下にも収納スペースはありますが、タイヤが丸見え状態なのでプライバシートレイを置くのが使い道かなと。一方でフタを止めるストッパーがあるのはとても便利。後席を倒した際、床面はかなりフラットになるのも美質です。


エンジンは最高出力116馬力、最大トルク20.4kgf・mを発生する1L 3気筒ターボ。ガソリンはハイオクのみです。発生した動力は7速ATを介して前輪に伝えられます。ちなみに四輪駆動モデルの用意はありません。
想像以上に軽快でしっかりとした走り

走り始めて驚いたのは、1L 直3ターボエンジンとは思えない静かさと振動の少なさ。軽自動車は言うまでもなく、ライバルたちのエンジンと比べても静か。パワーはそれなりなので、踏み込むと相応の音を奏でるけれど、都心部の一般道で不満を覚えることは少ないでしょう。
次に驚いたのは、ゴルフほどではないにせよ、ボディーのシッカリ感があるので想像以上にキビキビしたハンドリングが楽しめるということ。やや硬質なVWらしさと相まって、若々しいクルマだと感じました。
【まとめ】誰が乗っても大きな不満を覚えない
最大公約数的な良さ
VWらしい「誰も大きな不満を覚えない最大公約数的な良さ(万人向けの良さ)」が、Tクロスにもありました。最大公約数的といっても無個性ではなく、キッチリとクルマの楽しさを伝えてくれます。「初めてのクルマにピッタリ」というには少し高額ですが、最初からイイクルマが欲しいという人には好適でしょう。

また、コンパクトSUVにダウンサイジングしたい人にもオススメです。気負いのない自然体の良さと相まって、毎日乗るのにピッタリの1台と感じました。さすがフォルクスワーゲン(国民車)と、感心しました。

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